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 メインブログは同名でFCにて更新して居ますが,大切にしたいのであんまり更新は頻発しません。携帯のメインはもうすぐカーくるに為りそうです。
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 「警視211から警視庁,本所。指令100867の緑4丁目付近での揉め事,一旦,江東橋PBPMにて所轄聴取とします。尚,現在は当事者同士は強制的に引き離して居る状態ですので,出来れば本所宛てマル援掛かりたい。どうぞ。」
 「了解。えー尚,警視211宛て,当人柄はそちらで事情等思い当たり,ありませんか?」
 「えー了解。えー警視211から。先送信結果からも柄当てありませんし,特段,問題ある様には思いません。ぱっとした感じ,捜検でも凶器等の問題は見付かりませんでしたので。」
 「警視庁了解。」
 「本所4から本所。指令100867,4丁目交差点付近のけんか揉め事,マル援対応に為ります。どうぞ。」
 「本所2から本所。江東橋PBの件に対応致します。現在,京葉道路江東橋郵便局付近,間も無く現場至近です。どうぞ。」
 「本所から緑4丁目交差点付近の100867マル援中の本署隊及びPB宛て。本所了解。えー尚,自らさん,警らに戻って貰って結構ですので。どうぞ。」
 「本所さん,恐れ入ります。警視庁宛て,警視211,所轄に引き継ぎ,これより見回りに戻ります。どうぞ。」
 「警視211,警視庁了解。」

 警視庁の千代田区庁舎の指令当直責任者はパソコンの集中画面を見ながら課全体の通話を同時に聞いて居た。当直責任者は経験則から課員が見落としがち,聞き落としがちの通話を聞きながら重大事案を見付け出したり,複数の目撃者や当事者からの重複した通報を処理し,無線連絡や通報受け付けに出来るだけ支障が無い様に心掛けなければいけないのである。
 最近,警視庁の地域部に20世紀からやって来た忍込と言う巡査部長が管内の本州の各所で見掛けられて居た。照会通話は一日250件を超える事もあり,これまで事案が余り覚知しなかった地点でも検挙数はたちまち増加した。
 毎日同じ仕事を任される訳では無いが,コールサインが変わっても指導警察官の忍込が通話してくればすぐにぴんと来た。普通の自ら隊や遊撃隊の現職も照会で手配が無い位では引き下がらず,気に為ったからには持ち物を改めるがベテランの現職も見落とす様な所も,まさに広域隊のマニュアル通りに完璧にし,更に突っ込みを掛けて今しがたやったと言う殺人事案を聞き出した事もある。
 「警視211から警視庁ー。」
 「警視211,どうぞ。」
 部下の指令巡査長が答えた。
 「自動車の臨時運行番号を調べたい。どうぞ。」
 そら,来たと思った。レシーバーで聞き覚えがある巡査部長の声がした。
 「了解。送信願います。どうぞ。」
 「長崎45〇8,車種にあってはホンダの軽四バモス,色シルバーに為ります,どうぞ」
 巡査長が捜査を始めた。レシーバーに手をあてがった。
 「えー,長崎市所在,スーパーニュークと言う販売業者から蔵品届けあります。店舗先にて装着状態で被害該当1,長崎県長崎署で受けたとの事です。尚,関係者名簿,小泉金◯が所有者ですが,現認車の柄改め可能でしょうか?どうぞ。」
 「警視211,えー了解。深川管内,白河(しらかわ)3丁目交差点内,柄は現認から清洲橋の西進車線側のマツモトキヨシの隣のコンビニに入りました。家族らしい5人乗車。どうぞ。」
 レシーバーの底から赤灯の音が聞こえた。パソコンの画面を見ると遊撃隊のパトカーだと分かった。地図画面上で自ら隊のパトカーと交錯した。
 「遊撃5から警視庁宛て。只今の無線から警視211PMと接触,これより店舗内確認。マル援,確実に御願いしたい。どうぞ。」
 当直責任者が無線に割って横入りした。緊急の通話呼び出し音を操作した。
 屁の様な音とひよこの鳴き声を引き伸ばして長くした様な音だ。
 「警視庁から深川管内,白河3丁目交差点,直近番地,江東区白河3-4-3にて蔵品疑惑の該車両発見,至近に関係者所在の為,これより,深川,城東に配備指令,他白河付近,もしくは可能な車両は迷わずこちらに向けられたい。念押し,関係柄はマル被の可能性あり,あらゆる犯罪物証を見逃さない様,身体の改めを御願いしたい。こちら,筆頭,深川,どうぞ。」
 
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 四谷警察署の四谷2号車が第2自動車警ら隊の応援の為,緊急走行で先現場から程近い四谷3丁目交差点付近に着いた。普通,所轄や自ら隊等広域の車両はまず緊急走行しないが,事案が急であれば逆に関係所属車は全て緊急走行と言う事があり,今回は正に急な現場だった。
 ついでに場所柄,何度緊急で応援に行かなければいけなくても,回数は全く関係無い。こうした警視庁の手配態勢は省庁,外国大使館,繁華街がひしめく都心ならではだ。
 署員が交差点の北側の北進車線に停められた第2自動車警ら隊の警視206号車に目をやった。自ら隊パトカーの傍らには指導警察官の後輩の巡査部長が立って居た。窓から無線機を掴んだまま交差点付近の指導警察官の表情を確認して居た。合図があれば,警視庁の通信指令に宛て,照会調べ要請や応援の緊急送信をする。
 四谷警察署の所轄警察官は自分も,以前,第2自動車警ら隊に勤務して居たのでやり取りの真相が分かった。
 周囲には応援要請を聞き付け,刑事部の第2機動捜査隊や他の四谷署員,交番警察官らが徒歩や自転車で駆け付けて居た。第2機動捜査隊の捜査車両の付近に被疑者が立ち尽くし,身体捜検されて居た。
 指導警察官が再び交差点付近に目をやったのは,警察官が集まりはじめてからだ。無線があった頃には既にたまたま通り掛かった警察官らが身柄を引き止めて居た様だ。
 元自ら隊の署員は若手の巡査長を連れて指導警察官に歩み寄って行った。まだ巡査長は現場経験が浅いので,先輩署員は職質の立ち回りを教えたかった。
 「ああやって,歩行者,軽車両のチャリ,車の動きをじぃーと見詰めんだよ。そうすんとよ,ばぁーと言ってみれば漫然とした流れの中で異様な違和感のあるっつー様な奴を引き止めるんだ」
 元自ら隊員は指導警察官を眺めさせながら言った。
 「実際,声掛ける内,10台10人居てどのくらい見付かるんですか?」
 巡査長は訊いた。
 「10人中,9人位だろう。しかも全部当たりで」
 「後は見過ごさざるを得ないと?」
 「そうだ」
 先輩署員は頷いた。
 「だから,絶対何かあるとふんだら口で声掛けるより,手だ,歩行だ,が先に出る位じゃ無いといけない。機捜はともかく,地域の広域やうちら所轄に声を掛けられるとすれば,本物じゃ無いにしても悪い事をして無い奴なんて一握りも居ない位だよ」
 「本物っていち手配(全国手配)とかですか?」
 署員は頷いた。
 「逆に言えば完璧に法律守るには悪い事も知らなければ出来ないつー事だね。勿論,被疑者に為っちゃいけねーがよ」
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