プジョー一宮のサプコタです。今回は車の乗り心地についてお話しします。
ほぼすべてのクルマは一人乗りではなく、多人数乗車です。ドライバーにとって気持ちがいい運転感であることはもちろん必要ではありますが、「ドライバー楽しい/同乗者不安」であってはいけません。乗り心地がいいとは人によって判断基準が大きく異なるものの「クルマの動きが素直」であれば不快に思うことは少ないでしょう。クルマが素直であるために必要なのは、構造として必要以上に複雑でないこと、軽く丈夫に作ること、機械的な配置に無理がないことなどが挙げられます。プジョーのエンジニアリングは、これらをスマートかつリーズナブルに満足しているように感じられます。 2 プジョーの乗り心地はなぜいいの? 前輪駆動だけど乗り心地の肝はリアサス。軽くて強い後ろ脚がよく動くのでクルマの動きが素直になります。 重たい前+軽い後ろの物体が段差を乗り越えたとき、前は重たさで比較的早く動きが落ち着くのに対して後ろはバタンバタンと暴れてしまいます。後ろを前と同じようにストンと収束できればクルマ全体が平和に走り続けられるような気がしますね。前後軸距離=ホイールベースが短いクルマであるほどその傾向は顕著で、小型車の設計の妙とも言えます。プジョーのリアサスはトーションビームアクスルという方式で、左右を半分つないだようなとても軽くてシンプルな一体構造。取り付け部の軸配置、ばねとダンパーの設定が職人技ともいえる絶妙なセッティングで、細かい振動から旋回時の大入力処理まで、オールラウンドで素直な動きを実現しています。