双葉社の月刊青年誌《アクションゼロ》はようやく創刊の運びとなった。
とうとう自己初となる連載が始まったのだ。
月刊ペース・・・・想像以上に厳しいではないか!!
漫画が出来る工程は大きく分けて以下の通り
1.話を考える(プロット作成)
2.ネーム(コマ割、構図のラフ)を描く
3.原稿作成
これらを1ヶ月で30ページ前後描くわけだが・・・ストーリーOKがなかなか出ない!
そうすると作画する時間が削られていく・・・・連載が始まった数ヶ月は本当に地獄の日々だった・・・・。
朝AM9:00から27:00(早朝AM3:00)の作業が続き、幾度となく倒れてしまった。
そのような状況の中、雑誌の評価が耳に入る・・・・。
「売り上げ的に厳しい状況です・・・」
そりゃそうだ。広告を打っているわけでもなく、コンビニにも殆ど置いていない状況で売れるわけが無い。
『風の大地』等で有名なかざま先生が人気時代小説『居眠り磐音』の漫画を描いていることすら誰も知らないのだ。
自分に出来ることは知人、親戚、友人に「俺、漫画を連載しているから買って!」と宣伝するしかない。
勿論自分のHPやSNSでも告知をかけた。
挙句には掲示板等で「抽選で100名のクオカードがもれなくもらえる雑誌!」と揶揄される・・・・。
そんな中、編集のSさんから連絡が入る。
S:「BOBAさん、人気が芳しくないです・・・勿論始まったばかりですが、アンケートでは中の下といったところでして・・・」
B:「はぁ・・・」
S:「主人公がどこへ向かうのかの方向性があいまいだと思います。ここは将来の夢にぐいぐい向かっていくってのは・・・」
B:「自分的にはF1のメカニックになりたいという夢を想定していますが・・・」
S:「そこにぐっと近づけませんかねぇ!?」
B:「!?」
S:「勿論、勝負は単行本です。単行本が売れる漫画にしましょう!」
B:「は、はい!」
当初、自分の漫画の方向性は
『アルファあるある』
あるいは
『イタ車あるある』
的な展開を想定していた。
この漫画の読者は恐らくそこを望んでいるはず。ヨツバがいろんなアルファ、イタフラ車に触れることでのドラマを描きたかった。
それが『中の下』というアンケートでもろくも崩れていく・・・。
単行本を読んでいただけるとわかるが1巻の中盤からF1メカニックへの夢、それに向かっていく大きな流れにシフトしていることがわかるであろう。
展開を派手に・・・自分はここで155DTMを公道に担ぎ出すのだ・・・。
それでA-ZEROの部数が少しでも伸びるなら・・・。
しかし一向に部数が増える兆しが見えないなか、連載を始めて約半年後・・・
とうとうこの時が来た!!
人生初の単行本である『クアドリフォリオ第1巻』の発売である!!!
果たして単行本は売れるのか!?売れてくれ~!!
次回『悲しい知らせ』に続く。