このところの太陽の勢いは凄まじい強さをみせつけていて その強烈な日差しを受ける全てのものを
ドロドロに溶かそうかとしているかの如く 熱波を浴びせ続けています。
そんな日差しから隠れるようにして逃げ込んだ先は益子の街並みを臨む山の一角
鬱蒼と生い茂った森の中に位置する陶芸の里 陶芸メッセ・益子。
今ここに咲いているのは夏の季節になると思い出す花のひとつ山百合。
過去 夏休みに涼を求めて東北の渓流に岩魚・山女魚を追い求めて分け入った山道の傍らには
大輪の花が目を引く中にも凛とした気品と佇まいをしっかりと見せてくれる山百合。
派手な見た目に加えて鼻腔の奥深くに届く強い芳香を放ちながら見る者を惑わす麗しい花。
頂上へ続く道沿いの日陰に開く山百合を眺めながらゆっくりと歩みを進めていきます。
花に目を落として眺めてみると 既に受粉を終えて最後の輝きを放つ個体とは対照的に
やっと開花したばかりのフレッシュな花弁には頬を薄紅に染めた乙女のような色合いが見て取れ
精一杯受粉のために色香を振りまいて虫達を誘惑し続けているよう。
そんな山百合達の姿をのんびりとカメラに収めながら坂道を登ってきましたが
やがて到着した山頂で待ち受けてくれたのは 突然変異と見られる無数の花や蕾をつけた一株。
通常発芽から開花まで5年以上を有し 1年に1輪づつ花を増やすのが一般的な生育状況で
株が古ければ古いほど多花になるようですが この株には合計90輪もの花が咲く見込み。
ふと目をやった梢の先に止まる蜻蛉も
暑い夏の日 巷の喧騒から逃れ山百合の咲くひっそりと涼しげな山の中に避暑しに来たみたいです。
それではっ!