「10交機12から警視庁及び123係。」
「10交機12どうぞ。」
「高島平管内赤塚新町,川越の254を,えー,埼玉方向の車線上にて処理中ですが,処理困難中に付きマル援処置願いたい。尚,自動車利用,ナンバーは品川300世界のせ501*,白色のハイエースです。どうぞ。」
「警視庁了解。」「123係了解。」
丁度忍込達はツタヤから北に向かって居た。無線が響いたのはそのときだった。
「警視庁から高島平管内,10交機,交通違反処理困難中に付き,国道254号の赤塚新町埼玉方向への集中運用の警戒を発令する。」
クラウンセダンのエンジンが唸り,ツタヤから北に向かった。
「高島平,光が丘,出動車向かえ。直近,警視259,赤塚新町三丁目信号から現場へ願いたい。警視259の後に高島平,光が丘宛て,PS,更に出動車可能から警視庁に一報せよ。259,どうぞ。」
「警視259は,これより同地より埼玉方向,どうぞ。」
「警視庁了解。」「高島平,マル援了解。」「光が丘,マル援了解。」
「高島平6,赤塚小前信号から,どうぞ。」
警視259が辿り着いた。忍込が車から降りて交機現職に近寄った。
「どうも。」若い巡査長が忍込に軽く会釈した。
「18キロの速度超過なのですが,照会には応じるものの,否認してます。集中運用と流れてましたが,まだ待機しましょうか。」
年上の忍込に緊張しながら言った。
「逮捕しな。」
忍込は言いながら品川ナンバーの被疑者の元に行った。
「警視庁の地域部の巡査部長の者です。否認なさいますか?」
被疑者は否認すると言った。
「逮捕しまーす。」
忍込は後輩の相勤の巡査部長に,無線入れてと言った。
後輩は携帯無線を取り操作した。
「高島平扱い警視259です。えー,マル被は現場指示で緊急逮捕しました。後発のマル援隊でもお願いします。」
「10交機扱い,マル援中にあっては指令していた集中運用を現在で通常警戒。以上,警視庁。」
一時警察官達で騒然とした赤塚新町は,速やかに平穏を取り戻した。緊急逮捕した被疑者はすっかり落ち込んでいた。
まさか強がっただけのつもりが,逮捕歴が出来てしまった。忍込達は,一般人の極端に希薄な法律の意識はどうにかならないかと思う。
高島平署から引き揚げた直後,再び,交通事故事案が無線で入っていた。忍込は相勤の巡査部長に緊急を指示した。
現場は,大久保通りの近くのサンクスの辺りのそう広く無い道路だった。
ワンボックスと小型車のマーチの事故だった。漫然発進のワンボックスがマーチを大破させて居た。
マーチの運転手は幸い擦り傷で軽傷だった。
「おい。マーチのナンバー,母屋の係に伝えといて。」と忍込は指示した。後輩はマーチのナンバーを書き留(と)めると無線で照会係を呼び出した。
「警視259から123係宛て。自動車利用事故車,富山503マッチのま430#,シルバーのマーチ。」
「警視259,自動車利用取り扱い留意せよ。新潟県秋葉,暴行事案未解決あり。平成5年に長野市にて強盗未遂。職質は受傷対策,マル援念入りにせよ。重ねて受傷警戒,強化人員発令。公妨等あれば積極的に現逮等実施,早期に身体捜検。尚,新宿にあっては事故事案とは別車両手配,A号富山ナンバー扱いに従事せよ。」
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