「
車のエンブレムを記憶だけで正確に描けるかを、イギリス人100人にテストしてみた 」というページ(英語)があって、とても面白いです。
BMWについては、上記の画像のような結果になりました。
さまざまな年齢の合計100人(男性46人・女性54人)が時間無制限で挑んだテストで、左上が正確~右下が不正確となるように並べられています。
「4分割した円が青と白で塗り分けられている」というイメージはおよそ6割程の方が持っているようで、かなり高い認識度だと思います。
このサイトにはBMW以外にも9メーカーについての結果が載っており、どれもとても興味深いです。
その中でも印象的なものをご紹介すると・・・
「フェラーリ=馬」というイメージは非常に強く認識されているようで、馬以外の動物を描いている人は皆無です。
ただし馬が正しく左を向いているのが42(55%)に対して、誤って右を向いているのは34(45%)と拮抗しています。
しかも、かなり正確にかけている4人はなぜか逆向きに描いています。
馬の向きに関しての認知度は、それほど高くないようです。
それと対照的なのが・・・
プジョーのエンブレムはライオンがモチーフになっていますが、残念ながらライオンでは無さそうな絵が多いです。
その一方で、ライオンもしくは謎の生き物が描かれているもののうち、正しく左を向いているのが44(60%)、誤って右向きは29(40%)と、向きに関してはフェラーリ以上の認知度があるようです。
アルファベットの「K」が逆を向いているようなビジュアルが、無意識下に焼き付いているのかもしれません。
アルファロメオは赤十字(ミラノの市章)+蛇(ヴィスコンティ家の紋章)が正解ですが、それらしいものは1割ほどで、あとは個性豊かです。
やはり難しすぎるロゴは(そこにストーリー性があっても)一般的には浸透しないようですね...。
でもオーナーにとってみるとその特別性や希少性は満足感にもつながると思えます。
シェアを伸ばしたいならシンプルに、プレミアム感を高めたいなら独創的にと、使い分けが必要なのかもしれません。
ちなみに長年にわたり拡大路線を目標として掲げているアルファロメオは、最近になってロゴデザインを若干シンプルに変更しました。
話はもう一度BMWのロゴに戻ります。
「円を四分割して青と白で塗り分けている」もののうち、正しい配置(左上と右下を青色)としているのは26(63%)、逆の配置にしたものは15(37%)となっています。
正誤の比率は半々になっても良さそうなものですが、およそ2:1の比率で正解が上回っています。
以上の結果から、「一般的にはロゴデザインはロジックや概念というよりもビジュアルとして無意識下に焼き付いていて、シンプルなものほどその傾向が強い」とも言えそうです。
BMWのエンブレムは、バイエルン州の紋章を由来とする青色と白色が使われ、その後に回転するプロペラを用いた広告により認知度を高めるなど、長い逸話があります。
詳しくは、
BMWロゴ - 由来と歴史(BMW公式ページ)をご参照ください。
シンプルでありながら印象強く、ストーリー性もあって、素晴らしいエンブレムだと思います!
G.Sekido