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独特の目線でイタリア・フランスに関する出来事、物事を綴る人気コーナー
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文と写真 大矢アキオ ロレンツォ Akio Lorenzo OYA

 

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「ムルティプラ・フィアット」後期型と初代「フィアット・パンダ」の残骸。202110月シエナで撮影。

 

日本では近年「廃墟」「廃線跡」系コンテンツの人気が高い。いっぽう、イタリア在住の筆者が惹かれるものといえば、廃車とそれがある風景だ。そこで今回は、近年撮影した写真をご覧いただきながら、なぜ廃車に魅力があるのかを考えてみたい。

 

■放置してしまう理由

まず、廃車が発見できる場所を確認してみる。当然ながら第一は、車両解体工場のヤードだ。なかでも赴きがあるのは、廃業してしまったと思われるところだ。そうした場所に置かれたクルマは、まったく処分されないものだから、風化されるがままになっている。

 

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シエナ県の廃車ヤードで。202310月。

 

次は市内だ。イタリアでは都市部・地方部を問わず、公共の場所に放置された自動車を頻繁に見かける。盗難など犯罪の匂いがするものあり、意図的に置き去りにされてしまった車両ありである。

 

理由は、ひとえに行政の対応が追いつかないためだ。処分するには、放置車両を発見した警察官が損傷具合や周囲の状況を確認→ナンバープレートを陸運局に照会→ふたたび実地検分という手順を踏まなければならない。判明した所有者が他の自治体に転居していた場合、情報共有が円滑にできないため、さらに厄介になる。死亡していた場合も、撤去手続きが複雑になる。ナンバープレートに紐づけされた自動車税の督促が、捨てた所有者のもとに届くまでには、かなりの時間がかかる。由々しき問題であるが、「捨てた者勝ち」なのである。

 

ちなみに、そうしたクルマは何者かによって部品が勝手に持ち去られていることが多い。初代「フィアット・パンダ」は、あっという間にさまざまなパーツが無くなることからして、放置車はちょっとした人気車のバロメーターでもある。

 

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初代フィアット「プントSX」。2021年撮影。


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初代「ルノー・クリオ」。赤い車体は退色が激しいため、劣化感が倍増する。2022年撮影。


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2000年登録の「レクサスIS200」。ウィンドウには、「警察に届け出済です。事件ではありません。すみません」という、持ち主によると思われる張り紙があった。2022年撮影。


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スクーターも放置車が多い。「アタラ・バイト50AT50」は1997-99年の製造である。サドルには盆栽のごとく、苔がむしている。2022年撮影。


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シエナ旧市街で。手前右は「ピアッジオ・リバティ」。20225月。


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20231月シエナの公園で。「ベネッリ」のモペッドが土に還ろうとしている。


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「ランチア・イプシロン」。ナンバープレートを見ると1300km以上離れたシチリア島のトラパニで登録された車両であるところからして、どこか怪しさが漂う。シエナで2020年撮影。

 

個人の敷地に放置されている場合もある。イタリアでは1990年代末から複数回にわたり環境対策車への買い替え政策が施行され、各回とも下取り車の提供を条件に奨励金が受給できた。そのため、放置される車両は格段に少なくなったとみられる。また、不動状態の車を廃棄する場合、解体工場までの搬送費用は自治体によって無料となる場合が多い。

 

ただし、登録抹消費用として、印紙代32ユーロ、(長年この国で公共機関的役割を果たしている)イタリア自動車クラブ手数料13.5ユーロ、陸運局への手数料37ユーロ(地方によって違いあり)の合計82.5ユーロを要する。円換算で14千円だ。取るに足らない金額ともいえるが、廃車が生じる状況というのは大抵の場合、事故直後だったり、代替車を購入する。時間・出費ともに消耗が激しい時期である。繰り返しになるが、ナンバープレートに紐づけされた自動車税の督促も、すぐには来ない。ゆえに置いておける敷地があれば、つい放置してしまい、時間が経過してゆくのだ。

 

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夏、成長した雑草に隠れてしまっている1台。


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冬、草が枯れると「マツダCX-7」が姿を現した。左前方を破損したようで、テンパータイヤを履いている。


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5代目「フォルクスワーゲン・パサート」と2代目「メルセデス・ベンツAクラス」。


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初代「スバル・インプレッサ」。

 

■嘲笑と、ねぎらいと

なぜ廃車のある風景に惹かれるのかを自己分析すると、ふたつの感情が存在することがわかる。

 

第一は、大なり小さいなり、苦い思いをさせられたクルマに対する思いである。たとえば、あのクルマに抜かされた・煽られたといったものだ。そうしたモデルがタイヤの空気が抜けたままになっていたり、雑草に埋もれていたりすると、「あんなにイキっていたのに、こんな姿になってやんの」という笑いがこみあげてくる。

 

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「クライスラー300Cツーリング」。2021年。


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「アルファ・ロメオ147」。主に車両の右半分を損傷している。202310月。

 

第二の感情は、ねぎらいだ。チャイルドシートやルーフボックスといった、人々の生活に寄り添った「しるし」を見つけるたび、思わず「おつかれさま」と声をかけたくなるのである。下の写真にあるクライスラー「PTクルーザー()」のウィンドウには、初心者を示すPマークが貼られている。恐らく最後のお役目として、誰かの道路デビューを手伝ったのだろう。

 

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フィアット初代パンダ。


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フィアット初代パンダ。車両の下や周囲に草が生えていることは、イタリアの警察にとって放置車両を見分ける目安のひとつという。


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初代「メルセデス・ベンツ Cクラス」。後部にはチャイルドシートが残されている。典型的ユーザー層が高齢者だったことからして、孫でも乗せていたか。


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かつてのフィアットにおける世界戦略車「パリオ・ウィークエンド」。残されたルーフボックスが、現役時代のヴァカンスを思い起こさせる。


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クライスラー「PTクルーザー()」のウィンドウには初心者マークが貼られている。20228月。

 

ふと思い出したのは、シトロエンの伝説的デザイナー、故ロベール・オプロン氏と2003年に初めて会ったときである。当日は彼の代表作である「アミ8」「SM」そして「CX」のファンミーティングだった。参加車両を見渡せる広場で、筆者が本人に感想を求めると、「ネクロポリスのようだ」と答えた。Necropolisとは墳墓である。常に新しいフォルムを追求するデザイナーにとって、たとえ名作とはいえ、また実動状態でも過去の遺物にすぎないのである。

 

参考までに、放置されたクルマたちは、自動車を運転しているときよりも、徒歩であったり、公共交通機関に乗っているときのほうが発見しやすい。とくにハイデッカー型の長距離バスに乗っていると、ガードレールの向こうが見渡せるので、意外なところに廃車の溜まり場が見つかる。

 

近年、たびたび解体工場でパーツを安く譲ってもらっている筆者としては、早16年ものとなる自家用車と同型車をヤード内に発見するたび、「まだまだ部品があるな」と、ほっと安堵の息をついている。

 

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スクールバスの放置車両も発見。シエナで2020年撮影。


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高速パスから見えた、ある解体工場。多くのクルマからは、いかにクラッシャブル・ゾーンが作用しているかがわかる。明らかに燃えてしまった車両も4台確認できる。


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リユース用に回収されたバンパーの前に立つ筆者。





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文と写真 大矢アキオ ロレンツォ Akio Lorenzo OYA


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「谷隊長」が印刷されたカクテル缶。


2024
2月、シエナ市街のカフェで、TAKESHI’S CASTLEと記された缶を発見した。日本で1986-89年に放映されたテレビ番組「痛快なりゆき番組 風雲!たけし城」で、俳優・谷隼人が演じていた「谷隊長」が表面に印刷されている。どうやら、その店のオリジナル・カクテルを詰めた缶らしい。参考までにイタリアで「たけし城」は、2000年代に入って日本のオリジナル版がたびたび放映されてきた。

その谷隊長は、体当たりゲームに生き残った一般参加者に「よくぞ生き残った。わが精鋭たちよ!」と、毎回声をかけるのが常だった。

イタリアの路上では、ときおり「よくぞ生き残った」と声をかけたくなるクルマたちと遭遇する。今回は、そうした例を紹介したい。筆者のアーカイヴは膨大だが、時事性を増すため2023年以降の撮影に限定した。また、趣味車として立ち位置が確立している「シトロエン2CV」「ルノー4」といったモデルは敢えて除外し、明らかに日常生活の中で使われているクルマを集めた。


■車齢33年のフィアットも

まずはイタリア車から。2023年ローマで、この街伝統の石畳「サンピエトリーニ」の上に佇んでいたのは、2代目「アルファ・ロメオ・スパイダー」だ。ナンバープレートからして2001年登録であるから、撮影時点で22年選手ということになる。

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ローマに佇むアルファ・ロメオ・スパイダー。



「クーペ・フィアット」は、のちにBMWに移籍したデザイナー、クリス・バングルによる傑作だ。シエナ歴史的旧市街を囲む市壁付近で2023年に見つけた写真のクルマは1999年登録。24年ものだ。

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シエナの市壁をバックにしたクーペ・フィアット。


「ムルティプラ・フィアット」は2000年代初頭、タクシーも含め頻繁に目撃したものだ。いっぽう、今日ではそうした機会がめっきり減った。2023年の霧深い朝、シエナの公園駐車場に佇んでいた前期型は、2002年登録だ。21年以上が経過していることになる。

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ムルティプラ・フィアット。リアバンパーにバックセンサーが内蔵されている仕様だ。


「パリオ」は、1996年にフィアット版ワールドカーとして登場。イタリアではブラジル工場製が販売されたが、大きな成功には至らなかった。写真は2000年以前の初期型ゆえ、少なくとも23年は使われているが、状態の良さにオーナーの愛情が感じられる。

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フィアット・パリオ。「ウィークエンド」と名付けられたワゴン仕様だ。シエナ旧市街で。


フィアット「ウーノ」5ドアは20239月、シエナ県で確認したものだ。1995年までの前期型である。リアバンパー右側に追加されたバルブは、ガスタンクを後付けして、より経済的なLPG/ガス併用車に改造したことを物語っている。

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フィアット・ウーノ。1995年までの前期型。28年以上走り続けていることになる。



今回紹介するフィアット車のなかで最古は、20231月にシエナ郊外で慌てて撮影した「レガータ・ウィークエンド」である。ハッチバック車「リトモ」の3ボックス版だ。1990年に生産終了しているから、車齢33年以上ということなる。

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フィアット・レガータ・ウィークエンド。



アルファ・ロメオ「159」は、新車当時イタリア市場ではドイツ系プレミアム勢の総攻撃を受け、先代である「156」を超えるヒットには繋がらなかった。そうしたこともあり、今日見かけることは極めて稀である。写真は20231月、シエナの環状道路を走行していたステーションワゴン仕様だ。

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アルファ・ロメオ159スポーツワゴン。気がつけばこれも10年以上前のクルマだが、精悍さは衰えていない。 


これも最早珍しい。「ランチア・リブラ」だ。20241月、クリスマスの余韻が残るフィレンツェで見つけた。1999年に登場した同車は、アルファ・ロメオ「156」と車台を共用していた。当時イタリアでは、米国の俳優ハリソン・フォードを起用したCMが放映された。2004年登録だから、20年ものである。

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フィレンツェ大聖堂を遠くに望むランチア・リブラ。


■こんなモデルも生きてます

イタリア人ユーザーの間でフランス車は、国外ブランドという意識が極めて希薄だ。長年にわたり、国内ブランドのフィアットと価格差があまりないポピュラーカー中心の車種構成だったことが背景にある。

「プジョー106」は20231月シエナでの撮影で、今日でも生存を筆者は確認している。1996年以前の前期型ゆえ、28年以上走り続けていることになる。普段の買い物には格好のサイズである。

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プジョー106


本稿を執筆する数日前には、フランスのナンバープレートを付けた初代「シトロエン C5」後期型をアウトストラーダ“太陽の道”で目撃した。SUVでもなく、エクスクルーシヴ・カーでもない最後のハイドラクティヴ付きシトロエンとして、持ち主の満足度は依然高いに違いない。ちなみに我が街シエナにはC5のタクシー仕様が1台残っていたが、最近見かけなくなってしまった。

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シトロエンC5


最後はドイツ車である。2023年夏にシエナで撮影したこれは、「メルセデス・ベンツ・ヴァネオ」だ。トヨタに匹敵するフル・ラインナップ化を目指していたメルセデスが、初代Aクラスの派生型として2001年に投入したものだ。「トヨタ・ヤリス・ヴァーソ(日本名ファンカーゴ)」のメルセデス版を狙ったものの、Aクラスの人気には遠く及ばず、僅か4年後の2005年には後継車なきまま消滅した。ということは、最低18年も走り続けていることになる。

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メルセデス・ベンツ・ヴァネオ。


■代替が難しいクルマたち

紹介したクルマのユーザーたちは、ヨーロッパで年々強化される排出ガス規制に伴う自動車税の増額と戦ってきたことになる。一部モデルは、有鉛ガソリン時代のものだ。パーツ入手も、だんだんと心細くなっている。維持の苦労が忍ばれる。

新しいクルマは、より安全になっている。2010年には約51,400人だったEU圏の交通事故死者が、2022年には半分以下の約20,600人にまで減少したのには、対歩行者も含めた車両の安全性向上が貢献しているのは疑う余地はないし、高く評価すべきだ。(データ出典:CARE)

しかし、古いクーペやスパイダーからは、今日選択肢が極めて少ない、そうしたボディ形状を支持する人々が引き続き存在することを証明している。同時に、メーカーが主力車種を基に、魅力的なバリエーションをカタログに載せていた時を伝えている。またシトロエンC5は、天文学的に高価でなくても独特の機構を堪能できた時代の一証人である。全長3.54メートル前後でルーミーな室内をもち、かつそこそこの高速巡航をこなせるシティカーたちもしかり。今日その代替を探すのは容易ではない。生き残っているクルマたちは、人々が求めながらも現行車に無いものを教えてくれているのだ。

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2023年夏、シエナのスーパーマーケット駐車場で発見したシトロエンAX90年モデルイヤーまでの前期型だから、33年以上使われている計算だ。

 

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文と写真 大矢アキオ ロレンツォ Akio Lorenzo OYA

 

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シエナのルノー販売店「パンパローニ」に併設された民間車検場。

 

日本で自動車を所有するうえで、頭が痛い維持費のひとつといえば昔も今も車検である。今回は、イタリアの車検制度についてリポートしよう。

 

■格安ユーザー車検の落とし穴

イタリアで車検は一般的に「レヴィジオーネ」と呼ばれている。有効期間は新車が初回登録時から4年。以後は2年ごとである。定員10名以上の車両やタクシー/ハイヤーなど運送事業用車両は1年ごとである。ここまでは日本と細部は異なっても、さほど大きな違いは無い。

 

検査を実施しているのが陸運局と民間車検場双方なのも、日本と同様である。警察による路上検問などで車検切れが発覚した場合に反則金が課されたり、場合によっては差し押さえとなるのも、日本と同じだ。

 

いっぽうで、幸いなことにイタリアの車検料金は安い。かつ定額である。さらに、保険の仕組みが異なるため、日本の自賠責保険料に相当するものは含まれない。実際の料金はというと、自家用乗用車の場合、2024年は陸運局が45ユーロ(7300)、民間車検場が79ユーロ(13千円。換算レートは20241月現在)だ。

 

円にして5700円も安いのなら陸運局によるユーザー車検一択ではないか、と思う読者もいるだろう。何を隠そう筆者も一度、それを試みたことがあった。だが施設は、火〜金曜のそれも午前中しか開いていない。空き照会はいまだメールのみで、予約可能日はかなり先なのが常だ。加えて筆者が住むシエナの場合、陸運局がひどい郊外に立地している。ゆえに待ち時間を潰す場所がない。ついでにいえば(当時乗っていた筆者のクルマがあまりに古かったのが原因なのだが)検査官のチェックが厳しい。実際、排ガス濃度がやや高かったうえ、シートベルトの規格が古いことを指摘されて、泣く泣く撤収した。

 



その後
、知り合いの元整備士のおじさんに車検を頼むようになった。朝、家までクルマを取りに来て来て、午後に届けてくれた。彼が陸運局に持っていったのか、それとも旧知の民間車検場に持って行ったのかは知らない。料金は法定費用+おじさんのお小遣いだったと思う。かなり便利だったのだが、おじさんが歳をとって完全に引退してしまったのを機に、頼めなくなってしまった。

 

■教育的指導も

過去数回は、市内にあるルノー系新車ディーラーの併設サービス工場に車検を依頼してきた。筆者のクルマはルノー系ではないのだが、快く引き受けてくれるうえ、比較的家の近くにあるから便利なのだ。

 

筆者の場合、1月が車検月だ。前月である12月になると、そのディーラーから車検が迫っていることを示す封筒が舞い込む。それと前後して、自動車関連税を管轄している州からも車検期限が迫っていることを知らせる通知が同じく郵便で届く。

 

今回ディーラーからの手紙を読むと、いつの間にかネット予約を導入していた。車検部門は朝が8時半から12時半まで。地域の習慣にしたがって2時間の昼休みをはさんで、午後は2時半から19時までである。およそ30分刻みで入庫時刻が選択できるようになっている。翌日も空いていたが、より筆者が都合の良い翌々日にした。実はネット予約後、何らかの障害で受付確認済メールが届かず、結局電話でリコンファームした。だがこのあたりはイタリアでは日常のことだから、さして動揺しなかった。

 

さて当日のこと。このサービス工場で、車検はマルコさんというスタッフが一人で担当している。A4版を4つに折り畳んだ車検証とキーを渡すと、筆者のクルマは彼の運転によって車検専用ブースへと移動した。設備は日本のものとほぼ同等といってよい。違いはといえば、マルコさんの通勤用である日本製二輪車が脇に収まっている日があるくらいだ。

 

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車検受付カウンター。

 

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車検場を表すREVISIONE VEICOLIのサインが掲げられている。車両はルノー・グループの「ダチア・サンデロ」。2023年のイタリア登録台数では「フィアット・パンダ」に次ぐ2位を記録した人気車である。

 

イタリアでは従来の検査項目に加え、2024年からエンジン・コントロールユニットに記録されている車台番号、走行距離、さらにエンジン警告灯によって表示された異常も、検査員がチェックすることが義務付けられた。それでも所要時間は3040分。ディーラー内の新車・中古車コーナー双方を散策しているうちに車検は終わってしまった。日本のスピード車検よりも短い。

 

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待ち時間に販売店部門を散策。ダチア「ダスター」は、ルノー日産B0プラットフォームを使用したSUVである

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こちらは中古車センター。2021年ルノー「クリオ1.6 Eテック・ハイブリッド」は、走行42千キロメートルで18500ユーロ(298万円)

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EVが集められた一角。手前の2020年ルノー「ZOE」は、走行76千キロメートルで14950ユーロ(241万円)

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販売店オーナーがヒストリックカー・ラリーやヒルクライムに参加するため収集したコレクション。

 

終了すると、車検証に走行距離と検査合格のステッカーが貼られる。貼り付け欄は4つしかない。足りなくなると最も古いステッカーの上に重ね張りされるので、我がクルマは16年落ちなので、部分によって厚くなっている。

 

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検査終了。新しいステッカーが貼られ、過去のものには、無効が一目でわかるよう//が引かれている。

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加えて近年は、車検証明書なるものまで発行されるようになった。

 

車検はともかく、毎回緊張するのがマルコさんの“教育的指導”である。前々回はヘッドライトの光軸ずれ、前回はドライブシャフトのブーツ劣化と、それに伴うアウタージョイント側のグリース流出だった。走行17万キロだから仕方ないといえば仕方ない。後日お金が貯まったところで、彼の同僚に直してもらった。

 

果たして今回は? 歯科医院の検診結果を聞くような気持ちの筆者にマルコさんが指摘したのは、フロントタイヤのショルダー劣化だった。実は2年前にもマルコさんに前輪の摩耗を指摘され、後日交換していた。ということは換えてから僅か1年半だ。いくら前輪駆動とはいえ、走行距離は15千キロメートルちょっとである。近年日本でも販売されている中国ブランドを選んだのだが、やはり安物買いの銭失いだったのかもしれない。

 

心中を察するかのように、マルコさんがすかさずお勧めのタイヤをメモして渡してくれた。グッドイヤー140ユーロ(23千円)、コンチネンタル系でチェコのバルム105ユーロ(17千円)、そしてグッドイヤー系でスロベニアのサヴァ100ユーロ(16千円)…と記されている。さらにキーを受け取ってクルマに乗り込み、助手席を見ると、「板金部門始めました」というチラシと、記念品のボールペンが置かれていた。いずれも従来イタリアの車検では見られなかった営業努力である。民間車検場の競合が激しくなっていることを窺わせる。

 

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助手席には、板金部門解説のお知らせと記念品のボールペンが。

 

ただし、そうした施策無しでも筆者には効き目あるセリングポイントがある。マルコさんの名字だ。「ロメオ」といい、綴りもアルファ・ロメオのRomeoと同じだ。“ルノーのロメオ”というミスマッチが逆に覚えやすく面白くて、ふたたび彼のサービス工場に車検を頼んでしまうのである。会社も本人も気にしていないだろうが。

 

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パンパローニ社車検担当のマルコ・ロメオさん。


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クプラのCセグメントSUV「フォーメンター」。VWMQB Evoプラットフォームを使用。エンジンはガソリン/プラグイン・ハイブリッド、駆動方式はFWD/AWDが用意されている。以下はいずれも2023年に筆者撮影。

 

「イタリアではイタリア車が多数派なのは当然」と思う読者諸氏は多いのではなかろうか? ところが実際は逆である。外国ブランド車のほうが圧倒的に多いのだ。20231-11月の国内登録台数(以下も同期間のデータ: 出典UNRAE)で、イタリア系ブランド車(フィアット、ランチア、アルファ・ロメオ、マセラティ、フェラーリ)の市場占有率合計は16.18%に過ぎない。VW(フォルクスワーゲン)グループのランボルギーニを足しても16.2%だ。逆にいえば、およそ84%は他国系ブランドなのである。日本の自動車販売台数で輸入車比率(日系ブランド車除く)が一桁台であるのと逆の状態といえる。


■新興ブランドが健闘

イタリアにおける外国系の登録台数首位はVW2位はトヨタである。ただし、それに続くブランドを見るほうが面白い。日本未導入のブランドが数々含まれているのだ。

まずはダチア。本欄で前回に紹介したとおり、ルノー・グループのサブ・ブランドである。近年イタリア市場で躍進目覚ましく、シェアは前年比30.56%増の5.6%・81,544台を記録。2023年通年ではフォード、プジョーそしてルノーを超え、外国ブランド3位入りは確実だ。従来からの“おねだん以上”的お買い得ムードに加え、近年は若々しさを押し出していることが成功の背景にある。

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ダチアのフルEV「スプリング」。


こんにち上海汽車系の1ブランドである「MG」も奮闘している。なんとイタリア系・外国系含め最もシェアを伸ばした。2022年が6610台だったのに対し、2023年は4倍以上の26,945台を記録している。そればかりかすでにアルファ・ロメオ(25,725)を抜いている。

 

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SAICMGSUVで爆発的にシェアを伸ばしている。


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フルEVの「MG 4エレクトリック」。


そのアルファ・ロメオに迫るのは、「DRモーター」である。フィアット販売店を経営していたマッシモ・デ・リージオ氏によって南部モリーゼ州に2006年設立されたブランドだ。中国・奇瑞汽車製モデルのノックダウン・キットの供給を受けての生産であるが、車台番号に刻印される生産国は、最終組立地に準拠するのでイタリア製である。発足当初の主力は価格勝負のシティカーやLPG/ガソリン併用のコンパクトカーであったが、近年はSUVのラインナップを充実させている。ベースとなる奇瑞車のデザインや質感が向上したのも追い風となっている。その数字25,275台は前年同期比25%以上の増で、MINIやテスラを超える。ちなみに、デ・リージオ氏は2022年に、幻のスポーツカー・ブランド「O.S.C.A.」の商標権をマセラティ家の末裔から購入している。

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Dr4.0」は奇瑞ティゴー4のノックダウン生産だが、独自の装備が加えられている。ベースモデルは1.5リッター・ガソリンで、LPG併用モデルも用意されている。「19,900ユーロ(312万円) から」という戦略的価格で売られている。


「リンク&コー」は、浙江吉利控股集団とボルボの合弁会社によるブランドである。その数3541台は、前年同期比12.7%だが、レクサス(3487)、スバル(2457)を超えている。202312月現在、唯一の車種は「01」と呼ばれるハイブリッド車だ。ボルボXC40と同一のプラットフォームを用いて中国の工場で生産されている。新興ブランドながら、月額600ユーロ(94千円)のサブスクリプションや、24-60ヶ月のリースといったプラン、さらにショールームの呼称を「クラブ」とするなど、次々と話題を提供し続けているのも奏功している。

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「リンク&コー01」。20232月ローマで。

 

VW系の「クプラ」も成長めざましい。こちらは前年比48%増を記録している。ブランドはもともとスペインのバルセロナを拠点とする「セアト」のスポーツ仕様に与えられていた呼称を2018年に独立させたものだ。

リンク&コーと同じ吉利系で、EV専門ブランドの「ポールスター」も2022年の僅か36台から2023年は833台と飛躍的伸びを示した。実際に、イタリアの都市部やアウトストラーダで見かけるようになった。

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「ポールスター2 イタリア国内でショールームは、2023年12月現在ローマとミラノのみ。整備は一部のボルボ・ネットワークが担当している。


ポールスターに続くのは、インドの「マヒンドラ&マヒンドラ」である。かつてピックアップトラックで欧州の足がかりをつくった同社だが、今日では価格的にリーズナブルなシティカーやSUVに軸足を移しつつある。2023年の数は833台にとどまるが、それでもフェラーリ(617)、ランボルギーニ(354)をはるかに上回っている。参考までに、マヒンドラ&マヒンドラの親会社は、イタリアを代表するカロッツェリア「ピニンファリーナ」を2015年から所有している。また、関連会社「マヒンドラ・レーシング」は、フォーミュラE2014年から参戦している。

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「マヒンドラ&マヒンドラXUV100 NXT」。


■お年寄りの足が店のお洒落カーに変貌

一般車の登録台数ランキングに上がってこないため台数は明らかでないが、欧州連合規格でクアドリサイクルと呼ばれる市街用軽便車にも新ブランドが続々参入している。

このカテゴリー、もともとは500ccの汎用ディーゼルエンジンが多く用いられていたが、近年脚光を浴びているのはBEVモデルだ。「XEV(エクシヴ)ヨーヨー」といった新興ブランドの製品が、いずれも個性的なデザインで登場。「軽便車=お年寄りの足」といった長年のイメージを塗り替えつつある。アイキャッチを兼ねて導入する商店も増えてきた。

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XEVヨーヨー」。イタリアのデザイン/研究拠点が開発に参画。中国で生産されている。イタリアでの価格は、エコカー奨励金適用後12,990ユーロ(204万円)から。


2024年は、中国系を筆頭にさらなるブランドがイタリアの乗用車市場に参入すると思われる。いっぽうで、ひっそりと市場から引退してゆくブランドもあるかもしれない。

イタリアといえば、この国の政権は1990年代以降、ときおり非政治家内閣もはさみながら、中道右派と中道左派の間を行き来してきた。自動車マーケットもそれに似て、きわめて流動的だ。ゆえに刺激的なのである。

 

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参考までに既存メーカーもクアドリサイクルに参入している。これはシトロエンの「アミ100%エレクトリック」。WMTCモードによる航続可能距離は75キロメートルにとどまるが、この規格に与えられた法規により、イタリアでは14歳から運転できる。

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文 大矢アキオ Akio Lorenzo OYA

写真 Akio Lorenzo OYA/FIAT/Renault

 

筆者の考えだが、マイナーチェンジ後のモデルは、デザイン的に好感がもてるものが極めて少ない。機能性向上以上に「話題づくりのための改変」を強く感じてしまうのだ。ところが最近、フェイスリフトしたのみ、ときにはロゴを変えただけ、つまり“プチ整形”をしただけで、ぐっと若返りを果たしたクルマがみられるようになった。その三例を紹介しよう。

 

■新ロゴは“日焼け防止効果”も : フィアット

最初はフィアットである。2020年に制定された新ロゴは、歴史的FIATロゴをモダナイズしたものである。

真っ先に採用されたのはフルEVである2000年の500eの後部であった。

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2020年に制定されたフィアットの新ロゴ。

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導入第1号は、2020年に発売されたフィアット500eだった。

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シートのパターンとしても使われている。

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新ロゴの起源は、20世紀初頭におけるフィアット車のグリルに遡ることができる。

 

しかし、導入が最も効果的だったクルマといえば、2代目ティーポ(日本未導入)である。トルコ工場で造られる同車は、西欧市場では、まず4ドアセダンから導入された。加えて警察をはじめ官公庁需要が多かったことから、フィアットのラインナップでは、比較的ユーザー年齢層が高めのイメージがつきまとった。しかし、2020年に導入されたマイナーチェンジ版は、新ロゴを鼻先に付けてグリルまわりの意匠も変え、カタログカラーを華やかにたおかげで、かなり若がえった。


日頃イタリアで暮らし、街なかのクルマを観察している筆者の視点からすると、この新ロゴにはもうひとつメリットがある。2006年に導入された従来エンブレムは、赤字にFIATの文字を配したものだった。実はこれは、イタリアの強い陽光に晒されると、退色しやすい。ステアリング中央のホーンパッドに貼られた同様のものもしかりである。対して、新しいロゴのバッジは退色知らずだ。

 

フィアットの最新ニュースとしては、2023年から広告に“斜めの4本線”を採用し始めた。これは1968年アーミン・ウォクトのデザインによる18°に傾けた平行四辺形のFIATマークを意識したものである。

 

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2代目フィアット・ティーポ 前期型。2018年撮影。横基調のクローム入りグリルは、ややおじさんぽかった。

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フィアット・ティーポ前期型。20212月ピストイア旧市街で撮影。

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フィアット・ティーポ前期型ステーションワゴン。20212月、シエナ外国人大学本部前で撮影。

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2代目ティーポ後期型。新ロゴ+ハニカム状グリル、そしてバンパーの意匠変更で一気に若返った。

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ただし、ホーンパッド中央には、従来のバッジが残る。

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参考までに、新FIATロゴは、2023年に発表された街乗りEV・新トポリーノにも採用されている。(photo:FIAT)

 

■意外にググる人続出 : キア

次はキアである。韓国発祥のブランドであるが、スロバキアにも生産拠点をもち、欧州向けの54%は同工場製である。

 

そのキアは20211月に新ロゴを発表した。メーカーの言葉を借りれば「製品やサービスの体験を通じてお客様に提供することを約束する一連の価値観と、ブランドの野心を象徴することを意図している」という。そのうえで、「流動的で、連続的なストロークによる力強さで、キアのインスピレーションへのコミットメントを伝える」としている。さらにシンメトリーな要素は、自信と自己肯定感のメタファーと説明する。

 

思えば近年のキアは、自動車のデザイン自体が洗練されたおかげで、逆に旧来の楕円形ロゴの古さが目立ってしまっていた。それが新ロゴでは見事に修正されたばかりか、クルマのモダンさまで増幅させている。大成功である。

 

ただし意外なことが起きたのも事実だ。20221124日付のイタリア紙「コリエッレ・デッラ・セーラ」電子版によると、グーグルで「KN car」と入力して検索しているユーザーが増加しているという。つまり、新ロゴがKNに見える→どこの自動車メーカーなのかが不明でググる人が少なくないということだ。新ロゴは、壺のようにも、向かい合った人のようにも見える多義図形「ルビンの壺」になってしまうことを、ロゴの制作者は予想できなかったのかもしれない。

 

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旧ロゴをフロントフード先端に付けたキアの高級モデル、オプティマ。2021年シエナで撮影。

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こちらも旧ロゴを提げたキアのコンパクトカー、リオ。2015年シエナで撮影。

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新ロゴが貼られたキアのクロスオーバーSUV、ストニック。2020年までは、旧ロゴが貼られていた。

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キアのSUV、スポルテージ。

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同上。2021年に登場したこの4代目スポルテージは、最初から新ロゴが与えられていた。

 

■忘れてほしくない「おねだん以上」 : ダチア

最後はルノー・グループの「ダチア」である。ブランドの始まりは、まだ社会主義体制だった1966年のルーマニアで、国家プロジェクトとしてルノー8および同12のライセンス生産を開始したことにさかのぼる。やがてベルリンの壁崩壊後の1999年、ルノーがダチアを買収。以来、ルノーのサブブランドとしての役割を担うこととなった。2004年に新開発のセダン「ローガン」を発売すると、その低価格が受けて欧州で大ヒット。以来モデルチェンジと車種拡充を繰り返して、今日に至っている。

 

現在のスローガンは、Dacia, simply the essentialsだ。2022年フランスの乗用車販売台数で、主力車種「サンデロ」は64,293台を販売し、ブジョー208に次ぐ2位の座に輝いた。

 

そのダチアが、社内チームによる新ブランド・アイデンティティを導入したのは2022年のことだった。新ロゴは、一目見ただけで、頑強さと安定感を感じさせることを目指したという。そして文字が意図的にミニマルにデザインされているのは、「ブランドの冷静で独創的な精神を視覚的に表現するため」と説明されている。さらにDACIADCは「出会いを表現しており、チェーンのような連帯と強い絆」を象徴したものだそうだ。

 

筆者の視点からすれば、新ロゴの効果は、「サンデロ」のフロント部において顕著だ。以前はクローム塗装したプラスチックのためか、廉価なファミリーカーのイメージが漂っていた。ところが、ロゴとフロントグリルを変えただけで、かなり精悍になった。とくに新グリルはあたかもライトと連動して常時点灯しているかのような錯覚を抱かせる巧妙なものだ。

 

ちなみにダチアのイメージチェンジ戦略はさらに加速中だ。2025年にはダカール・ラリーへの参加を表明している。願わくば、今日の成功のきっかけとなった、「おねだん以上」的キャラクターを忘れないでいてほしいものである。

 

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クロスオーバーSUVである3代目ダチア・サンデロ・ステップウェイ()前期型。グリルはガッツ満点のムードを演出したかったのだろうが、煩雑で安っぽく見えてしまう。右はサンデロ前期型。

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2022年パリ・モーターショーに展示されたダチア・サンデロ・ステップウェイ後期型。クロームを使わなくても、堂々とした印象を醸し出せることの好例である。

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旧ロゴ時代のダチア製SUV、ダスター(photo:Renault)

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新ロゴとともに刷新されたブランド名サインが与えられたダスター。


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プロフィール
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大矢アキオ ロレンツォAkio Lorenzo OYA在イタリアジャーナリスト/コラムニスト/自動車史家。音大でヴァイオリンを専攻。日本の大学院で比較芸術学、イタリアの大学院で文化史を修める。自動車誌...
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