前回につづいてポルシェミュージアムのレポートをお送りします。
1963年のフランクフルト モーターショーでデビューの
言わずとしれた911です。
このころのショートホイルベース ナローモデルは、
後ろにヒョッコリ顔をのぞかせている356の面影を
多く残していますね。
こちらは、隠れ914ファンの僕にはマストチェックな”914/8”です。
”/4”でも”/6”でもなく、2台のみ造られた”/8”です。
フェリー・ポルシェ60歳の記念に造られたスペシャル914。
名前が示すとおり908のレース用3リッターフラット8ユニットを搭載。
こんな顔して300馬力らしいです・・・(^_^;)
そしてその300馬力を受け止めるタイヤはというと、
意外にも”195/65R15”と、今となっては結構お求めやすいサイズ(^_^;)
2.2リッターの”911targa”
2009年のジュネーブショーでRufが発表した997カブリオレに
往年のタルガ風ロールバーを設けた”GreenSter”を見て以来、
個人的にクラシックタルガ再考中です。
初期モデルのリヤビニールウインドウといい、このカーブドガラスといい、
どこかスぺーシーで”終ぞ来なかった未来”的スタイルがたまらないです(^_^;)
説明不要の通称”73カレラ”こと”911Carrera RS 2.7”
軽量ボディに2.7リッター フラット6を搭載のグループ4 ホモロゲーションモデルの
市販版。
大型のフロントスポイラーにダックテール、カレラフェンダーなど、
”普通の911”をモディファイする上でのお手本としても重宝がられているモデル(^_^;)
ここで、少し路線を変えてコンセプトモデルの展示へ
こちらは”Typ 754”開発しつくされた356に変えて、新たなモデルを
必要としていたポルシェが次期モデルとして検討していたモデル。
居住性を重視した(重視しすぎた?^_^;)4シーターモデルとして、
フェリーの長男フェルディナント・アレキサンダー・ポルシェが設計するも、
フェリーの「一目見てスポーツカーと分かる車でなければならない。」という
判断により、次期モデルとしてコンパクトなtyp 901(911)が生まれた。
これはこれで、かっこいいとは思うけどな・・・
もし、これが次期モデルとして採用されていたら、今日の911GT3などは、
BMW M3のような3BOXでリヤエンジン車になっていたかもしれないと
思うと、感慨深いモデル。
それとも、とっととRRなんか捨て去って、ウエッジシェイプの効いた
最新の”928GT3 RS”が大手を振って走っていたかも・・・(^_^;)
続いて、”パナアメリカーナ”
993や996に繋がるデザインが、そこここに見受けられますが
これが発表されたのはナンバーの数字が物語っているとおり1989年。
特にこのファスナーで開く開放的なルーフは、993からタルガに採用された
グラスルーフの元ネタと言われています。
なんと、トレッドパターンにポルシェクレストが・・・!(@o@)!
つづきまして・・・
こちらは、一見なんの変哲もないナローの911の様ですが・・・・
長っ!!
Typ 915というモデルらしいです。
顧客からの「4シーターとして、もう少しシートスペースが欲しいの!」
という要望に応えるべくホイールベースを350mmストレッチ。
このプロジェクトは4年間続けられたが、市場にでることはありませんでした。
その理由は、他のポルシェのモデルと競合するから。っと英文解説に
書かれていましたが、他のモデルって?924?
FRポルシェのリヤはもっと悲惨なような・・・928は広いのかな?
ボクスターのコンセプトモデルです。
ほぼコンセプトに近い形で市販されているような印象ですが、
内装はたいぶアグレッシブですね。
シフトレバーの真ん中をシャフトが貫いてるデザインは、
その後、オランダのスパイカーC8がこんな感じで市販していますね。
なにやら実験車チックな924ですが、日本語ガイドでも英文説明でも
924が開発された経緯のみで、この個体についてはなにも
説明がなかった謎の”924 Baustufe 1”
手がかりは、ただ者ではなさそうな↑この名称のみ。
さて、市販車に戻って928です。
トランスアクスルにヴァイザッハアクスル(4WS)、4.5リッター水冷V8など
911のさらに上に位置する上級ラグジュアリーモデルとして開発されたモデル。
こちらはエンジン展示コーナーの2.0リッター時代の911用フラット6
こっちは930ターボの3.3リッターフラット6ターボユニット
こうして、エンジンとミッションの単体で比べると、全体の大きさとして、
あまり変わっていないですね。2.0と3.3ターボでですよ~
まぁ、それだけエンジンスペースに余裕がないってことの現れですかね(^_^;)
1989年モデルの”911Carrera 3.2 Cabriolet”
’89年モデルということはビックバンパー最終型のカブリオレですね。
3.2ユニットにワーナーシンクロ式ミッション搭載で、
だいぶユーザーフレンドリーになった?モデル(^_^;)
これは”928 Studie H50”というモデル。
家族でヴァケーションに出かけることが好きだったフェリーのために、ポルシェの
エンジニアリング部門が928をベースに造ったスペシャルモデル。
4ドア4シーターの”快適なファミリーカー”しかし、それはいつ何時でもポルシェである。
と英訳にあるとおり、フェリーが拘ったのはポルシェでなくてはならないという考え。
それが今日のポルシェのアイデンティティになっていることを感じさせてくれるエピソード。
911はもちろんのこと、ボクスターしかり、カイエンしかり、パナメーラしかり。
次回は、近代ポルシェと珠玉のレンシュポルト!!