以前のブログ投稿でACEA 2020年版について書きました。
https://unilopal.jp/2019/12/acea2020/
当時の情報ではACEA 2020 Sequenceでしたが、2021年からの適用となりACEA 2021となったようです。
ACEA C規格の規定、とりわけC5とC6の違いについて少しだけ書いてみようと思います。
※今回の改定によりACEA C1はなくなります。
(1) HTHS粘度=High Temperature High Shear Viscosity
C5,C6どちらも2.6mPa∙s以上、2.9mPa∙s未満となっています。
HTHSの値は
C5/C6 2.6以上~2.9未満
C2 2.9以上
C3/C4 3.5以上
となります。必ずしもCの後の数字の順にはならないので注意が必要です。
(2) Evaporative loss(蒸留分散)テスト
250℃で1時間経過後の重量損失の割合
C4 11%以内
C2/C3/C5/C6 13%以内
ということでC4が一番蒸発しにくい規格となります。直噴エンジンでオイル消費が多いエンジンには良いかもしれません。
(3) Sulphated Ash=硫酸灰分
C4 0.5% m/m以下
C2/C3/C5/C6 0.8% m/m以下
硫酸灰分の値はDPFの詰まりに関する規定なので、DPFエラーが出る場合はC4を試してみてください。
(4) Fuel Economy Test
省燃費テストは規格によりテスト方法が異なるようです。
CEC L-54-96(M111)テスト (燃費向上率)
C2 2.5%以上
C3/C4 1.0%以上(ただしxW-30粘度のみ、xW-40には非適用)
C5 3.0%以上
JASO FE M366(Toyota 2ZR-FXE)
C6 0.0以上
ACEA C6のみトヨタのテストによる基準が設けられているようです。
(5) Chain Wear GDI (チェーン摩耗)
ASTM D8279(Sequence X, Ford)
C6 0.085%以下
C6のみ規定されているようです。
(6) Low Speed PreIgnition GDI Turbo (LSPIテスト)
ASTM D8291(Sequence IX, Ford)
どのようなテストかよくわかりませんが、C6のみ規定されています。
C5規格にチェーン摩耗、LSPIテストを加えたものがC6ということになりそうです。
(その他にも細かい数値の違いはありますが、大枠では・・・という意味ですが。)
省燃費テストがC6のみトヨタのテストによる規定が入っていることを考えると、現在スープラのオイルはACEA C5 0W-20ですが、今後はC6規格になる可能性も考えられます。
英語サイトをもとに調べておりますので、間違い等あるかもしれませんが、ご容赦ください。
参考URL:https://www.acea.be/uploads/news_documents/2021_ACEA_oil_sequences_light-duty_engines.pdf