一昨日 日曜日の1°富士チンクエチェントポーリに合わせて帰省した前日は
会津で不発に終わったドライフライでの釣りを甲州のホームグラウンドでトライ。
ここは家から歩いて数分で畔に降り立つことができる規模の小さな河川ですが
長年竿を振り続けているので魚の着くおおよそのポイントを熟知しているのが強み。
空を見上げると晴天無風でフライフィシングのコンディション的に申し分ありません。
早朝の気温は思ったよりも肌寒く感じますが 東の山端から射してきている朝日は
日が高くなれば逆に暑くなりそうな気配をプンプン匂わせています。
ただ 渡河した際にウエーディングシューズを伝わってくる水は結構冷たく感じられ
試しに水温を測ってみると12℃を指していますが渓流魚にとっては敵水温。
この水温ならやる気のある魚がポイントにいればきっと反応はあるはずと信じて
水面に目を凝らしてみますがハッチが無いせいなのかライズが発見できません。
とりあえずはパラシュートフライで様子を探っていくことに決めてタックルをセット。
いかにも魚がいそう!ってポイントは既に他の釣り人に釣りきられていると判断して
流芯脇のたるみをメインに瀬を叩きながら短い距離を丹念に流して探っていきます。
ポトンと落したフライが流れに漂い始めた瞬間 ガボッ!と派手にフライを咥えて
出てきたのは山女魚。
自分が釣り上げられたのが信じられないといった感じのキョトンとした表情がたまりません。
更に先に進んだところで流し切ったフライを回収しようとピックアップしたところに
ガツン!と食いついてきたのは虹鱒。
ランディング後にカメラを出すのにもたついているとスルっと逃げていきました。
まぁ。。。よくあることなので気を取り直して次のポイントへ向かいます。
フライが魚のぬめりで浮かなくなってきたのでフォルスキャストで水分を飛ばして
フロータントを指先で擦り込んで浮力を回復させたあとの一投目にでてきたのは
またもや山女魚。
釣り上ってくる山女魚は型を揃えたようにみんな手の平サイズ。
これからひと夏を越えて秋の産卵期に向かってどんどん大きくなっていきますが
このくらいのサイズでもしっかりとパーマークが出ていてとっても綺麗な魚体です。
次の小さなスポットで出た一匹もガッチリとフライを咥え込んだ山女魚でした。
一番良い部分にフックが掛かっているので こうなると滅多な事では外れません。
何を捕食しているのかお腹の中にストマックポンプを差し込んでチェックすると
釣りをしている最中にも飛んでいるカゲロウ等の姿は見かけませんでしたので
案の定 この山女魚は主に水棲昆虫を主食にしていたようです。
そうこうしているうちに背に受けていた日もだいぶ高くなってきて上流の水面に
自分の影が差してきたので影を映さぬよう注意しながら更に釣り上っていきます。
何度となく魚はフライに反応しているものの疲れてきたのか合わせ損ねが続きます。
そんななか何とかキャッチしたのも山女魚。
水面のドライフライを追う集中力もだいぶ衰えてきて注意力が散漫になってきたので
顔にあどけなさが残るこの一匹を最後に納竿します。
狡猾な山女魚はドライフライの釣りでは最高にスリリングな瞬間を感じさせてくれて
小さな魚であってもゲームフィッシュとしては十分に駆け引きを楽しませてくれるので
ドライで楽しめるシーズンの到来が毎年待ち遠しいです。
朝食前のほんの束の間でしたがヘボ釣り師と遊んでくれた山女魚達に別れを告げ
また次に再会できることを楽しみに帰宅します。
それではっ!