ボクは今別のカーサイトにて寄稿をしているのですが、中には途中まで用意しておきながら止めてしまったものもあります。それは自分の中で勧めている最中に時期を逸してしまったものや出す場所が違うのではと思ったモノ、中には裏話や社外秘なのでチョッと・・・と途中でストップがかかったものなんかもあったりなかったり。
そん中個人のブロクならと思い出すものがコレ、半年前にしたBMWi3の試乗。FBには出していませんがこちらは車のブログということもあって出しました。
i3試乗記
少し前土曜の昼前のことだ昼過ぎにイラストの納品を控えて梱包をしてPCを眺めながら一服していると不意に自宅の電話が鳴り響いた。ボクは普段自宅の電話はFAXとしてしか期待していない多くの方が今は携帯のほうへかけてくることが多いからだ。それゆえに家電へかけてくる場合は大抵家人もしくは妙なセールスである場合が多い。
しかし受話器の向こうからは「BMWでございます」であった。かなり以前に書いたアンケートから試乗の連絡をしてきたとのことだ。なんとも義理堅いはなしだが状況が飲み込めない、いきおいどこか生返事に答えているとだんだん状況が理解できる頃にはもう今行くから用意してといった勢いに変わっていた。
納品を終えてその足で駆けつけるとどことなくユーモラスなスタイルのそれは店舗脇の駐車場に停まっていたそれは今までの車の概念とはかなりかけ離れたものだといえる。大きなシティコミューターとでもいえばいいのかハッチバックスタイルでありながらボンネットは極めて短く車高もミニバンほどではないにしろ普通のセダンに比べれば高い。なによりもグリップの関係からワイドになりすぎたといっていいくらい太いタイヤが並ぶなかにあってそれは異様なまでに細く見える。簡単な説明を受けて走り出すとすぐに回生ブレーキの洗礼を受け、惰性で進むということをほとんど許さずにアクセルを抜いた瞬間から停まろうとする。走行する上でEg車ともっとも違う点はここだろう。実際走行中でもかなり高速で走っていてもそれ相応の車間距離(ここでは大体普通に走行中にあけている車間で考えてほしい)さえあけていればペダルブレーキはほとんど使うことなく街中を走れてしまう。加速もこのクラスの大きさの車ではかなり速い部類に入るだろう。実際今所有している106S16よりも加速ははるかによく思えた。残念なことに車体を左右に振るような走り方は出来ない状況だったため(土曜の15時では道がね・・・)ハンドリングこそたしかめられなかったがそれでも重さや切ったときの感触にはそれなりの手ごたえが感じられた。
そもそも車体形状を考えれば振り回して遊ぶ車ではないのは理解できるだろう。それでも手ごたえが感じられるのはバイワイヤ化せずにロッドで操作しあくまでもパワーアシストをするといった構造のせいかもしれない。実際BMWはこの車を世に送り出すまでにさまざまな試みを行ってきている。以前に先行でユーザーに貸し出していたe-miniというクルマもそのひとつだった。しかしminiではそのまま市販化することは難しいという結論に至り採用はされなかった。知らなかったのだがe-miniは2シーターで後席はモーターやバッテリーの関係で潰されていたらしい。ラゲッジスペースも当然潰されているはずでそうなれば確かに実用性としては難しかっただろう。i3でさえ荷室は不足こそ無いかもしれないがお世辞にも広いとはいえない。実用性を考えた結果それらも淘汰されて現在に至っている。
航続距離やスペックなどそれらは同様のE-モビルと見比べてもお世辞にも突出しているとも思えないがカタログスペックにのみ特化した数字を出さないところがBMWらしいところでありすべての数字が日常的に使う状態で出した数字が故である。i3は航続距離が概ね120kmもあればいい方であるがそれらは普通に1日に移動する距離から算出している。つまり街中を走るのであればそれで必要十分として数字に出している。その気になればもう少しスペック上は出せるのであろうがそれはエアコンも何も使わずそうしたバッテリーを消費しないようにした走りの上でしかない。それではとても実用といえないから出していないわけである。つまり120kmというのはACを効かせオーディオを聞きながら快適に走ってそれだけですよということだ。もちろん自分はそんなに短距離は走らないし1日に200kmは走るという方もいるかもしれない。それでも最近はインフラもかなり整いつつあり実際試乗中にも充電場所の表示はナビ上にかなりされていた。その中で気になったのがコンビニにもう充電システムが設置されていた点だ。同乗のディーラーマンの話によればファミリーマートなどが最近特に力を入れて設置を行っている様子、補助金等が設置に対して出ている今のうちに少しでも増やしていくようにしているという。100km前後ドライブをして30分の休憩を挟んで再びドライブ、そして目的地で時間をすごして再び帰路へ。そう考えればある程度のロングドライブも今までとそう変わらなくなりつつあるのではないか。
短い試乗時間でしかないがBMWi3は確かに現代のノイエクラッセを感じさせてくれた。
インパネは常に消費電力の大きさと回生ブレーキによる充電状況を知らせてくれる。本当にわずかにアクセルを話した瞬間にも充電がされている。
ウィンカーは2段階になっていて1段目は3点滅だけして止まるいわば車線変更用もう一段強く倒すと普通のウインカーと同じように右左折によってリリースされる。
ナビが標準でついているがオーディオらしきものは見当たらないBluetoothによって手持ちのiphone等からリンクできるそうだ。フルカーボンのボディといいあらゆる面で従来の車ではあまり使われていない素材や機構興味を持った方は一度ディーラーに足を向けてはいかがだろう。
余談だけれどこのときに聞いた話でアイサイトのような自動ブレーキが不具合からぶつかった場合は責任の所在がはたしてどこにあるのか判らなくなるという懸念をボクが持っているという話をしたら、BMWにも国産に搭載されているような自動アシストブレーキは付いている(付けられる)らしいというが、完全に止まることはないという。「最後は自分の足で止めないとぶつかりますね」との言葉にいかにもBMWらしさを感じた。