まずはこの流麗でラグジュアリーなスタイルをご堪能あれ。
取材当日は天候もすこぶる良く、ホワイトのボディとオープンの佇まい、そして青空がマッチしている。
内装はシックで上質に纏められていて、シートの座り心地は柔らかすぎず、硬すぎず、しっくりくる。
試乗に出ると先ほどまでのやわらかい印象から、V8ツインパワーターボの強烈な加速と心地よいトルキーなサウンドにより、この車のもうひとつの姿をさらけ出す。しかしそれはあくまでもラグジュアリーであり、全長4895mm、全幅1895mmという大柄なボディに包まれた安心感と、オープンにしたままどれだけ加速しても髪の毛に感じるそよ風の程度の風の巻き込みは、この日試乗したオープンカーの中で随一の快適性能であった。
真冬でもオープンにして乗ることに全く抵抗の無い、むしろその後に乗ったクローズドボディの試乗車が逆に息苦いと感じるほどに、オープンであることが自然であり、快適さが際立っていた。また、今のオープン機構は少し前のものの様にロックなどを解除することなく、スイッチ一つで簡単に開閉できることも、オープンにすることのネガティブさから解放されている。
試乗12台のうちの最初の1台がこれだったので、ハードルが上がってしまった感があったが、車としての完成度は文句なく、これを一つのベンチマークとして試乗できたことはとても良かった。まあ、値段のハードルもかなり高いのだが。
BMW 650iCabrioret
【スペック】全長×全幅×全高=4895×1895×1365mm/車重=2050kg/トランスミッション=8AT/ハンドル位置=右/駆動方式=FR/エンジン=4394cc V8DOHCツインパワー・ターボ/JC08モード燃費=7.7km/価格=1330万円
メーカー公式HP
http://www.bmw.co.jp/jp/ja/newvehicles/6series/convertible/2010/showroom/index_flow.html