ホイールハウス内の空気の流れで車の走りが変わる
カーくるのブログ初投稿です。現在シトロエンC5とBMW130 iに乗っています。どちらも2007年製の中古車で、シトロエンは購入して7年目、BMWは3年目になります。どちらも一般の車とはちょっと違う特徴を持った個性的な車ですが、自分好みの走りになるよう独自の考え方でいろいろ手を加えその変化を楽しんでいます。
独自の考えというのは定常走行時にサスペンションを縮めるようにプリロードをかけておくことと整流板をホイールの内側、ホイールハウスカバー内側そして車体底面に取り付けることでホイール周辺の空気を内側に吸い込み車体の下側に集めて後ろに流すというものです。
どちらも興味本位で試したことが車の動きを全く変えてしまったという偶然の産物です。その変化には本当にびっくりさせられました。現在はどちらの車も購入当時とはハンドリングも乗り心地も加速感までまったく違う車になっています。
どちらの車も現在のハンドリング、乗り心地ともに自分のイメージ通りに走ってくれる車に変わりました。
今の車に満足できず、走りを変えたいと思っている方に是非試していただきたいと思い投稿させていただきました。添加材を入れたり大きなエアロパーツを取り付けるより確実に効果があります。
サスペンションにプリロードをかける
きっかけはゴムベルトを使ってサスペンションのばねを縮めたことでした。最初に購入した車のホイールハウスの隙間が広すぎてみっともないので車高を下げて隙間をせまくする簡単な方法として思いついたのがサスペンションのばねをゴムベルトを使って縮めてしまうことでした。
ゴムベルトを使ってばねを縮めたことで車のハンドリングも乗り心地も全く変わってしまいました。タイヤの空気圧を通常より高めないと乗り心地が悪くなるという不思議な現象が起きました。

その原因はサスペンションを縮めるようにプリロードをかておくと、そのプリロードを超える力の変化が加わるまでばねが伸び縮みしなくなることでした。そのことでハンドリングは良くなりましたが乗り心地がすごく良くなったりすごく悪くなったり乗るたびに印象が変わる車になってしまいました。
ハンドリングは良くなったのですが乗り心地が良くなったり悪くなったりする欠点がなかなか解決できませんでした。
ホイールとホイールハウス内の空気の流れを内側に導く整流板
その問題を解決してくれたのがホイールハウス内に取り付けた整流板でした。ホイールハウス内の空気の流れを内側に変える整流板を取り付けたところ乗り心地の問題が解決し、カーブではさらに曲がりやすくなり抵抗感の無いすっきりした加速感が感じられるイメージしていた理想に近い車に変わってしまったのです。
ホイールの内側に整流板を取り付けたのは1970年代にF1で主流だったグランドイフェクトカーに興味を持ち自分の車で同じようなことをしたらダウンフォースが高くなるのか試してみたいと思ったことでした。グランドイフェクトカーというのは車体の下側に大量の空気を流して翼を逆向きにしたような空気の流れを作り出し下向きの揚力を発生させることでダウンフォースを得ようとするもので現在のF1では禁止されているものです。
普通の車も車体の下側に多くの空気が流れるようにすればダウンフォースが高まるのではないかと考え、思いついたのがホイールから空気を吸い込んで車体の下側に送り込めば車体の下を流れる空気の流速が増してダウンフォースが大きくなるのではないかと考えたのです。

ホイールは走行中は常に回転しているので羽根の役目をする整流板をホイールの内側に取り付ければホイールから空気が吸い込まれそれを中央に誘導して加速させれば車体の下部を流れる空気の流速もますのではないか。というものでした。
実際にどうなるのか興味本位で試してみたくなりました。予想通りダウンフォースが増えるのか、逆に空気によって持ち上げられてしまうのか遊び心で試したホイールの整流板でしたが予想もしていなかった変化にびっくりさせられてしまいました。
何故か乗り心地が良くなり車の動き全てがスムーズになったような気がしました。そしてカーブを曲がる時にいつも感じるタイヤが踏ん張って曲がるような感じがしないまま簡単に曲がってくれます。
そこで欲が出てホイールハウスカバーの内側にも空気の流れを内側に変える整流板を追加しタラどうなるか試してみたくなりました。その効果も大きく同じ車とは思えないほど走りの印象が変わりました。

更にホイールハウスからタイヤの内側に噴き出される空気を車体中央にあるマフラーを収納している窪みに導くように車体下部にもV字型に整流板を追加してみました。 車体の中央に集められた空気の流れが周囲の空気を引きずりながら後方に流れっていってくれれば車体下面の空気の流れも良くなるのではないかと思ったのです。

考え方はどんどんエスカレートしていきましたが、整流板を追加するたびに明確に車の動きが変わっていき、どんどん良くなっていきました。一番不思議だったのは速度を上げれば上げるほどステアリングに対する反応が良くなっていくことでした。
カーブでは速度を上げれば上げるほどステアリングに対する反応が良くなり思い通りに曲がるようになりました。これも今までとは逆の感覚です。ゆっくり走っても角のとれた乗り心地に変わり、まるで何かに吸い込まれるような抵抗感のないすっきりした加速感を感じられるようになりました。
整流板の効果は顕著で取り付け位置をちょっと変えたり追加するだけで印象が大きく変わりました。こうした方が良くなるのではないかと考え追加すると逆に悪くなってしまったりたり、こんなものでは変わらないだろうと思いながら取り付けたものがすごく大きな変化を感じさせてくれたりしました。
これはプラシーボ効果かもしれないと思い元に戻してみるとやはり元の状態に戻ります。そして再度整流板を装着するとやはり動きが違うのです。シトロエンで試した事はBMWでも同じように試しました。するとやはり明らかに似たような変化があるのです。それらの変化は数値として表しにくい変化ですが、ドライバーには気持ちの良い走りに変わったとはっきり感じさせてくるものでした。
何故そう感じるようになったのか、私は車体とタイヤの動きのバランスが良くなったからではないかと想像しています。現在の車は慣性力によって真っすぐ進みたい車体モノコックと内側に曲がりたいタイヤでは進みたい方向が一致しないアンバランスな状態のままカーブを曲がっていきます。
それが整流板によって生じる空気の流れによって車体を内側に移動させる力が作用するようになったことで、タイヤの進みたい方向と車体が進みたい方向の差が無くなりバランスが取れた状態で曲がれるようになったのではないかと想像しています。
そんな都合の良い話はあるわけないだろうと言われそうですが、いろいろ考えていくとそう考えることが一番自然なのです。
空気の流れを利用して車体を動かしたい方向に動かす力を加える。そのことを意識しながら整流板を取り付けることによって車の動きも望むように変化してくれました。
考えてみれば航空機は翼を流れる空気の力で浮き上がり、ヨットは帆に沿って流れる風の力で前に進む乗り物は身近にいっぱいあるのです。空気の流れというのは見えないので難しいのですが空気の流れには想像を超える力があります。車を動かすのはタイヤに伝わる駆動力だけだと考えられてきましたが、タイヤの駆動力+空気の流れによる反発力という出力側をハイブリッド化した車もあってもいいのではないかと思います。
整流板装着後の変化は偶然にもホイールハウスに整流板を取り付けたことで、タイヤが移動したい方向と空気の流れの力によって車体が移動したい方向のずれが無くなったことでバランスが取れた状態でカーブを曲がれるようになったと考えるのが一番自然です。
その自然な動きを経験してしまうと今まで遠心力に耐えながらタイヤの踏ん張りで曲がっていたのは何だったんだろうと思ってしまいます。今までの車はタイヤと車体の動きがアンバランスな状態で曲がることは仕方ないことだと考えられてきましたが、世間一般では上体と足元の動きをバランスさせながら曲がることは当たり前のことなのです。
整流板は車も実はこんなに気持ちよく曲がれる乗り物だったんだということを実感させてくれました。加速感にしてもあんなにひ弱なシトロエンC5が気持ちよい加速感を味合わせてくれるようになりました。遅いけど気持ちよい加速ってあるんだなあと思いました。
現在所有しているシトロエンC5とBMW130iはハンドリングも乗り心地も加速感も購入当時とは比べ物にならないくらい快適な車に変わっています。その変化はこれ以上何を望むのだろうと思えるくらい満足度が高いものでいまだに乗るたびにプリロードと整流板の効果はすごいなと感じさせてくれます。
次に試してみたいのはSUVとミニバンです。自分では所有していないので試すことはできませんが、プリロードと整流板を組み合わせれば、常にゆらゆらピッチングを繰り返しながら走るSUVやミニバンがいなくなり、カーブでも車高が高いことを感じさせない素直なコーナリングができる車になるはずです。そうなればSUVやミニバンの快適性はすごく高まり高級車らしい走りができるはずです。
空気の力で車体を動かすという考え方は車高が高い車の方が効率よく作用してくれるはずなのです。思い通りに変わってくれるのかとても興味深いところです。
整流板をどういう風に取り付けるのが一番いいのかまだまだ試行錯誤の状態ですが、ホイールハウス内の空気の流れを変えることによって、今までに経験したことのないような自然な感じで走れる車に変えることができることは間違いありません。
簡単に試せるプリロードと整流板
ゴムベルトを使ってサスペンションのばねを直接縮めるかトーションバーやリンクを引っ張り上げることでプリロードはかけられます。理想はダンパーの内部にプリロードをかけるばねを組み込むことです。現在リバウンドスプリングを組み込んだダンパーがありますがそのばねの長さを伸ばして常にばねの力が加わるようにするだけでいいのですが、・・・需要があれば簡単にできるはずです。
ホイールの内側に取り付ける整流板はブレーキキャリパーに干渉しないようにバランスよく取り付ける必要があるのでちょっと難易度が高いです。できればホイールをインチサイズアップしてブレーキキャリパーとホイールリムの隙間を広げてから取り付けることが望ましいですが一体物でホイールの内側に簡単にはめ込めるような整流板があればだれでも気軽に装着できるようになります。試すだけなら紙で簡単な型紙を作って整流板を取り付けることができます。

ホイールハウス内側に取り付ける整流板は取り付け位置によってその効果が大きく変わってきます。私の考えではホイールハウス内の空気の流れはタイヤトレッドの動きに空気が引きずられることによってタイヤトレッドの動きにそってホイールハウス内全体にその空気の流れが生じていると考えています。
これはYOUTUBEのドラッグレースの映像を見た時タイヤを空転させてバーニングさせた時のスモークがホイールハウス内に充満した後前ぽの隙間から溢れ出してくる様子を見て考えたことです。
現在はホイールハウス内の空気を後方に排出するという考えが主流ですがYOUTUBEの映像を見る限りホイールハウス内の空気に流れは違います。ホイールハウス内の空気の流れはホイールハウスカバー内側に沿って、タイヤの後方と上方と前方では、下から上、後から前、上から下とどんどん向きを変得ながらわっていきます。

空気に流れを内側に変えると整流板にはその反力が作用しますがホイールハウスの上側に整流板を取り付けると整流板は前方に押され、タイヤの前方に整流板を取り付けると整流板は下側に押されます。
タイヤの後方は整流板を上に押し上げる力が加わってしまうため流れを内側に変える整流板ではなく空気がタイヤのトレッドの動きに沿って流れやすくするタイヤの動きに沿う整流板を取り付けることが有効です。この後ろ側に取り付ける整流板は効果がなさそうですがあるとなしでは全然違いました。
車体の底面に取り付ける整流板は理想は横風を受けながら進むヨットの帆をイメージしてホイールハウスから内側に噴き出される空気の流れに沿ってその空気をマフラーが収まる中央の窪みに導くというものです。これもあるとなしでは全然違いました。
いろいろ試行錯誤しながら整流板を追加していった結果現在はホイールハウスと車体底面は整流板だらけになってしまいました。これが目に付くところにあったら醜いとしか言いようがありませんが、ホイールハウスの中と車体底面はのぞき込まなければ見えないのでやりたい放題です。
いっぱい整流板を取り付けたままユーザー車検を受けてきましたが、車体底面のチェックでも何も指摘されることなく無事合格できました。何か言われたらそこでむしり取るつもりでしたが、その必要はありませんでした。
ゴムベルトも装着したままでしたがこちらも何も指摘されませんでした。検査員の方がチェックしている様子を見ていると整流板に触って取れないかどうかを確かめていたのが確認できました。ということは整流板を装着すること自体は問題なく、取り付けさえしっかりしていれば車検は通るみたいです。
現在はプラスチックのアングル材を骨組みとして両面テープとアルミテープで覆って固定することにより整流板にしています。汚れを取らないで取り付けると簡単にはがれてしまいますが、硬い金属材料は使っていないので、外れても車体を傷つけたりタイヤに刺さってパンクさせたりする危険がないようにしています。


プリロードをかけるゴムベルトも引っ張りながら巻き付けた後、ゴムベルトの端と端通しを縛って固定しています。見た目は悪いのですが金属部品を使って固定するとゴムベルトが切れた時に固定していた金属部品がブレーキホースやタイヤを傷つける恐れがあるので金属部品で固定しないようにしています。
偶然見つけたプリロードと整流板ですがその効果は想像を超えるものです。空気の流れは複雑で難しいので効率よく整流板を取り付けるにはそれなりの経験とノウハウ必要になってきます。しかし、効率が悪ければ整流板の数を増やせばよいと考えることもできるので、どんな車でも試してみる価値は十分あると思います。
耐久性を無視すれば数千円の材料費だけで試すことができます。後はタイヤを取り恥ずる労力とホイールハウス内をクリーニングしてばねにゴムベルトを巻き付け整流板をホイールとホイールハウス内側に張り付けるだけです。
特にホイールハウス周辺の空気の流れを変える整流板には大きな可能性を感じています。そのノウハウはまだ道半ばという感じで確立されていません。しかしホイールハウスの空気の流れに興味を持つ人が情報を共有していけばそのノウハウも確立されていきます。
プリロードと整流板の最も大きな利点は車の外見にほとんど影響を与えないことです。見た目は何もしていないように見えて空力性能はすごい車に変えることができます。しかもその効果は走り出した瞬間からはっきり感じられるものなのです。
今まで試してきた詳しい内容は
http://spring3car.blogspot.jp/2017/03/164.htmlを見てください。
6月4日のミラフィオーリ2017に参加予定なので興味を持った方は是非シトロエンのホイールハウスを覗き込んでみてください。