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non è bello ciò che è bello, ma è bello ciò che piace.
            ( 美しいものが美しいのではない、好きなものが美しいのだ )
witten by otallo
世界中
うんうんする
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幻に終わった“Cagiva Ferrari F4”は、Ferrariがフォーミュラー1で培った技術をモーターサイクルの世界に落とし込もうとした、意欲的な企画であったが、1990年代にCagivaが仕掛けたMV Agustaのブランド復活劇によって、それは“MV Agusta F4”に受け継がれ、現実のものとなった。
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▲ Cagiva Ferrari F4

設計を指揮したのは鬼才マッシモ・タンブリーニ(Bimotaの設立者の一人)だったが、F4エンジンの特徴とも言うべき“ラジアルバルブ”こそ、当時、ピエロ・ラルディ・フェラーリ(現Ferrari S.p.A.副会長)が率いたFerrari Engineeringから技術提供されたもので、それこそが“Cagiva Ferrari”であり、今日の“F4 = Ferrari 4”と呼ばれる所以である。
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▲ MV Agusta F4のラジアルバルブ。吸排気面積が拡大できるというメリットがある。

さて、8月下旬。何度かのティーザーキャンペーンを経て、MV Agustaは“F4Z”を名乗るF4を発表した。
その最大のトピックスは、車名末尾の“Z”が意味する“ZAGATO”とのコラボレーションで、ボディカウルをミラノのデザイン・オフィスが手掛けることになった。
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▲ MV Agusta F4Z。9月4日にフランスで開催された“シャンティイ・アート&エレガンス”で正式披露された。シルバーとメタリックレッドを基調としたボディカラーはMV Agustaのセオリーに則ったもの。

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▲ 真新しいプロジェクター式のヘッドライトは、イタリア式に言えば“モノファーロ(一灯)”だろうか。

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▲ 正式な名称は“F4 ZAGATO”ではなく“F4Z”である。

プレスリリースによれば日本人コレクターのオーダーによる“one of one”とのことだが、間もなく、創業から100年を迎えるZAGATOにとって、モーターサイクルのデザインを手掛けるのは初めてであろう。
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航空機製造を学んだウーゴ・ザガートが、その軽量化技術を自動車分野へ提供することを目的にミラノで創業したのがCarrozzeria Zagatoだった。特に、同じくミラノに本拠地を構えていたAlfa Romeoとの共演は、今も輝かしい歴史が語り継がれている。
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▲ Carrozzeria Zagatoがボディを手掛けたAlfa Romeo 6c1750GSは、Alfa Romeoに数多くの栄冠を齎した。そのワークスチームを率いたのはエンツォ・フェラーリである。

現在は、ボディ製造を手掛ける“カロッツェリア”という意味からは少し離れ、デザインやエンジニアリングを請け負う“デザイン・スタジオ”に内容をシフトしている。だが、その魅力は輝きを増し続けている。
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▲ 今年のヴィラデステで発表されたAston Martin Vanquish ZAGATO。現在のZAGATOはウーゴ・ザガートの孫であるアンドレア・ザガート社長を筆頭に、長年に亘ってチーフ・デザイナーを務める原田則彦氏、そして、このVanquish ZAGATOを手掛けたステファン シュヴァルツ氏がZAGATOを支えている。

日本がそうであるように、イタリアの自動車産業とオートバイ産業も、お互いに関係の深い存在である。
Isettaを生み出したISOはオートバイと冷蔵庫で成功を収めた後、FerrariやLamborghiniのような高級グランツーリスモの製造に転身し、名を遺した。
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▲ BMWへIsettaの製造権を譲渡したISOが最初に送り出した高級グランツーリスモが、このISO Rivolta GTだった。スクーター製造から小型自動車の生産を企画したメーカーは少なくなかったが、ISOのような存在は異例と言える。デザインはBertoneに在籍していたジョルジェット・ジウジアーロが手掛けた。

DucatiはLamborghiniと同じボローニャで創業し、2012年には同じAudi傘下に収まった。Vespaで有名なPiaggioもFIATの創業一族アニエッリ家に買収され、実質的な傘下となっていた。航空機製造でも知られている。

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バイクとクルマ、この二つの分野が交差し、互いに影響を与え合う存在となることは世界的にも、歴史的にも、珍しいことではない。
しかしながら、MV Agusta F4とZAGATOの“結婚”は大いなるロマンが交差する瞬間と言えるのではないだろうか。
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そして最後に、この文書を書いていて非常に残念なのは、MV Agusta F4Zが “one of one”という唯一無二の存在であるということ。
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だがそれは、誰の手にも届かない存在であるからこそ、より一層、輝きを放っているように感じられるのだと、自分を納得させたいと思う...。





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