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witten by 嶋田智之
世界中
うんうんする
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あああああ……夏が終わっちゃった。夏らしいことをほとんどしてないっていうのに、夏が終わっちゃったんだよおぉぉぉっ。
 
……とシクシク泣きたくなるような気分になるのが毎年恒例9月の僕なのだけど、今年はだいじょーぶ。御存知の方は御存知だけど、梅雨前からの右足カカトの修理が長引いていて、ヴァカンス・シーズンに入る前には「今年の夏はなかったことにしよう」な気持ちになっていたからだ。そんなこんなでこの夏の楽しい想い出はトークのゲストとして呼んでいただいた東北トリコローレぐらいなものだけど、それがめちゃめちゃ楽しかったので、まぁオッケとするか、である。
 
でも……と考える。「俺、遊んでないなぁ……」と。
 
そう、ちっとも本気で遊んでない。自分の脳ミソをフルに回転させて、手を動かして足を動かして、仲間と一緒に楽しさを追いかけるようなこと、何もしてない。そういうところで気持ちを震わせてないのだよね……。気持ちを震わせてないと、センシビリティ鈍くなっちゃうしエモーション弱くなっちゃうのだよね……。
 
モノ書きなんてやってるせいで、感性がもっさりしたり情緒がどんよりしちゃったりすることに、僕は恐怖に近いようなものを感じてる。僕の中では “命取り” なのだ。ただ単語・用語を並べてモノゴトの説明をするだけの気持ちの入ってない文なんて、そういうのが求められでもしない限りは僕的には絶対アウト、自分がそういう文を書くなんてのはとても容認することができない。
 
悠久なる川の流れは “緩” もあれば “急” もあるから美しいわけで、そうした流れが自然の摂理によって司られているのだとしたら、人の気持ちもそうであって然るべきだと思う。要はメリハリが欲しい、メリハリが必要、ってことだよね。そのためにも本気で遊ばなきゃな。本気で遊ばなきゃいい仕事できないような気がする……。
 
そんなふうに思わされたのは、今年の夏の入り口をくぐり抜けた7月10日に、こんなものを見せられちゃったからかも知れない。
 
 
何だコレ? と思った方もおられるだろう。これは AMR ことアストンマーティン・レーシングが、7月7日に英国はロンドンの北側にあるアレクサンドラ・パレスで開催された “レッドブル・ソープボックス・レース” に出場したときの映像である。
 
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御存知の方も多いとは思うけど、AMR はその2週間前に行われたル・マン24時間レースの LM-GTE Pro クラスで、ドラマティックな勝利を飾ったばかり。いや、それはもう歴史に残る名勝負だった。最後の最後に大逆転した V8ヴァンテージGTE、もともとカッコイイと思ってたし大好きなのだけど、この日の勇姿には痺れた。痺れまくった。
 
ちなみにこれがル・マンの勇姿ね。
 
 
で、さらにもうひとつ。こっちは AMR のレース・オペレーションを担っているプロドライブがアップしていた映像。8分10秒とちょっと長いけど、ファイナルラップに至るまでの V8ヴァンテージGTE とコルヴェットの戦いがまるごと収められてるから、ぜひぜひ見て欲しい。言っておくけど、これ、23時間50分以上を走り抜いてきた後での闘いだからね。V8ヴァンテージGTE でクレバーな戦略と熱い攻撃を見せてくれたジョナサン・アダムも凄いし、コース上に留まってることすら困難なほど傷んでたコルヴェットで守り切ろうとしていたジョーダン・テイラーも凄い。どっちもプロフェッショナル中のプロフェッショナルだ。見ていて震えが来たし、鳥肌立ちまくったし、ジンワリ涙が出た。

 
……ヤバイ。今また映像を見たら、やっぱり涙がジンワリ。えーっと……まぁとにかく「凄い」なんちゅー言葉では表現しきれないほどの壮絶な闘いを繰り広げた後の、AMR の勝利だったわけだ。
 
にも関わらず、AMR の人達はそのたった2週間後に、こんなことをして遊んでいたのである。まぁ実際には “AMR-SBプログラム” と名付けられて、半分仕事みたいなものっていえばそうなのかも知れないけど、彼らはこれをめちゃめちゃ本気で楽しんでいたのだ。
 
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マシンは御覧のとおり、ミニ V8ヴァンテージGTE。いったいどれだけ手間暇かけて作ったんだ? ってなぐらいに凝っていて、ガレージに飾っておきたいほどの美しい出来映えである。
 
マシン開発は、AMR-SB プログラムのチーフ・シャシー・デザイナーであり、日頃はアストンマーティンでプロトタイプ・エンジニアをつとめているアレックス・サマーズを中心として、ニューポートパグネルで進められた。
 
アストンマーティンは今回のプロジェクトに際して、1回目は参戦のお知らせ、2回目は結果報告と、唖然とさせられたことに2回も正式なプレス・リリースを出している。1回目のリリースでは「アストンマーティンの黎明期のマシンはヒルクライム用に設計されていたので、そのときの知識を活かすことが重要」と104年も前の話を引っぱり出したジョークを盛り込んだり、「V12やV8エンジンのサウンドを愛する人には残念だが、今回はもっと静かなパワー・ソース(つまり重力!)を搭載する」なんてファンがニヤリとしちゃうようなフレーズを埋め込んだり。
 
それどころか、AMR の代表でありヴァルキリーなどのスペシャル・プロジェクトを牽引するディヴィッド・キングが、「このプロジェクトに挑戦するためにはあらゆる能力と叡智を結集することが重要です。しかしながら私達には次の世界耐久選手権が次週に控えていて、このレースにワークス・ドライバーを投入することができないのが残念です」なんてコメントをしていたりもする。
 
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そうした理由があったため(?)、ミニ V8ヴァンテージGTE のドライバーは中心人物であるアレックス・サマーズ(写真右)自身がつとめたわけだ。が、ファンならドライバーズ・アイの映像を見て気づいたことだろうけど、AMR ワークス・ドライバーとして誰もが知ってるダレン・ターナー(写真左)と、ル・マンで名勝負を繰り広げたジョナサン・アダムが、このソープボックス・レースにお手伝いに来ていたりもする。
 

 
まるでル・マンのピット・ストップを模したようなスタートの演出もそうだし、こうした映像をしっかりこしらえてることもそうだし、実行部隊も PR チームもこういう企画に GO! を出した偉い人達も、さらには巻き込まれた(?)スタッフ達も、誰も彼もがこのプロジェクトをめちゃめちゃ楽しんでる様子が目に浮かぶ。オトナが本気で遊ぶ、っていうのはこういうことなのだ。
 
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ちなみにソープボックス・レースの結果はといえば、AMR チームはスピード+ルックス+パフォーマンスの総合得点で、見事2位を獲得。AMR のレーシング・ヒストリーに新たな1章が書き加えられたってわけだね。
 
途中でウイングを飛ばしたりフロント・スポイラーを路面に打ち付けたりしながらのミニ・ヴァンテージの激走(?)、日本でもレッドブル・ソープボックス・レースが10月に行われるから、そこで見たかったなー。
 
いずれにしてもアストンマーティン、こんな本気の遊びをファン達に見せてくれるぐらい会社として好調ってことだよね。それもファンとしては嬉しい限り。俺もさっさと右足を治してヒトとして絶好調なスチャラカぶりを取り戻し、本気で遊ばないとダメだよなー。……よし、がんばろう! ……明日からね。
 
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嶋田智之【tomoyuki.shimada】
エンスー自動車雑誌『Tipo』の編集長やスーパーカー専門誌『ROSSO』の総編集長を務めた後、フリーランスとして独立。「クルマ」と「ヒト」を仕事の柱として、モノ書き/編集者として活躍中。カーくるではお馴染みのイベント「ミラフィオーリ」「トリコローレ」などでゲストMCを務め、親しみのあるざっくばらんな語り口調の「居酒屋系自動車トーク」が人気。
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