• プロフィール2に写真を追加してください。
  • プロフィール3に写真を追加してください。
 イタリア自動車雑貨店公認ログ

太田氏が書くエッセイ「FromItaly」のログをこちらに残して行きます。

お楽しみに!
witten by イタリア自動車雑貨店
世界中
うんうんする
2


 久し振りにクルマで箱根を目指した。夜明け直後の早朝、自宅から首都高用賀インター、そこから東名を使って厚木に向かう。途中、海老名サービスエリアでカレーパンとクリームパンという我ながら妙な取り合わせの朝食を摂った。子供のころから大好物なのだ。両方とも美味しかったけど、それにしてもサービスエリアがあまりにも美しくなったことにはビックリした。今ってこんななんだ。高速のサービスエリアなんて何年振りだろうか。

 厚木からは小田原厚木道路を行く。かつて自動車雑誌『NAVI』在職時代、ここでは頻繁に覆面パトカーと遭遇したものだ。超安全運転のトヨタプレミオの後ろで自制する。飛ばさなくたって運転が楽しいと思えるようになったのはやっぱり年のせいか。いや、運転が本当に楽しい。重いクラッチ、硬いギアシフト、そして狭い車内に満ちるエンジン音やギアノイズ、そのそれぞれが自動車を操る原初的な歓びを再確認させてくれる。6段マニュアルミッションなんてもはや前世紀の遺物みたいなものかもしれないけど、今日連れ出してきた僕のとっておきの秘密兵器にはこれが似合う。

 ウェブでチェックしてきた芦ノ湖近くのレストランで早めの昼食、そして渋滞を避けるためにすぐに東京に戻る、というのがその日の計画だった。早朝出発の甲斐あって、予想した通り午前8時前には芦ノ湖に到着してしまった。そのまま仙石原方面、そしてさらに山中湖を目指すことにした。ワインディングではリアがブレークするのが怖くて、自分の腕ではそこそこのペースに抑えざるをえなかったけど、それでもインにスパッと切れ込んでいくコーナリングマナーには胸のすく思いがした。運転が楽しい。ハンドルを握りながら、クルマっていいなぁとつくづく思う。

 そう、僕にはクルマのない生活なんて考えられない。今よりもうちょっと元気だった頃、真夜中近くに終わるイタ雑の仕事帰りに、小遣いを削って借りた納屋みたいなボロガレージに閉じこもってひとり、ただそこにあるクルマを眺めていたことがよくあった。運転しなくてもクルマは楽しいものなのだ。眺めて、ちょっと触って、磨いて、洗って、あそこをこうしてああしてと夢想して、そしてまたただぼんやり眺めてと、クルマが傍にある生活というのはこんなにも楽しい。ダメなクルマに少しずつ手を入れて、それを自分が思う完璧な状態に仕上げていく過程の、その時間のなんと幸せなことだろう。

 ハイブリットのクルマや電気自動車がマーケットシェアを広げ、そこにはまた別の自動車趣味みたいなものが生まれるのかもしれないけど、僕はまだ当分この原初的な歓びに満ちた旧世代のクルマとの生活に、それにピリオドを打つことは出来そうもない。何と格闘するのを想定して作られたのかはわからないけれど、まあとりあえずは「戦うクルマ」と称されるやる気満々の1台、我がラストサムライに慰撫される日々はまだもう少し続いていきそうだ。そうそう、山中湖から戻って入った芦ノ湖畔のレストランで食べたピザ、いつもトリノで食べてるのと結構近くて望外に美味しかった。ただしエスプレッソは、ちょっと雑味ありかなで70点。でもGOODでした。ごちそうさま。

 

イタリア自動車雑貨店 太田一義
 



Link


アーカイブ
2024年4月
1
赤口
2
先勝
3
友引
4
先負
5
仏滅
6
大安
7
赤口
8
先勝
9
先負
10
仏滅
11
大安
12
赤口
13
先勝
14
友引
15
先負
16
仏滅
17
大安
18
赤口
19
先勝
20
友引
21
先負
22
仏滅
23
大安
24
赤口
25
先勝
26
友引
27
先負
28
仏滅
29
大安
30
赤口
記事検索
検索語句
プロフィール
イタリア自動車雑貨店
イタリア自動車雑貨店
イタリア自動車雑貨店公認のアカウントです。代表 太田氏の書く「FromItaly」を編集部の方で転載させていただきます。 イタリア自動車雑貨店
その他機能
RSS 2.0 Feed
ゲストブック
ブラウザのお気に入りに追加

 
ブログ購読
このブログが更新されたらメールが届きます。
メールアドレスを入力してください。
AD
1DAY 1CLICK 活動