「123から警視241。原付二輪利用,多治見市上野のう48*,ぞうともいずれも該当無し。どうぞ。」
「恐れ入ります。ありがとうございました。以上,警視241。」
「遊撃5から123?」
「遊撃5どうぞ。」
「原付二輪利用の多治見市上野のう...。」
「何なんだよ。原付,ずっと近いとこばっかで呼び出されてる。」忍込は呟くように言うと相勤に最後に呼び出されていた場所に車を向かわせた。
忍込達もすぐ近くを車で走っていた。住宅街の十字路を左折すると,住宅街のど真ん中で遊撃5号車に呼び止められて居た。
「動くんじゃ無いぞー?取り敢えず執行猶予とか柄手配とか言うんじゃ無いな?」
遊撃の警察官が問い詰めて居た。気配を察した自ら隊の人達が,続々と集まり出していた。
運転手を遊撃の車に乗せると,遊撃の相勤と忍込は原付車体を目視で確認し始めた。
「おい!その人呼び出してくれる?」忍込が言った。
叫び声で現場の警察官たちの注意がそそがれた。
不審な運転手はのろのろとやって来た
。
「これ,ナンバーはびかもんだけどさ,車体側触ってるだろ?」
運転手は黙って居た。
「黙っていても仕舞いには調べあげれば分かるんだぞ?」「何か悪い事企んでるから二個するわけ?」
警察官達が間を与えまいと質問を繰り出す。
「ひったくりとかやるためにしてるわけ?」
忍込が質問しても不審な運転手は答えなかった。
「取り敢えずさ,違反の可能性が強いからさ,あと,車体が本来はどこ登録なのかも照会掛けるからさ。」
運転手を遊撃5号車まで付き添った忍込にも何も答えなかった。遊撃の車と原付を積み込まれたトラックは住宅街の中で曲がり,管内の警察署へ向かった。現場は間も無く静寂を取り戻した。
「123から警視200。自動車利用照会,ナンバー春日部580日本のに823#*。軽四乗用,本年平成26年3月2日,二交機交通違反現認車両。中央管内で失尾。どうぞ。」
「了解しましたー。運転手女性から現在から晩掛け。以上警視200。」
「えー尚,簡易鑑定係願いたい。そっち系の顔を呈してますので。場所は池袋管内の要町通りの西池袋一丁目付近のセブンイレブン付近の山手線ガードです。どうぞ。」
「警視庁傍受。警視201,警視210,警察署前信号から緊急願いたい。他,池袋及び遊撃車可能からどうぞ。」
「5交機31から警視庁。池袋本署付近から警視200関係ーマル援したい。どうぞ。」
「5交機31ー,了解した。えー二自ら現認によればかなり複雑な扱いと予想されますので,突発事案未然抑止,発生にあっては至急にて警視庁並びに本隊,池袋向けへ無線働き掛けよろしくお願いしたい。どうぞ。」
「5交機31了解。以上5交機31。」
「御客さん,この前さ,交通違反してない?」
クルーの警視200から降り立った忍込は初老の主婦らしい女に話し掛けた。
「取り敢えず物があるもんだからね,エンジンキー警察官に渡して貰える?」
「も...物って何が。」
「蒲田の方で白バイがあなたを追っ掛けたけど見失ったっつーんだよ。でさ,今池袋の方の白バイが向かってるんだけども。」
主婦は一瞬真っ青な顔をしたが,すいませんと謝罪した。忍込は思った通りの反応だと思った。
第5交通機動隊が到着し,今後,第2交通機動隊に出頭するよう指導した。女がそれを終えて忍込達にキーを返してくれと言ってきた。
「そんじゃこっから別の職務質問なんですけど,車内見して貰ったり持ち物の確認いいですか?」
「なんで。」
「え?見せない気?」
「女の人呼んだらやらしてくれるかい。」
別の二自らの巡査部長が言った。女は頷いた。
「紙持ってくんか。顔でろでろだもんな。」二自らは忍込巡査部長を見ながら呟いた。忍込は女に再び近付いて話し掛けた。
「直球で言うけどさ,これから裁判所行って紙貰って来んけどさ。意味は分かるかい。」
「粉って事?」
「分かってんならすっとやってうち帰ろうや。」
女はようやく同意した。
32720141942,3282014442,3282014942,3292014744