ウイングオートさんにFIATQUBOをお借りしましたので、編集部レポートをお届けします。
◆ファーストインプレッション
ブサ可愛い
ムルティプラのマイナーチェンジ前の顔といい、イタリア車のフロントデザインはどこかファニーフェイスで、ともするとブサイクなのが、逆に可愛くてたまらない。
このQUBOもその伝統(?)にならって、このアングリ突き出したアゴのようなフロントフェイスが何ともブサイクで、かわいい。
これだけでも十分買う動機になるから不思議だ。
実は編集部も2009年にイタリアに行った時に、QUBOに一目ぼれしたクチで、その時に書いた記事を2本ご紹介。
このQUBOのCMは必見。笑えます。
この見た目と、ウイングオートさんの派手なデカールのせいもあると思うけど、街中でも、
◆使い勝手編
広い!
ぱっと見た印象は意外と大きい。でも実は全長3,959mm 全幅1,716mm 全高1,713 というコンパクトサイズに収まっている。
これで全長ほんとに4m以下!?というくらい車内は広い印象。じゃあ横幅があるのかと思いきや、
全幅も1716mmと、最近の肥大化した同じクラスのライバルのボディと比べても全然狭いはずなのに、どうしてこんなに室内が広く感じるのだろう。
背が高い分、アイポイントと解放感がそうさせるのかも知れない。パッケージングの妙なのだろう。
キーレスが効く!
ためしにやってみたらものすごい遠くからもキーレスエントリーが効くからびっくり。
最近の日本車より、よっぽど遠くまで届く。
昔のイタ車はガラスにくっつけて開けていたことを考えると、便利になったなあと変なところで関心。
カーナビ収まりいい!
現代においてカーナビは必須アイテムと言えよう。
しかし輸入車というのは未だにこのナビへの対応が積極的でないので、こういう収まりの良いナビは見た目にこだわるイタリア車乗りとしてはありがたい。
聞くところによると海外をいろいろと探してパーツを取り寄せているそう。
こういう地道な作業が嬉しい。
エアコン効く!
これも昔からの輸入車乗りには朗報なポイントだと思う。
室内が広い分、エアコンの効きはとても気になるが、ものすごくよく効く。
マニュアルエアコンの1段階目にしただけで、勢いよく冷気が飛び出てくる。
ミラーが大きい!
ミラーは大きいに越したことはない。
成り立ちが商用車なだけにここは重要なポイントの一つ。
レーンチェンジがとてもしやすく、死角が少ないのは◎
両側スライドドアー
家族持ちにはとっても便利な両側スライドドアー。
お隣りの車にドアパンチを食らわすこともなく、みんなに優しい両側スライドドアーは嬉しい機能の一つ。
かの地では商用車として売っているだけあって、日常的な使い勝手は申し分ないと言えよう。
では、肝心の走りはどうか。
◆走り編
ハンドルの持ち手
まず、ハンドルがいい。
何かいいって持ち手の部分。
皆さん自動車学校で習いましたよね?ハンドルは10時10分の位置に持てと。
この微妙な張り出しが、同じフィアットのチンクエチェントやプントなどより若干膨らみが大きいだけで、随分と印象が変わる。
ついここに手を乗せたくなるのだ。
安全をデザインするということは、なかなかできることではないと思う。
一般道路
乗り込む前、目を閉じてエンジン音を聞くと小型のトラックのようなテイストの音がする。
でも、実際乗り込むとNVH対策がなされており、車内にいると音、振動ともに気にならないレベル。
最初はAUTOモードで走ってみる。要するにオートマモードだ。アイポイントの高さとガラスエリアが広いことが功を奏して視界は良好。
1.3L直列4気筒ディーゼルターボで75馬力というスペックよりも、実際は速く感じるのはディーゼルエンジンならではのトルクの厚みの恩恵だと思う。これでも十分走るのだが、AUTOモートを解除して、積極的に動かしてみる。
ディーゼルエンジン
低回転からトルク発生に伴い、モリモリ加速していく。3500回転を超えたあたりでトルクバンドから外れる感じがあるので、小気味よくデュアロジックをシフトアップしていくと、俄然スピードに乗ってきて、「きたきたーー」という感じがある。
逆にうまくバンドに乗せてあげないと走りも普通なものになりがちなので、ある意味通好みなディーゼルならではの楽しみがあると言える。
やはり車好きとしては積極的にシフトアップ、ダウンを使いこなしたい。
高速道路
今回の試乗で感じたのはむしろ高速道路のスムーズさだ。
イタリアで商用バンとして売っているとは思えない足回りのしっかりさがある。
つまりはきびきびと走ってくれて、合流などは厚いトルクのお蔭でスムーズに入ることが出来たし、コーナーでは意外と踏ん張ってくれる。
計算されてか、丁度踏ん張る右足のスネの部分がいい感じに当たってくれるので、それほどホールド感があるわけではないシートの割には自分自身も踏ん張れるのは良かった。
様々なシーンに
奥様がのんびり走ることもできるし、その気になったらお父ーさんがガチャガチャと
シフトを使ってモリモリ走ることもできる、そして広くて両側スライドドア。まさに一家に一台的な一石二鳥グルマだし、広い室内&キャリアなどを使って、ホビー車として派手なデカールなんかを貼ったりして使うのも面白いと思う。
転がしてるだけで楽しい
色々な視点で書いたけれど、イタリア車の魅力というのはそういうものでは計ることの出来ないものがある。
転がしているだけで、何だかワクワクしてきて、どこかに出かけたくなる。
そんな、イタリアの伝統に則った1台が、このQUBOだと思う。
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