「スウィンギン・ロンドン50's60'」という
世界をリードした1960年代ロンドンの若者文化に注目した
公立の美術館ではありえない展覧会に足を運ぶ。
何がって絵画らしきものが1枚も展示されていない。
その代わり
1959年5月4日に世界で最初に生まれたミニの3台の試作車のうち1台がコレ。
といっても1台はクラッシュテストで失われ、1台は改造されて原型をとどめた唯一の1台だそうだ。
正式名はオースチンセブンA-A257/103というらしい。
このクルマ何故か地元のショップで保存されていたのを借りてきたとのこと。
いやぁ、コアなことこの上ない。
展示会場風景の一部。
バックパネルのクルマは何?ロータスのエンブレムが付いてたけど。
こちらはおなじみのベスパ。
ややもっさり感のある丸みをだけど、当時の技術の限界だったそうな。
でも個人的には味があって良いなと思う。
ちなみに、このデザイナーはそれまでヘリコプターをデザインしてたんだって。
こちらのスクーターは何とベルトーネによるデザイン。
イタリア名「ルイ」国外では「ヴェガ」「コメータ」と呼ばれてたみたい。
会期中にワークショップも行われていて
イタルデザインでジウジアーロと10余年にわたって
ランボルギーニなどの開発に関わった石井明さんという方が講師だったそうだ。
う〜ん、行きたかった。
学芸員さんから聞いた話なんだけど
アメリカのカーデザインは自由なドローイングから開発が始まるのに対して
イタルデザインではエンジンとタイヤの位置関係を想定してからドローイングにかかるそうだ。
このワークショップでもその手法を用いてタイヤとホイールはできあいのもの、
そしてエンジンの設計図を下図にしたらしい。
この手法だと素人のドローイングでもそれなりのカーデザインが出来上がるしくみ。
さらにこれだとプロが書いた後そのまま設計にまわせるそうだ。
結構システマチックなデザイン手法だったのに感動。
何ともカーデザインの勉強になった1日だった。