日本の欧州車市場に一本の矢が放たれました。
それはイタリアのクラフトマンシップとイタリアンデザイン、そしてアイデンティティの結晶とも言えるの赤い矢です。
ALFAROME Giulietta (アルファロメオ ジュリエッタ)
先日、東京は
グランドハイアットホテルにて発表されたアルファロメオ渾身の一台。
今回、内覧会が開催されていたこの週末にテストドライブの機会をアルファロメオ春日井さんにて得る事が出来ました。
I AM GIULIETTA このキャッチフレーズは1954年に登場した初代ジュリエッタの名を受け継ぎながらも、
それとは異なる一台であることを強く主張しているように感じられます。
初代にはベルトーネ製クーペボディ、4ドアセダンのベルリーナ、そしてピニンファリーナの手による
オープンボディのスパイダーなどがあり、いずれのモデルも大成功を収めています。
アルファロメオに興味を持つ人であれば知らない者はいないビッグネームです。
その名を冠した一台であることから、FIATの首脳陣のこの一台にかける思いは相当な物と理解できます。
今まで欧州車の同クラスにはVWのゴルフが不動の地位をきづいています。
今回のジュリエッタの開発時には、そのゴルフを徹底的に研究がなされ他との事。
FIATが持つ新しい技術のそのすべてがジュリエッタには採用され、
ゴルフを超えうるスペックに全てが作り込まれています。
ジュリエッタには、スプリント 、 コンペティツィオーネ 、 クアドリフォリオヴェルデの3グレードがラインナップされ、
用意されたエンジンは2種類。
スプリント 、 コンペティツィオーネには最新のマルチエアを搭載した1.4リッター ターボエンジンを搭載。
クワドリフォリオヴェルデには1750CCの直噴ターボと魅力的な心臓を与えられています。
昨日までネットや雑誌等々で目にしてきたジュリエッタですが、実車を間近で見たのはこれが初めて。
印象としてはイタリア車が持つ他のメーカーでは見られないような個性的なデザインやアイデンティティは
若干薄まったかのようにも見えましたが、その存在はアルファロメオ以外の何物でもありません。
ショールーム内にたたずむ姿に、胸の高鳴りを感じずに入られないのでした。
LEDランプが採用されたリアのコンビネーションランプは今までの車種にないデザインで、
リアからサイド、フロントまで伸びるキャラクターラインには余分な造形は一切ありません。
今回、アルファロメオ春日井さんにて試乗の機会を得たのは、
スプリント(アルファレッド)、クワドリフォリオヴェルデ(アイスホワイト)の2グレードです。
通常のディーラーではスプリントのみを試乗車としているところが多い中で、
クワドリフォリオヴェルデも試乗車としているディーラーは珍しく、この日も多くのお客様がみえていました。
今回、日本導入となったジュリエッタに用意されたボディカラーは4色、
アルファレッド ・ アイスホワイト ・ アンスラサイトグレー ・ エトナブラック で、
グレードによって選択可能なボディカラーは異なります。
そしてそれぞれのグレードによってエクステリアに採用されるホイールや
サイドミラーのフィニッシュなどに大きな違いが見られます。
ただし、今回のジュリエッタにはオプションで多くのボディパーツも用意されており、
オーナーが好みの一台に仕上げるのに十分なラインナップとなっています。
まず最初の試乗は1.4リッター ターボエンジンとTCTと呼ばれる2ペダMT搭載のスプリント(sprint)です。
久しぶりのアルファロメオの新型車ということで、試乗への期待に胸膨らみます。
ほど良い硬さのファブリックのシートに座り込むと、視認性の良いメーター類が目に入り、
カラードパネルをはじめとして、159以降急速にアップした質感を持った内装がドライバーをその気にさせてくれるのが
アルファロメオならではの嬉しいポイントです。
デザイン性の高いメーターやエアコン等のスイッチ類は機能的に配置されており、
オーディオユニットの造型が印象的です。
90年代中盤から後半のアルファロメオオーナー、要するに166・156・147・GTV等のオーナーには
驚きの質感でフィニッシュされています。
ディーラーの駐車場から走り出すと、ボディ合成・足回りのバランスの良さをすぐに体感出来、
ストレスの無いペースで加速していきます。
ハンドル操作への応答性も高く、クイッと鼻先を入れてくれるのが気持ち良さすら感じさせます。
まるで広いホールでダンスを踊るかのような軽やかさとクイックさです。
Mitoで採用されたAlfa Romeo D.N.Aシステムはジュリエッタにも採用されています。
燃費を考えれば、DNAシステムでNORMALモードをセレクトするのがベターですが、
DYNAMICをセレクトすると、そのトルクは25.5kgm/2500rpmとなり、スポーツ走行も十分可能となります。
アイドリングストップ機構については、ブレキーペダルから足を下ろすと瞬時にエンジンスタートし、
市街地走行中心のドライブでは、ストレスに感じることはありませんでした。
今回の試乗は名古屋市内を走る国道19号線と言う比較的交通量の多い道路を中心に走りましたが、
多くの車両の流れの中で、小気味良く加速し、車線変更・追い越し等をする事が出来ました。
普段は市内の走行、週末は郊外へドライブと言ったライフスタイルのオーナーも
十二分に楽しめる車に仕上がっていると思います。
日本国内で一番販売が見込まれるスプリントは市街地での運転を重視され、
必要十分なパワーが与えられているのと、新設計のプラットフォームで軽量化をなし得た事が
このテストドライブの結果に繋がっていると思われます。
次に試乗をさせて頂いたのは、クワドリフォリオヴェルデでジュリエッタの最上級グレードです。
やはりアルファロメオと言えばMTに乗りたいというファンは多いはず。
しかし、実際の販売数はといえば断然ATミッションが多いと思われる中で、
期待を裏切らないインポーターには敬意を表します。
伝統のクワドリフォリオエンブレムがサイドに光り、トップモデルであることを象徴しています。
レッドステッチのレザーシートはやや硬めで、175センチ、64キロの自分がスッポリと収まり、
ホールドも良く、身の引き締まる思いになります。
クワドリフォリオ専用の18インチホイールはフィンタイプで躍動的なデザイン。
スプリントとは異なるアルミ仕上げの内装には色気と言うよりも精悍さが漂い、レーシーな雰囲気が引き立っています。
クワドリフォリオにはサブウーファー付き9スピーカーのBOSEサウンドシステムが奢られています。
スプリントの時と同様のコースへ走り出すと、その扱い易さに驚きます。
1750ccという排気量の直噴ターボエンジンは、235ps/340Nmを発生させ、どこからでもトルクフルに加速し、
アクセルオン時の応答も気持ちの良い物となっています。
加速、減速、ストップを限られた試乗の中で繰り返し、そのエンジンとボディ剛性と操舵性に舌鼓を打ちました。
専用のスポーツサスの乗り心地は硬すぎず、18インチホイールを掃いていても
通常路面では過剰な突き上げ感もありません。
アルファロメオの最先端の技術を詰め込まれたジュリエッタ、
そしてその中でもクワドリフォリオヴェルデは実に痛快で楽しく、素晴らしい一台と仕上がっていました。
まだまだ乗っていたいとドライビングシートから降りるのがためらわれたほどです。
今回、FGAJがリリースしたこのジュリエッタの販売価格は
かなりVW ゴルフを意識した価格設定となっています。
■Sprint(スプリント) 318万円
1368c ターボ マルチエア+6速DCT
■Competizione (コンペティツィオーネ) 358万円
1368cc ターボ マルチエア+6速DCT
■Quadrifoglio Verde(クアドリフォリオ ヴェルデ) 388万円
1742cc 直噴ターボ+6速MT
アルファロメオの今後を占うべき一台として、ぜひ一度見て、触れて、乗ってその熱いイタリアを感じて欲しい。
そしてその熱さに心に火を灯されたら所有せずにはいられなくなる、
久しぶりに「蛇の毒」という言葉を思い出させる一台でした。
皆さんも是非一度体験して見て下さい。
【 Alfa Romeo Giulietta 】
全長×全幅×全高=4350mm×1800mm×1460mm
ホイールベース=2635mm
車両重量=1400kg(Sprint.Competizione),1440kg(QuadrifoglioVerde)
駆動方式=前輪駆動
取材協力:アルファロメオ春日井
〒468-0035
愛知県春日井市鳥居松町2丁目11番地 地図
TEL:0568-87-1015
FAX:0568-87-1012
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