広島でもようやく公開の運びとなった映画『アイルトン・セナ~音速の彼方へ~』
早速公開日の本日鑑賞しました。
80~90年代初頭を駆け抜けたF1パイロット…は詳しくない方でも御存じかと。
で、観た感想を…
おっと!この映画はドキュメントなのでネタバレと規定しませんので悪しからず。
結論から言うと…やはり『ヒーローであるアイルトン』的描写に終止する。
制作協力がセナ財団であることからもその内容には否めない。
完全にライバルだったフランス人ドライバー、プロフェッサーと呼ばれたアラン・プロストはヒール扱い。
84年F1デビューを果たすセナ、すぐに実力の片鱗を表す。
雨のモナコは圧巻で、その時からアランとは浅からぬ因縁の対決が始まる。
その後、マクラーレンホンダでの同門対決。
裏切り、確執から起こる接触は彼等の人間関係をも壊していく…。
あおるマスコミ、加熱するF1ブームの中、セナ=孤高のヒーロー、プロスト=政治を巧みに利用するヒール…の図式を生み出す。
その後も93年のプロスト引退まで続くのだが…。
94年5月1日、イモラサーキット、高速コーナーのタンブレロで絶命…。享年34歳。
セナにも非があるレースも多々あることも確かだが、神を信じるブラジルのヒーローには切ないほどの華があった。
勿論、鈴鹿やテレビ、雑誌、新聞で彼の殆どを観て来た自分は映像や情報に真新しいものはなかったが、それでも当時の火の出るようなバトルを思い出さずに入られない。
観る者を圧倒的に魅了するドライバーは今のF1にもいなくはない。
が、セナほどブラジル人だけでなく多くの日本人に愛されたドライバーはいないだろう。
それがマスコミが煽ったものだとしても。
否、煽っていなくても彼の走りは皆を驚愕させたであろう。
惜しむらくは応援していたセナファンがマスコミの煽った上澄みしか見ていなかったこと…。
この映画はアイルトン・セナ・ダ・シルバだけを切り取った内容だが、自分にはその裏で起こっていたことも色々と思い出された。
F1フリークは勿論のこと、是非ともリアルタイムで体感していないファンに観てもらいたい。
是非ともこんなF1パイロットがいたという事を知ってください!