1つの車種をお借りする時間が決められており、返却時間厳守のため、フォトセッションもそこそこに駆りに行きます。
この日の天気は本当に気持ちの良い快晴で、時間があれば箱根のターンパイクまで行きたいのですが、最初ということもありペース配分を掴むためにも、大磯ロングビーチの前に通る西湘バイパスを走るだけに留めました。
途中のPAで500CとRCZを交換して運転することでそれぞれの特徴をより感じ取ることができました。
500Cはとにかくオープンエアーの解放感がとても気持ちよく、かつアバルトのチューニングパワーを持ってノーマルのチンクエチェントとは異次元の速さです。特筆すべきはボディ剛性で、オープン化にあたってのネガティブな部分は全く感じ取ることがありませんでした。元々パッケージがルーフ付のオープンということもありますので、骨格的にはクローズドモデルと基本一緒なんでしょうか。
走っても引き締められた足回りとクイックなハンドリング、ヤル気を鼓舞するかのようなエンジン、マフラー音で、運転が楽しく、ワクワクします。演出が上手です。これがハドルシフトで扱えるということで、かなり人気が出そうです。少し気になったのはパドルシフトの変速ショックが、ツインクラッチ式変速機全盛の今にあっては少し古さを感じるところでしょうか。
ただ「シフトしてる」というダイレクト感という意味ではシングルクラッチの方があるので、MT風に乗るにはこちらの方が味があっていいと思います。
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RCZは今回試乗した中でもトップクラスの素晴らしい印象でした。予備知識無しで試乗したので、乗った感覚は排気量は2L以上、2.5Lくらいの排気量に感じましたが、これが1.6Lモデルと聞いて驚愕でした。
低速からのトルクも十分あり、シフトも柔らかめで入り易く、最初からまったくもってスムーズな運転ができました。
車線の合流などの急加速も十分、ブレーキも思ったポイントで効きます。クーペの宿命かも知れませんが、合流などでは後方視界が少し悪いようにも感じましたが、これは慣れの問題もあると思います。
特に6MTだったというのもありますが、これは単なる見た目だけの車ではない、ファントゥドライブのためのプジョーだということが分かりました。500Cからの乗り換えということもあったかも知れませんが、500Cとの200ccの排気量の違い以上に伸びのある加速でした。
かなり印象の良かったRCZでしたが、しかし最後に500Cに乗り換えた時に、「あれ!?やっぱりこっちのがヤンチャで面白いかも」と感じるモノがアバルトには確かにあり、やっぱりこの車もRCZとは違うベクトルのファントゥドライブなんだなあと感じました。おもちゃ箱のような楽しさがアバルトにはあります。
大人のRCZ、やんちゃな大人の500C、と言ったところでしょうか。
ここで500Cがタイムアップ。返却の為、受付に戻ります。
そして次の車の鍵を受け取り、また試乗に出て行きます。
駐車場には様々な試乗車が用意され、今回乗れなかったものの中にもたくさん興味を惹かれるモデルがありました。
後々ご紹介させていただきます。
次はポルシェ911カレラです。