前回の鼻歌による音痴なイントロみたいな第1回目じゃなくて、本格的な最初のコラムは何をネタにしようかなぁ……なんてウカウカしながら考えてるうちに、デビューしちゃったじゃん!
いや、予想はしてた。というか、知ってた。これぞ業務上役得。でも、ちょっとだけ、だ。ディテールまではもちろん掴んではいなかったし、シチュエーションがシチュエーションだったからアレがナニで……(ゴニョゴニョ)……だったからさー。
……え? あ。いや、ひとりで興奮して申し訳ない。意味不明な発言もお許しいただきたい。そこは今の段階ではクチにすることが憚られるので、この3月26日に発売される『ROSSO』誌で確認していただけるとウレシイ。原稿を書かせてもらうから。たぶん。
で、いったい何をこうも興奮してるのかといえば……まずはこの動画を視てちょーだいませ。
で、それから下の写真を見てちょーだいませ。上の動画が明確な意志を持ってコッソリと予告していたのは、このクルマのデビューだったのだよねー。
そう、アストンマーティンDB11。2003年からこっち、アストンのラインナップの中心的なモデルとして、アストンの世界観を世に伝え続けてきたDB9の後継となるモデルだ。当然ながらアストンの代名詞ともいうべきV型12気筒エンジンを搭載してるわけで、動画は「このエンジンを載せてDB11をもうじきデビューさせるから、楽しみにしてて」というメッセージだったというわけ。
いやー、カッコイイ。超カッコイイ。実物、シビレるから。間違いなく。クラシックでありモダンでもある、もはやアストンマーティンの独壇場ともいえるエレガンス。予告されていたとおり、『007 SPECTER』で僕達を唸らせてくれたDB10や24台しか作られない随の随みたいなヴァルカンに見ることができた、新しいライン構成や面構成、それにディテール。アストンマーティンらしいスタイリングデザイン上の黄金比はしっかりとキープされていて、溜息が出ちゃうぐらい美しい。観察するより何より、見惚れちゃったぐらいだからねぇ……。しかも、今の超高性能スポーツカーでは絶対に無視することができないエアロダイナミクスの追求も、GTウイングとかそういう方法に手を伸ばすことなく、だけどちゃんとやってたりする。
インテリアも、御覧のとおり。派手さとは無縁なんだけど、どこかほんのりと華やかで、ここに収ることができたら、間違いなく夢見心地。デザインそのものは変わってるのだけど、そういうところはちゃんと継承されてるのだねぇ。
んーでもって、上の動画のV12でしょー。アストンのV12は以前からターボ化が噂されていて、ファンの間には「えー! あの世界一美しいアストンV12サウンドがなくなっちゃうわけ?」と拒絶に近い反応をしてた人も少なくないんだけど、ダウンサイジング系(というわりには5.2リッターもあるけど)ターボとは思えないぐらいの、気持ちが震えるような快音でしょ? 前にアンディ・パーマーCEOとお話ししたとき、彼は「心配は要らないよ」みたいなことをおっしゃってたけど、全くそのとおりだった、っていうわけ。
ちなみにパワーとトルクは608ps/6500rpmと700Nm(71.4kgm)/1500〜5000rpm。個人的には700psとか750psとかまで引き上げようとすればできるのにやらない、抑えの効いたレベルに収められてることに、とっても安堵しちゃった。これまでの自然吸気V12もそうだったけど、パワーウォーズに加担することなんかより、自分達の持ち味を磨き抜くことをずっと選択し続けてる、っていうことだからね。きっと最高に気持ちいいエンジンに仕上がってるのだろうなぁ……って思う。
プラットフォームは新設計だし、サスペンションも当然ながら新設計だし、しかもトルクベクタリング・システムまで備わって……なんて、手に入れた資料を見れば見るほど「早く乗りてー!」っていう気持ちが膨らんじゃう。楽しみで楽しみで、妄想が暴走はじめて、抑えるために……飲みはじめちゃった。
ホントは“今いちばん面白いスポーツカー・ブランドってアストンなんだよねー。なぜならば……”っていうところまで話を持っていこうと思ってたんだけど、もう飲んじゃったからなー。いや、だって、飲まずにはいられないでしょ。嬉しくて。
ってなわけなので、そっちの方は、また次回。何日か後にね。……たぶん。
追伸:あ。こんな動画も公開されちゃった。見て見て見て見て。DB11のこと、もうちょっとよく解るから。