2011年は否応なく東日本大震災とともに記憶される年になるだろう。あの日から今日12月31日までの290日間、それでも私たちはひとりひとりの「一歩前」を手探りしつつ、不完全ながらも今日を明日へと繋げてくることができた。僕は今日それを祝したいと思う。
個人的に今年を振り返ると、震災後、大きな病気をした。壁はよじ登れ、山は越えて行けと、何事によらず困難から逃げずに自分の力で真正面からぶつかっていくべきだと信じてきた自分自身にとって、それは自分じゃどうにもできない絶望的な無力感に苛まれる出来事だった。「一歩前」は遥かに遠く、病室から見える西新宿の高層ビルの窓を数える日が夏の盛りまで続いた。
2012年がどんな年になるのか、それは僕にはまったく予想できない。今日2011年12月31日で時間の流れを区切って、「さあ、ご破算で願いましては」と明日から心機一転、という気分にもなぜだかなれない。ただ、今回経験した290日間のように、そして真っ白な壁の病室の日々のように、たとえささやかであっても今日を明日に繋げる気持だけは持ち続けていたいと思う。
今年1年、店頭へWEBページへと、たくさんの皆様のご来店ありがとうございました。途切れることなく続くその毎日が、私たちイタ雑スタッフの希望の源泉でした。多くのことを学びました。ありがとうございました。
イタリア自動車雑貨店 太田一義