◆1日目・・・始まりの地、トリノの洗礼
すんなりとはいかないと思っていたけれど、やっぱりいきなりイタリアの洗礼を受けた。
何のアナウンスも無く、トリノ行きのアリタリア便が2時間以上出発が遅れて、やっと着いたのがお昼の13時過ぎ。
いきなり予定が狂ったと文句を垂れながらも、これぞイタリアだねと、何故かニヤッとする自分もいたりする。
到着ロビーに着くと、そこにはもう太田さん(※1)が待ち構えていた。
初対面の太田さんの印象はイタリア人と間違えるくらいオシャレなイデタチで、サングラスがビシっと決まっていて、
独特の覇気をお持ちだった。さすがはイタリアでお仕事されてる人だなと妙に納得。
話してみるととても気さくな方で、案内所へ連れていってもらったり、そこでレンタカーのカウンターの場所などを流暢なイタリア語でいろいろと聞いてくださった。
そして、教えてもらったレンタカーのカウンターに行ってみると、、、Chiuso(Close)の看板が掲げてあった。
そうだ、イタリアには長い昼休みというものがあるんだった。いつ開くんだろう、そもそも再開するんだろうか、2時間遅れでキャンセル扱いされてはいないだろうか、という不安を感じながらも、太田さんとお話しつつ待つこと30分。窓口が再開した。ふぅ~。
日本を旅立つ前、知り合いに「イタリアでは車種指定で予約しておいても希望のクルマは来ないよ」と散々脅されていたので、かなり不安だったけれど、無事に希望通りAlfaRomeoMitoをレンタルすることが出来た。日本では当たり前のようなことをイタリアの地で出来ると、それだけで奇跡のように嬉しく思えるから不思議だ。
借りたのはディーゼルエンジンのアルファロメオMito 1.6 JTD16v Turbo Diesel。ガンメタのボディーは日本未入荷色で、Mitoのグラマラスな曲線がより強調されてかなり括弧いい。しかもかねてからアルファロメオのディーゼルエンジンを運転してみたかったので、好都合だ。これは幸先いいスタートだ。
(予定が3時間以上遅れたのは想定内の出来事で、予約していた車が当たり前に目の前にあるのにツイてると思えるあたりが、もう脳内イタリア色といったところか。)
その後、太田さんのアウディの後を追っかけてトリノ市内へと向かう。海外ドライブ初体験でいきなりのプチツーリングに心臓バクバク、でもちょっとワクワク。
慣れない左ハンドルのミッションに苦しみ、ギクシャクと不自然な挙動になりながらも必死に喰らいついて行く。
「すげえ!!なんだかすげえ!!イタリアを初ドライブでいきなり高速道路走ってる!」「うわ!街中に入った!見渡す限り、めっちゃ素敵な町並みやん!」
なんて、頭の片隅でかすかに思いながらも、目の前のアウディに喰らいついていくだけで精一杯。
イタリアを運転してまず感じたことは、日本よりもアベレージスピードが速いこと。そこいらのおばちゃんが旧型パンダでブっ飛ばしていくサマはカッコ良すぎる。
その流れに乗りながら太田さんから離れないように頑張って運転するのだが、ディーゼルエンジン特有のパワーバンドの狭さに手こずり、なかなかMitoが前に進まない。
そこでMitoのDNAシステム(※2)の「D」レンジに入れてみる。すると全く別物のようにエンジンの吹け、トルク、パワーが出るようになり、俄然スムーズに追いつくことができるようになった。
それでも途中、イタリアの乱暴な運転の前に3度ほど「ああ、ぶつかる!」って思うような場面があったのだが、ギリギリ奇跡的に避けることが出来て、なんとか無傷でリンゴットホテル(※3)に到着。超刺激的なイタリア初ドライブを満喫(?)したのだった。
リンゴットホテルはかつてFIATの工場だったとは思えない程、洗練されたデザインの建物だった。
チェックインして入った部屋は、一人で使うには持て余すくらいの広さと、白と黒を基調としたモダンなデザインの内装となっており、それはもう本当に素敵な空間だった。
Mitoで旅するTorino~Milano特別編 3 へつづく。
※1 イタリア自動車雑貨店のオーナー。たまたま僕のカーくるブログを見た太田さんが親切にも声を掛けていただき、今回の旅では本当にお世話になりました。
イタリア自動車雑貨店 http://www.italiazakka.co.jp/
※2 スポーツドライビングに最適化された「ダイナミック(D)」、市街地走行用の「ノーマル(N)」、滑りやすい状況下でのコントロール性能を向上させる「オールウェザー(A)」の3タイプから、ドライバーが任意に選択することができるAlfaMitoに採用された統合制御システム。
※3 、元はFIATの工場だった廃屋を関空の建築などを手掛けたイタリア・ジェノバ出身の建築家レンゾ・ピアノがリノベーションを手掛けた建築物。
広大な旧工場内には、見本市会場、コンサートホール、ショッピングセンター、トリノ工科大学、そして、ホテルにと華麗な変身をしました。
イタ車好き、建築好きには堪らないホテルです。