【ロンドン=尾形聡彦、ニューヨーク=丸石伸一】
米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)傘下のスウェーデンの高級乗用車メーカー、サーブが20日、法的管理下での再建手続きを裁判所に申請した。事実上の経営破綻(はたん)。今回の経済危機でGM傘下のメーカーが破綻するのは初めてだ。
GMはサーブの売却を模索するとともに、スウェーデン政府に対して債務保証など支援を求めていた。スウェーデン政府は昨年12月、自動車業界に対し280億スウェーデンクローナ(約3千億円)の支援策を打ち出していたが、GMとサーブ側の経営改善策には問題が多いとして支援を拒絶。資金繰りに窮したサーブは破綻に追い込まれた。サーブの広報担当者は朝日新聞に対し「法的管理のもとで新たな経営改善策を出して、独立の道を模索する」と話した。
サーブはスウェーデンに約4100人の従業員を抱える。通常通り業務を続ける一方、今後3週間かけて合理化策をとりまとめ、身売り先の模索を継続する。同社は「サーブ」ブランドを継続するとともに、ユーザーへのサービスも続けるとしている。
GMは17日、既に134億ドルの緊急融資を実施した米政府に対し新たに166億ドルの追加融資を要請。3月末までに20億ドルの支援が得られなければ資金繰りに行き詰まる可能性もあるとしており、手元資金は逼迫(ひっぱく)している。GMに、サーブの経営を支える資金的な余裕はなかった。
GMが17日に米政府に提出した経営改善計画では、傘下8ブランドのうちサーブなど3ブランドの売却などを検討する方針を打ち出していた。売却対象だったサーブが破綻に追い込まれても、GM本体の経営改善計画には大きな影響はないとみられる。ただ、スウェーデン政府がサーブ側の経営改善策を評価しなかったとみられることは、GM本体の経営の先行きに対する不安も強める可能性がある。 (ASAHI.comより)
「サーブ9―3スポーツセダン」=GM提供
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いよいよ、厳しくなってきましたねぇ。。