今は「趣味=車」というのは封印中なんですが、以前はスバルの軽自動車プレオをいじって楽しんでいたんですよね。
当初はそのデザインに惚れたというか、軽自動車とは思えぬスペック(単なるスペックマニアなのかも…笑)に惚れたと言いますか…。
自分が乗っていたのはRSというアッパーグレードでしたが、これが意外に走るんで驚いたんですよね。
まあ、旧規格のアルトワークスとかミラターボ辺りと比べれば、全然遅かったと思うんですが、5ドアワゴンで屋根が高い、重量がそれらと比べ200キロくらい重いことを思えば、プレオの走行性能は優秀じゃなかったかと思いました。
ただ、自分のは初期型(A型)だったためか、煮詰めが上手くいっていないと思われる個所があり、そこは色々と試行錯誤しながら仕上げていったんですよね。
特にサスの硬さ、というか動きの渋さが気になりました。
工事した後に埋めた補修後のような小さなギャップを通過する際の小さい入力に対しての動きが悪く、大きな段差を通過する場合には必要以上にドカンと動く感じで、乗っていてあまり感心しません。
これはRSの足の味付けがこういうものなのか、初期型だからこうなのか・・・と思いを廻らせました。
こういう小さい入力に対し動かず、大きな入力に対しドカンと動いてしまうのは、ショックアブソーバー(ダンパー)のフリクションの大きさ、というか渋さによるものじゃないかと。
プレオに乗る以前は、スズキ車を3台乗り継いだのですが、それらはショックアブソーバーを替えていましたので、それなりに高性能なものを知っていたつもりだったので、プレオにもいいショックを付けたいと思うようになりました。
しかし、当時はプレオ用ショックのアフター品がほとんどなく、あっても車高調が2社程度出ていただけで、選択肢がありませんでした。
車高調にする気はさらさらなくて、純正スプリングを使えるショックで減衰調整があるものがあれば・・・と考えてました。
ヴィヴィオの時にはスポーツパーツをリリースしていたSTIが、そのうちにプレオ用も出すだろうとしばらく静観してたんですが、いつになってもその気配がなく、しびれを切らして問い合わせてみるとプレオ用スポーツパーツを出す計画はないとの回答が。
そこで仕方なく、プレオ純正オプションにあった「スポーツサスペンション」という約20ミリ車高が下がるショック&スプリングのセットを試してみたのです。
これ、それまで付いていたサスよりも数段動きが良く、これを標準装備にしてもいいんじゃないかと思うくらい。
とりあえず、最初に感じた不満はそこそこ解決しました。
しかしそれも長くは続かず、1年程度乗ると最初の悪い動きっぽさが出始め、不満がつのることに。
そこで、もっと動きがスムーズで、好みの減衰に調整できるものがないかと模索しはじめたのでした。
ちょうどその頃、KYBからプレオ用NEW-SRスペシャルとローファースポーツが発売になりました。それなら今よりもいいかな・・・と思ったのですが、減衰調整がないのが不満というか不安でした。
自分が求めている性能(味付け)なのかどうかを調べる方法がないので、怖くて導入する気になりませんでした。
そうしているウチに、某有名サスペンションメーカーがプレオ用車高調が出るのではとの話が出ました。車高調には興味なかったのもの、減衰調整が付くらしい(他車用には付いていた)との噂に、ちょっと期待したのですが、結局発売されずに・・・。
そういうショックアブソーバーに関して不満を、スズキ車のときにお世話になっていたショップ「コスミックガレージ」の社長に話したところ、オーリンズならワンオフで希望するスペックのものが作れるとの話が。
その時はオーリンズについてあまり知らなかったのですが、ラリーやレースの世界、そして2輪では有名なショックアブソーバーメーカーだとわかりました。
オーリンズ製ショックアブソーバーのスペックは、倒立式で減衰力調整は20段。それにCリング式車高調整ができます(ネジ式ほど細かく調整はできませんが)。このスペックはまさに願ったりの内容でした。
こ素晴らしいのショックアブソーバーをワンオフで作れる条件はひとつ。採寸するベースのショックを用意できるか。それと費用ですね。約20万円ほどかかると聞いて、とても手が出ないと思いました。
しかし、頭の片隅に「オーリンズ」「20万円」が常にあり、いつかは実現してやると思っていました。
そうこうしているうちに、ネットで知り合ったプレオ仲間が不要な純正ショックが1台分持っていると。これはオーリンズショックの製作を依頼できるチャンスかも・・・と思い、彼に譲ってもらうことを交渉。そしてOKが出て、静岡まで取りに行った次第。
その帰りにそのままコスミックガレージさんに直行し、プレオ用ショックの製作を頼んでしまったのです。
この時は製作費用20万円のことは、完全にどうでも良くなってました。なんとか払えるだろうと(笑)
それから1ヶ月弱、完成したというので取り付けに。
そして無事にオーリンズ製ショックアブソーバーが我がプレオに取り付けられ、道路を走り出しすぐに驚きの連続に見舞われました。
今までの足では路面のギャップを忠実に広い、ガタンゴトンと衝撃をモロに体に伝わってきたのですが、それが大幅に減少してたのです。
その後、首都高にテスト走行に行ったのですが、路面の継ぎ目通過時の突き上げが「ドタン!」と来たのが「タン!」くらいになったのです。
それくらい乗り心地が良くなったのにかかわらず、コーナーでのロールスピードが緩やかになり、走りが数段気持ちよくなったのです。
さすがはオーリンズ、さすがは20万円(笑)
その他にもシートをサポート性の優れるもの(GC8インプレッサのものを流用)に交換したり、ステアリングスイッチでしか操作できないスポーツシフトをシフトレバー式で操作できるように改造したりと、あれやこれや手を入れた次第でした。
その集大成を見るために、無謀とは思いましたがサーキットを走りたいと思い、筑波TC1000の某走行会に参加。
その時の画像がこれです↓
RX-7を見事抑えているように見えますが、向こうはラップタイムが10秒は速いんで、この直後にブチ抜かれるわけです(笑)
その後、家庭の都合で車趣味は封印せざるを得ず、今は通称“家政婦”と呼んでいるダイハツ・タント(L350S)を所有するのみとなっている次第。
“家政婦”と呼ぶだけに、主な用途は足がやや不自由な両親を運ぶ…いや乗せるためで、通院や買い物の足代わりといったところでしょうか。
走行性能はプレオに遠く及びません(NAですし)が、意外とよく走ります。
無駄に広い室内、低いフロアなど、“家政婦”として使うにはベターな選択だったと自負しております。