被疑者逮捕は,初動から始まる。所轄署と地域部,そして首都高では地域警察でもある高速隊による職務質問から始まる。
機動捜査隊も例外では無いが,機捜は殆どは特定の要注意人物を徹底的に突っ込むので,やはり初動は地域と高速隊に掛かって居る。
その職務質問はまず,逃げられない様に素早く見える範囲の証拠を洗い,後日,生活安全課等の捜査によって被疑者を逮捕出来る様にする。テレビなどの現行犯逮捕は別件逮捕は別としてなかなか無い。
大抵,神様は一瞬いちべつしただけで事件の結末は見えるが,区検への手続きがとても大変であるところは現場の泣き所である。現行犯逮捕が少ない事は,不謹慎ながら多忙の中のほんの気休めになる。
因みに区検は簡易検察庁と言うべきもので,凶悪であれば地検に手続きするのだ。
被疑者に逃げられない様にするために,まずは警視庁母屋の照会担当を無線で呼び出し,指名手配らしい者の使用する,自動車,自動二輪車のナンバーや身分証を謳う。
照会担当に呼び出した無線は,母屋の管内の都内全域に鳴り響く。ベテランになると何気無く無線に耳をそばたたせ,逃走犯を追い掛ける同僚の警察官の援護に駆け付ける。
所轄署は,24時間体制の時は地域が交通事故を取り扱うような事もあり,担当外の事案を処理するのでどうしても専らに職務質問するのが体力的に大変だ。集中力には限界があり,眠気もある。
そこに担当外の事案処理と言うのは,平日の昼間と違って難しいのだ。
そうなると,自ら隊か地域総務課の当直頼みになってしまう。自ら隊が交通事故の初動に駆け付ける事もあるが,幸い,都内は多摩も含め,とりあえずは所轄署単独で対処出来るし,むしろ職務質問の経験則が豊富な署員も少ないながら居るところが大規模警察本部の警視庁の強味だ。
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