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 Anycaのオーナーにリアルな声を聞くことで、未来のオーナーに有益な情報をお届けする連載「クルマ好き記者鈴木GO太郎の、賢者のカーシェア術」。

       

 今回登場していただくのは、アルファードを24時間3,980円でシェアしている山本さん(50代・東京都在住・Anyca歴1年9ヶ月)。

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Anycaでは何度もシェアリクエスト数上位にランクインしており、最高で月に6万円の収入、平均でも3万円ほど安定して収入を得ているという。

そんな彼女のシェアのコツは、これまで当連載で紹介していたどの”賢者”とも違った独特のものだった。

 

キーワードは、Anycaの時流に流されない彼女独自の無理をしない”マイルール”だ。

その全貌を紹介しよう。

【Topics】
1:「もともと売ろうと思ってたんです」2年間自宅駐車場に眠っていたアルファード 

2:人数、距離、料金。「とにかく!」な人のニーズに徹底に応える

3:キズのある車体でも、シェアする時は2つのルールを守る

4:「Anycaのおかげで、軽自動車を購入しました」

1:「もともと売ろうと思ってたんです」2年間自宅駐車場に眠っていたアルファード

「もともと、子どもが大きくなったので売ろうと思っていたんです。というのも、娘が北海道の大学に行く時にクルマを持っていき、あっちで乗りつぶしていたからです。おかげでダンパーはボロボロで車体も傷が目立っていました。その後、娘は就職で東京に戻ってきましたが、それから2年ほど乗っておらず、ずっと自宅駐車場にとめたまま。本当に乗ってなくて、使うのは年に1〜2回、家族みんなでお墓参りに出かけるときくらいでした」

 

ホイールにはガリ傷、側面にも傷がある

ホイールにはガリ傷、側面にも傷がある

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 そんな事情もあり、山本さんがクルマの売却を考えていた時。たまたま知人経由でAnycaの存在を知った。

 

20163月にシェアを始めた当時、7年前に購入したアルファードはすでに6万キロ走っていました。中古で出しても値はつかないでしょうし、みんな気楽に乗ってくれて維持費軽減になるなら……とシェアしてみたんです」

 

 山本さん曰く、アルファードの外観は「傷だらけ」。だが、タバコは吸っていないので内装はキレイとのこと。

内装状態はとてもよい

内装状態はとてもよい

 このクルマの状態は、シェアするドライバーにとっては安心かもしれない。高級車をシェアする時のように、傷をつけないかビクビクしすぎることもない。一方、内装はキレイなので運転していて心地よい。まさに気楽にクルマを利用したいドライバー向きと言える。

 

 現在は月平均9回ほどのリクエストが入る。最も多い月では月20回のリクエストが入り、6万円になったことはすでに述べた通り。

 

 なぜこんなに人気なのか?

 杉並区の住宅街に住んでいるということは、ご近所さんのリピーターが多い?

 

「いえ。リピーターは3割くらいで近所の人はほとんどいません。それに、同じ人のリクエストがあってもせいぜい23回です。Anycaはいろんなクルマが登録されてますから、みなさんいろんなクルマに乗りたいんじゃないですかね。なので、初回の人が乗りたくなるようなプロフィール文を書くのがいいと思います」

 

 山本さんは、シェアを開始後すぐに自分のクルマがどんな人から人気があるのかを分析した。

 

「若い人が旅行で使うケースが圧倒的に多かったんです。アルファードは大きいクルマなので、引っ越し時期の3夏冬の旅行シーズンのリクエストが特に多いです。9月のシルバーウィークもリクエストで埋まりました。同級生の結婚式のためにみんなで静岡に行くので使いたいという人もいましたね。それから、最近は外国人の方も増えてきました」

 

 山本さんのアルファードの特徴は、前日などの直前予約よりも1~2週間前の予約が多いこと。「大人数の旅行で使うので、みんなでスケジュールを合わせているからでしょう」とその理由を分析する。

 

 事実、本記事の取材時は12月第1週だったが、すでに翌年1月も3人からのリクエストが入っていた。

 

2:人数、距離、料金。「とにかく!」な人のニーズに徹底に応える

 

このような大人数の旅行ニーズに対応するため、”クルマの装備”と”距離制限”は意識しているという。

 

「ルーフとスタッドレスタイヤを装着しているので、冬は旅行したい人がシェアしてくれますね。特に、スタッドレスタイヤがついているかは皆さんかなり気にするみたいなので、ミニバンをシェアしている方はタイヤを替えるといいと思いますよ」

冬期はスタットレスタイヤに加え、ルーフを装着

冬期はスタットレスタイヤに加え、ルーフを装着

山本さんはAnycaのドライバーを2種類に分類している。

 

1つは、BMWとか、ポルシェとか、テスラとか『このクルマに乗りたい!』っていうクルマ好きの方。このタイプのドライバーさんは、短距離でも、料金が高くても乗りたい人。2つめは『とにかく!』な人。私のアルファードのドライバーさんはこっちです」

 

 「とにかく!」な人って?

 

「とにかく大人数で乗れて、とにかく安くて、とにかく距離制限が長いクルマをしている人のことです。私が走行距離を無制限にしているのはその理由です。若い人が大人数で移動する場合、まず遠出します。となると、スタッドレスタイヤをつけたり、長距離走れる距離設定にするのは必然だと思うんです」

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 なるほど。とても論理的に導き出された戦略だが、過去の”賢者”もこれらの戦略は当然のように実践しており、今やこの程度の工夫をしているオーナーは正直少なくない。

 

 実は、山本さんのすごいところは、ここからだった。

 

なぜ受け渡しが自宅駐車場のみなのか

 

 実は、取材前に疑問に思った点があった。

 

 山本さんのシェア場所は南阿佐ヶ谷の自宅駐車場のみ。最寄り駅の南阿佐ヶ谷駅までクルマを出すという選択はないんですか?

受け渡しは山本さんの自宅駐車場だ

受け渡しは山本さんの自宅駐車場だ

「私、免許は持ってるんですけど、このクルマの運転は得意じゃないんです。基本的に主人が運転するクルマなので……

 

 そのため、ドライバーはみな、山本さんの自宅までクルマを取りにくるという。

 

 時折「駅まで出して頂けませんか?新宿は?」というリクエストも入るそうだが、すべて断っているそうだ。

 

 これまで登場した”賢者”たちは、受け渡し場所を便利なターミナル駅や山手線駅に設定し、融通を効かせていたことを考えると、山本さんのスタンスは少し変わっている。

 

 というか、ドライバーからみると少し不便だ。

 だが、こうした”無理しないシェアスタイル”こそが彼女の強みだった。

 

 彼女がシェアにおいて一番大事にしているのは、「気楽さ」だという。

 

「娘がすでに傷をつけているので、多少の傷は気にしません。もともとピッカピカの新車だと、クルマを利用する方もきっと億劫になりますよね。特に運転に慣れていない学生さんとか。Anycaで並んでるクルマのランキングを見ると、テスラやBMWなど、高級輸入車が並んでいます。それを見てウチのクルマはシェアに向いてないんじゃないか……と思いがちですが、こっちはこっちで結構乗りたい人がいるんですよね(笑)」

 

 シェアの場所は自宅のみ。クルマの多少の傷は気にしない。さらに、返却時間の大幅遅刻もOKだという。

 

「返却場所が自宅なので、何時に返してもらっても問題ないんです。特に、週末のシェアは、高速道路が渋滞しているので大抵遅れます。最初から時間通りに返ってくるとはあまり思っていません」

 

 気楽、あくまで気楽。

 

 返却場所は自宅。そのおかげで、受け渡しは山本さんだけでなく、娘さんや旦那さんなど、家族みんなが対応してくれるそうだ。朝は山本さんが対応し、夜の返却時は娘さんが対応することも珍しくないのだとか。

 

過去には朝5時から使用したいという人や、24時返却の人もいたそうだが、全く問題なくシェアできたそうだ。

 

 

値上げをしてわかった適切な料金

 

 こうした「気楽さ」に加えて、Anyca内でいくつかの実験をしているのも山本さんの特徴だ。

 

「シェア料金は色々試してみました。最初2,000円からスタートして、安定してリクエストが入るようになったので料金を上げてみたんです。2,500円から500円刻みで4,000円、4,500……と上げていったところ、4,500円でピタッとリクエストが止まった。そこでもう一度3,980円に戻したところ、再びリクエストが増えました。あ、4,000円ギリギリいかないくらいが最適な料金なんだなと確信しました。なので今後もこの料金でいきます」

 

 料金を変更することで愛車の最適な料金がわかる。一度シェア料金を”実験”してみるのは悪くないかもしれない。

 

3:傷のある車体でも、シェアする時は2つのルールを守る

側面にもへこみがある

側面にもへこみがある

そんな気楽にシェアされている山本さんのアルファードだが、絶対に守っているルールがあるとか。

こちらも、とても合理的でありメリットが大きいものだった。

 

「運転に慣れていない学生さんが多いので、多少の傷は構いませんが、万が一のことは絶対にあってはならないと思っています。なので、メンテナンスは徹底しています。オイル交換は5ヶ月に1回、夏と冬にタイヤ交換もしており、今の時期スタッドレスにしているのは安全面によるところも大きいですね」

 

 さらに、Anycaだからこそ徹底しているルールがある。

 

「到着時刻はいくらでも遅れていいんです。自宅ですから。しかし、それと同時に必ず保険の延長もお願いしています。何かあった後だと遅いですから」

 

 Anycaは24時間以内のシェア料金は一定だが、保険料金はシェア時間内で設定されている。つまり、24時間以内の使用だとしても、当初の返却時間を延長する場合は保険の延長を申し込まなくてはならない。

 

「そのため、余裕を持ったシェア時間にしてもらうようにお願いしています。1日に2組にクルマをシェアすることは現実的に不可能。なので、夕方5時頃返却しますという人にも、余裕を持って22時くらいまでリクエストしてもらうようにしています」

 

 なるほど。シェア料金が変わらないのだから、ドライバーにとっても負担は少ない。安全面を考えれば極めて優れた案だ。

 

4:「Anycaのおかげで、軽自動車を購入しました」

 

 そんな山本さんに、今後Anycaでクルマをシェアする未来のオーナーに向けてのアドバイスを聞いてみると…

 

「みなさんそれぞれ持っているクルマは違うでしょうから、なんとも言えませんが……」と車種についてのアドバイスは控えたうえで、準備しておくとよいことを教えてくれた。

 

「私のように、返却場所をあえて自宅にするのは無理なくシェアできるのでオススメです。あとはガソリンスタンド。私は『ここで給油してください』と近所にあるセルフの24時間ガソリンスタンドを指定しちゃってます。必ず空いているのでドライバーにとっても安心ですし、いちいち探す手間も省けますから」

 

 たしかに、これは助かる!

 

 さらにガソリンスタンドを指定すると、ドライバーは給油を意識するので返却時の入れ忘れもなくなるのだとか。

 

シェア料金を活用して、軽自動車を購入

 

 実は山本さん、Anycaで安定してシェアが入ったことがきっかけで軽自動車を購入したのだとか。

 では、そちらもシェアに?

 

「うーん……。こっちはシェアには出しません。おじいちゃんを病院に連れて行くメインカーだからというのもありますが、リクエストが入らないと思うからです。いまのアルファードはAnycaの相場的にこれ以上下げられない料金です。となると軽自動車も同じ料金でシェアすることになる。自然に考えればアルファードと同じ料金で軽自動車を使用したい人は少ないんじゃないかな」

 

 鋭い!

 

 ここでも流されない山本さんの独自の視点が。

 

 山本さんのように、「これはやる」「これはやらない」という徹底的な選択と集中をするのも、シェアリクエストを増やすコツなのかもしれない。

 

山本さんに習うシェアのコツ

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・無理なことはしない。むしろそこで生まれるメリットを考える

運転が苦手な方ならば、自宅駐車場のみを受け渡し場所に指定することで対応可能時間を増やせる

 

・シェア料金は実験的に変えてみる

上げていくと急にリクエストが入らなくなる金額がある。そこからは基本的にシェア料金は変えない

 

・安くシェアするからこそ安全ルールを徹底

タイヤとオイル交換、シェア時の保険延長は必ず守ってもらう。長距離設定の場合、冬期はスタッドレスを

 

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ALPHARD G

TOYOTA 2004

Anycaオーナーに興味をもたれた方はこちら。招待コード「yumiy05」を入力してオーナー登録を完了すると、クルマ登録後1ヶ月間のプラットフォーム手数料が無料になります。

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<取材・文/鈴木GO太郎>

鈴木GO太郎…ライター・編集者。出版社勤務を経て、2015年フリーに。現在はビジネス誌やネットニュースの編集を行う。専門分野は、自動車、不動産、地理。特に自動車についてはAnycaのような「新しいカービジネス」が専門分野