近年、街で見かけるライダーや編集部の周りでもアドベンチャータイプの支持率が上がっていることを感じる。
SUZUKIのV-Stromシリーズは、街中から高速道路、山岳路まで、長距離ツーリングを快適に楽しむことができるスポーツアドベンチャーツアラーとして人気のモデルだ。
ツーリングの舞台は浜松。弁天島の「大鳥居」と、太平洋と浜名湖の境界をつなぐ「浜名大橋」が一望できる弁天島海浜公園を出発し、浜松の絶景と絶品を楽しみながら浜名湖を一周するのが今回のツーリングプランだ。
弁天島海浜公園
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中之島大橋
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うなぎ湖畔食房 舘山寺園
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オレンジロード
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浜名湖遊覧船 瀬戸港
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弁天島海浜公園
浜名湖周遊スマートツーリング、最新ギアと共にいざ出発!
スマートツーリングに欠かせない今回の相棒 その①
CASIO PRO TREK Smart WSD-F20
ツーリングの相棒はCASIOのスマートアウトドアウオッチ、PRO TREK Smart WSD-F20だ。
近年スマートウオッチが人気を高める中、本格的なアウトドアウオッチとして定評のあるカシオ「PRO TREK」ブランドを冠した、最新のスマートウオッチなのだ。
山で、海で、街で、アウトドア遊びからタウンユースまで様々なシーンで使える便利な機能が満載だ。
GPSを搭載し、Wi-fiやBluetoothでスマートフォンと接続することで真価を発揮する。
様々な機能を持つが、中でもバイクシーンで役立つ機能にフォーカスして紹介していきたい。
デザイン性に触れると、アウトドアシーンにマッチするタフなデザインはバイクシーンにもよく似合っている。
アウトドアウオッチと言うと男性向けのデザインも多い中、アウトドア好きの女性にも似合うカラーラインナップも魅力だ。
スマートツーリングに欠かせない今回の相棒 その②
SUZUKI V-Strom 250
近年二輪業界で人気が急上昇しているカテゴリーがアドベンチャーツアラーだ。
スズキが展開するスポーツアドベンチャーツアラーはV-Stromシリーズが主力商品となっており、3種類の排気量をラインアップしている。
1000cc、650ccに加え、新たに250ccが2017年7月よりシリーズに加わった。
今回は機動力もあり手軽に楽しめる250ccモデルの「V-Strom 250」をチョイス。
アドベンチャーツアラーと言うと大型~中型のイメージを持つ方も多いと思うが、私のようなツアラー初心者には取り回しの優しい250からデビューをしたいと思う。
V-Strom 250は250ccながら、大排気量車にも負けない頼もしさと存在感があるのが特徴だ。
堂々としたアドベンチャーらしい風格でありながら身軽で扱いやすいのが魅力の1台だ。
シリーズ共通イメージである伝統のクチバシデザインはイエローにV-Stromのロゴが印象的だ。
いかにも頑丈そうなアドベンチャーにポップなカラーリングが旬のデザインに感じる。スマートツーリングでその魅力を探っていこうと思う。
PRO TREK Smartが仲間からメッセージをお知らせ
浜名湖一周ツーリングの集合ポイントである弁天島海浜公園へ向かう途中、仲間からメッセージが届いた。
PRO TREK Smart スマートポイントその① 『LINEやメール着信の表示』
スマートフォンと接続した状態で着信やLINEのメッセージを受信すると、時計本体が震え、ディスプレイ上にメッセージが表示される。
早く確認して返信や折り返しをしなければいけいない内容なのか、それとも後で確認すれば良い内容なのか、その判断が信号待ちなどのちょっとしたタイミングでできてしまう。
バイクを停車させ、グローブを取って、スマートフォンを出す、という手間をかけず、時計のディスプレイ上で確認ができるのは、バイクシーンでは重宝する機能だ。
スマートフォン対応のグローブなら装着したままの操作も可能だ。
腕を傾けると起動するのもウレシイ。
画面の大きさも程良く、意外と操作もしやすかった。
画面をタッチしなくても、時計の右側に配置されているボタンで操作が可能なところもバイクシーンでは重宝する。
存在感のある大きなボタンは操作しやすくアウトドアウオッチらしさを感じる。
※安全のため、走行中はPRO TREK Smartを操作したり、画面を見たりしないでください。
PRO TREK Smart スマートポイントその② 『ハンドル操作を邪魔しない大きさ』
ケースが大きくなり気味なアウトドアウオッチだが、PRO TREK Smartはグリップを握っていても気にならない大きさで、走行中もハンドル操作に支障がない。
ボタンガードが付いているので、走行中に誤ってボタンを押す心配も少ない。
集合ポイントである弁天島海浜公園でツーリングメンバーと無事落ち合うことができた。
弁天島海浜公園では弁天島のシンボルタワーである「大鳥居」と、太平洋と浜名湖の境界をつなぐ「浜名大橋」の迫力ある景色を臨むことができる。
弁天島海浜公園はバイクが無料で駐車できるのも嬉しいポイントだ。
仲間と合流したら「MOMENT LINK」で繋がろう
マスツーリングで是非使って欲しいオススメのアプリが赤と青のピンのアイコンが目印の「MOMENT LINK」※だ。
今回のスマートツーリングに欠かかすことのできないアプリだ。
事前にスマートフォンにダウンロードしておこう。
PRO TREK Smar スマートポイントその③ 『仲間と繋がるアプリ「MOMENT LINK」』
1人がリーダーとなり『パーティーを作る』操作をすると、周囲で同じアプリを立ち上げているメンバーを位置情報から探してくれる。
他のメンバーが『パーティーに参加する』とリーダーが作ったグループにジョインできる。
今日のツーリングメンバーの3人が1つのパーティーで繋がった。
同じパーティーにいるメンバーの位置は時計のディスプレイで確認することができる。
好きなときに一緒に走って、1人で走りたいときはソロを楽しむ、そんな走り方を好むバイク乗りには嬉しいアプリだ。
途中ではぐれてしまったときや合流したいとき、慣れない土地で自分の位置を説明するという厄介さがないのが良い。
さらにこの機能はお互いの位置情報が共有できるだけではなく、「MOMENTLINK」上でメッセージのやりとりが可能だ。
トーク画面では全員へメッセージを送ることはもちろん、特定のメンバーにだけ送信することができるという点も何とも行き届いている。
さらにこの「MOMENT LINK」は24時間経つと自動でリンクが解除されるのでお互いの連絡先を交換する必要がないところも気軽で良い。
※MOMENT LINKの画面をPRO TREK Smartで表示させるにはAndroid OSが搭載されたスマートフォンと接続する必要があります。
※接続するスマートフォンにアプリ『CASIO MOMENT LINK』をインストールする必要があります。
浜名湖一周ツーリング出発!中之島大橋の絶景を通り舘山寺へ
MOMENT LINK
の設定が終わったらいよいよ浜名湖一周ツーリングに出発だ。
PRO TREK Smart スマートポイントその④ 『GPSを搭載した正確なMAP機能』
PRO TREK Smartに搭載の「ロケーションメモリー」という地図アプリでは、「GoogleMap」と「Mapbox」の2種類の地図データが利用できる。
信号待ちなどのタイミングでルートや自己位置の確認ができ、初めて訪れた場所でも迷うことなく快適ツーリングが可能だ。
さらに、PRO TREK SmartはGPSが搭載されているため、正確に時計の位置を認識し、精度の高い地図の表示が可能だ。この正確さは「時計の地図」と侮ってはいけない。
PRO TREK Smart スマートポイントその⑤ 『電波のない場所でも使えるように地図は事前にダウンロード』
ツーリングで山奥まで走りに行くと電波が届かなかったり、弱かったりすることがある。
そんなときは「Mapbox」で事前に任意のエリアの地図をダウンロードしておくことで、オフライン時にも地図を見ることができる。
電波が届かないところでも地図機能を使うことができるだけでなく、電池寿命を気にするバイクユーザーにオススメだ。
PRO TREK Smart スマートポイントその⑥ 『見やすいカラー/モノクロの2層液晶』
ディスプレイはモノクロ液晶と、カラー液晶を持つデュアルレイヤータイプだ。
明るい日の下でも美しく表示され、ストレスがない。
実はこの2層液晶が電池寿命を伸ばすミソでもあり、操作をしない時はモノクロ液晶で時間を表示することで省電力モードになっている。
PRO TREK Smart スマートポイントその⑦ 『豊富なウオッチフェイスデザイン』
デザイン、機能様々なウオッチフェイスが用意されており、追加でダウンロードすることもできる。
大きい文字で見やすいシンプルなデジタル時計デザインから、背景に現在地を中心とする地図を表示するアナログ時計デザインなど、センス良く機能的なウオッチフェイスばかりだ。
状況に合わせて簡単に着せ替えができるのも楽しい。
PRO TREK Smart スマートポイントその⑧ 『アウトドア向け基本機能もバッチリ!』
電波の届かない山道などで、いざという時にこの方位磁石があると安心だ。様々な情報により自分の置かれた状況を把握することが出来るのは心強い。
「コンパス」以外にも「高度計」や「日の出、日の入り時刻」など、アウトドアウオッチとしての基本機能もしっかり搭載している。
バランスのとれたアドベンチャーツアラー
絶品うなぎを求めて北上。
浜名湖を臨んでのツーリングは何とも気持ち良い。
小排気量でもアドベンチャーの風格
V-Strom 250は存在感のある車格と身軽さで扱いやすさが魅力のエントリーモデルだ。
250㏄とは思えない風格と頼もしさを持ち、大排気量車にも劣らない、がっしりとしつつも精悍な全体感、アウトドア・ギアのように無駄な部分をそぎ落とした機能的で洗練されたイメージを表現している。
アドベンチャーらしく、タフで、知らない土地まで旅に出たい気持ちにさせ、ライダーを非日常にいざなってくれる頼もしい存在だ。
それでいて、ゆったりした無理のないライディングポジションにより快適な走りだ。
立派な車格でも、快適なライポジと各所の作り込みの巧みさにより取り回しが楽なところは、大型車が少し体力的に厳しくなってきたと感じているベテランライダーの方や小柄な方にもオススメできる。
長距離をタフに駆け抜ける機能とデザインを融合させており、車格、外観デザイン、本格的な装備は大排気量の兄弟モデルに劣らない。
ヘッドライトは、タフギヤを連想させる、アウトドア・ライトをイメージしたデザイン。
ヘッドライトガード調のヘッドライトステー、シンプルでタフなイメージのメーターバイザーやスクリーンは、兄弟モデルに劣らない品質感。
防水カバー付きのDCソケット、センタースタンドは標準装備。
DCソケットにシガーソケットUSB充電器を取り付けることで電子機器の充電ができるのも嬉しい。
※バッテリ上がりを防ぐため、エンジン停止状態又はアイドリング状態では、DCソケットを使用しないでください。
メーターはフル液晶でコンパクトにまとめつつも非常に見やすい。
ギヤポジションインジケーター、オイルチェンジインジケーター、オドメーター、燃費計、時計など、必要な情報が一目でわかる。
ウィンドスクリーン、ナックルカバーはスマートな設計ながら防風効果はなかなかのもの。
一つ一つのパーツからもデザインコンセプトが具現化されており、アドベンチャーツアラーに必要な「冒険できる旅の道具」としての風格を漂わせている。
V-Strom 250開発者インタビュー
今回のツーリングで同行いただいたのは、V-Strom開発陣。こんな機会は滅多に無いのでインタビューをお願いした。
スズキ株式会社 二輪カーライン チーフエンジニア 守谷安則氏
V-Strom 250の開発責任者
スズキ株式会社 二輪車体設計部 石井樹氏
シート、3ラゲッジシステムの設計を担当
- V-Strom 250の拘りポイントはどのようなところですか?
守谷氏:エンジンの開発テーマは、乗りやすさ、快適性の追求です。高速域を重視するのではなく、低~中回転域の高トルクを確保し、燃費効率も最適化しました。
- 乗っていても低~中速領域が1番楽しく感じました。スタート時の力強さも250ccのバイクと思えないほどでした。燃費については走行していても燃料メーターが減らなくて驚きました。
守谷氏:大きなトルクを低い回転数から幅広く確保できていることが、出だしの力強さや、低中速領域のスロットルレスポンスの良さに繋がっています。低燃費に加え、タンク容量も17ℓを確保していますので、走り方にもよりますが、満タンで500km以上の走行も可能です。
- 1タンクで500kmは脅威の燃費ですね。こまめに補給する必要がないというのはツーリングでの安心感に繋がりますね。
- 安心感と言えば、足つき性がとても良いですね。
石井氏:シート高を800mmに抑え、さらにシート前側の跨る部分を細く設定することで、快適な足つき性を実現しています。
身長176cmの足つき
身長158cmの足つき
- 身長158cmの私でも安心して跨れるのはアドベンチャータイプのバイクでは少ないので有難いです。
- お尻をすっぽりと包んでくれるような座り心地の良いシートですね。
石井氏:シート後方にかけては座面巾を広く、前後長を少し長めに設定しており、長時間のライディングも快適にサポートするようにしています。
- 確かに長時間のライディングでも疲労が少なかったです。お尻に優しいシートですね。
- オプションの3ラゲッジシステムはV-Stromの雰囲気にマッチしており、装着するとさらにカッコよくなりますね。
石井氏:V-Strom 250の専用設計で、ワンタッチで取り外すことができるので、自宅や旅先での持ち運びが簡単です。
- これだけの荷物が詰めたらロングツーリングも安心ですね。機能面でも優れていますがデザインもオシャレですね。
石井氏:タフギヤをコンセプトにヘアライン仕上げのアルミパネルを施しているのが拘りです。触り心地も良いんですよ。
- シルバーのヘアラインは洗練された高級感がありますね!このままバッグとして使いたくなります。
乗りやすいだけじゃない、楽しくてこそアドベンチャーツアラー
大排気量のバイクと比べると最初はパワーがないのではと思いがちだが、実はそんなことはない。
実際に走らせてみると、3000rpm付近からググっと前に押し出される、出だしの力強さを感じられる。
最大トルクは6500rpmで発生するが、1速や2速で引っ張ると言うより、3000rpmから4000rpmを目安に小刻みに1速2速3速…と上げていくことで非常に小気味よくリズムに乗った運転ができる。
高回転高出力型のエンジンでは決して味わえない、トルクで走る楽しさ、バイクと一体になり走る楽しさを存分に楽しむことができる。
「うなぎ湖畔食房 舘山寺園」で絶品うなぎ
浜名湖と言えばうなぎ。
浜名湖の見渡せる、うなぎ湖畔食房 舘山寺園で絶品うなぎを堪能します。
テラス先からの眺めは最高。
PRO TREK Smart スマートポイントその⑨ 『ロケーションメモリーで地点登録』
絶景やグルメスポットと出会い、地点を覚えておいてまたここに訪れたい、仲間に伝えたい、そう思う場所に出会うことはツーリングではよくあることだ。
PRO TREK Smartの『ロケーションメモリー』の機能を使うことでお気に入り地点を簡単に登録することができる。
たくさんのスタンプの中から好きなスタンプを選ぶことが出来る。
地図上にグルメスポットを追加した。
この機能を使えば、また訪れたいときに地図上から簡単に確認できる。
ロケーションメモリーで旅の思い出を地図に記そう。
ここからは一旦別れ、しばらくソロ走行を楽しむことにする。
MOMENTLINKで繋がっているからばらばらになってしまっても大丈夫。いつでも仲間の位置が確認できるからだ。
2人を見送ったら出発だ。
みかん畑を抜けるオレンジロードを走りに行こう。
今にもみかんの香りが漂ってきそうな爽やかな道が続く。楽しい!
「ロケーションメモリー」で軌跡チェック
スタート地点からの軌跡を確認する。
先ほど仲間と別れたレストランからだいぶ走ってきたようだ。
ワインディングの気持ち良いオレンジロードもロケーションメモリーに登録する。
分かりやすく山のスタンプを選択。
「MOMENT LINK」で仲間と合流しよう。
オレンジロードを抜けたところで仲間からMOMENTLINKでメッセージが入った。『そろそろ合流しよう』
仲間のメッセージと位置を確認するとこの先の港にいるようだ。
『今向かってます』スマートウオッチの音声認識を使えば、内蔵されているマイクに向かって話しかけるだけでメッセージが入力できる。
仲間にメッセージを送ると返信が。『OK』
港へ向かって出発だ。
合流地点で仲間を発見!
「MOMENT LINK」で仲間の位置を確認しスマートに合流できた。
このアプリは人数が多くなればなるほど、役立ちそうだ。
パーティーを退出するかリーダーがパーティーを解散することでお互いの位置情報は共有されなくなる。
また、24時間経過することで自動的にパーティーは解散されるため、うっかり解散し忘れてもいつまでも互いの位置が共有されてしまう心配はない。
簡単に繋がれて簡単に解散できる、その気軽さも「MOMENTLINK」の良いところだ。
スマートツーリング総評&感想
浜名湖1周スマートツーリングはPRO TREK SmartとV-Strom 250という素敵な相棒のおかげで、いつものツーリングがもっと楽しいものになった。
時計上で地図が確認できたり、メッセージのやりとりができ、仲間と位置を共有…ツーリングでこんなことができたらいいな、がたくさん詰まった時計だ。
PRO TREK Smartがあれば、一人で走る気軽さ、自由さと、仲間と一緒に走る楽しさを同時に体験できてしまう。
もう1つの相棒V-Strom 250は初めてのバイクなのに乗ってみると長年連れ添ってきた愛車のような馴染みの良い雰囲気がある。
ライダーが思ったとおりの動きをしてくれるし、優しい乗り心地で包容力バツグンだ。
アドベンチャーらしい風格は、どこまでも走りたくなり、そしてライダーを非日常の旅へ連れ出してくれる。
素敵な相棒と共にスマートツーリングに出かけではどうだろう。
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