安全装備の数々と燃費が羨ましい・・
筆者は現在10年オチの先代のC4ピカソ(4ATモデル)をファミリーカーとして使っている。 高いユーティリティ性能、ゼニスウインドウを中心とした個性的な内外装、ふんわりと柔らかい乗り心地等とても満足をしている。
反面気になるのが、燃費(筆者は4ATモデルであるので、6EGSと比べても良くないが)と、年式の問題で自動ブレーキ等の安全装備が無い事であるが、概ね大変気に入っている。
現行型ピカソに乗るのは今回が初めてであったが、個人的には先代との違いが一番気になる点であり、掛かる点を中心にレポートをしたい。
先ずは見た目の印象。 外寸は先代とほぼ変わらないとの事であるが、印象としてはどことなく優しくかつ丸みを帯びた先代に対し、現行型は特徴的なライト類によるシャープな外観に加え、全体のフォルムもやや直線基調な感じであり、結構印象が違うなぁと感じた。
ドアを開けてコクピットに乗り込むと、フルカラー化したメーター以外は目に入ってくる風景はセンターメーター、特徴的なシフトレバー、ゼニスウインドウ、ガラスルーフ と基本は先代と同じテイストであり、直ぐに馴染めた。
個人的には内装は先代のほうが、センターパッド固定式ステアリング等、より独創的なデザインであり、好みである。 現行型もシトロエン伝統のボビンメーターに切替が可能である等遊び心に溢れているが。 シートは、やや先代よりも固めの印象を受けた。
今回試乗したのは、DUNE BEIGEというグレーベージュとブラックのツートンシート、ベージュカラーのダッシュボード、大型ヘッドレスト、助手席電動カーフレスト等を備えた限定車である。 個人的には、明るい内装色が好きなので、選ぶとすると断然このモデルである。 もっとも、120台のみの限定車であるが。
2列目シートに座った印象は、先代に比べやや前席とのシートの足元に余裕が生まれた感じである。 全長はほぼ同じなのに対し、ホイールベースが110mm拡大している事が、2列目並びに3列目の足元スペース拡大に寄与しているようである。 なお、5人乗車時の荷室も69リッター拡大しているとのことであり、スペースユーティリティ的にも更に進化している。 尤も、国産のスライドドアの箱型ミニバンのような圧倒的な広さは望むべくもないか。
その他装備面では、意外と便利であったリアハッチのガラス部分のみを開閉できる機能が新型では無くなってしまったのは残念。 反面、先代はリアハッチの開閉がかなり重い為、電動で開閉できるのはとても羨ましい装備である。
エンジンをかけて走り出す。 エンジンは2Lのディーゼルターボ。 低速域から強いトルクが発生して、やや重いボディをグングンと引っ張っていく。 元々ゆったりと乗りたいクルマであり、ピカソの性格にはむしろガソリンエンジンよりも合っているような気がした。 ただし、昨年プジョー308を試乗した際のPSAの1.6Lのディーゼルターボの印象が音、トルク、レスポンスと極めてよかったのと比べると、この2Lディーゼルはそれほどのインパクトというか個性が感じられなかった。 もっとも、車重等も影響しているのかもしれないか。
リアサスも、先代のメイングレードのエクスクルーシブのリアはエアサスであったが、現行型はバネサスとの事。 個人的には乗り味は先代のほうが柔らかく好みであるが、速度を上げていくとやや浮遊感を感じるのは如何にもシトロエンらしいなぁと感じた。 また、先代はリアのエアサスが微低速でハンドルを切りながら轍を超えた際に妙にばたつくのが気になったが、現行型では改良されていた。
あと感じたのは、ボディのしっかり感。 先代はなんとなくユルユルであるが、細部の立てつけの精度等含め、剛性がかなり上がっていると感じた。 これは羨ましい限りである。
後は、時代の差を感じさせるのは、安全装備の数々。
アダプティブクルーズコントロール、レーンデパーチャーウオーニング、ブラインドスポットモニター、360°ビジョン・・と盛りだくさん。 この辺りは、素直に羨ましいかも。。
というわけで、現行ピカソは先代の特徴を残しながら、きちんと正常進化をしているなとの印象を受けた。 先代乗りとして特に羨ましいのは、数々の安全装備としっかりしたボディ。 燃費もガソリン/ディーゼルの燃料代の違いも加味すると恐らくランニングコストは恐らく半分以下であり、この点が一番羨ましいかも。
今のところは大きなトラブルが生じない限りは、先代のままでも十分かなと思うが、現行型は買い替えの際はやはり真っ先に候補に挙がる一台であろうと感じた。
と思いつつ本記事を書いている最中に本国で新型のベルランゴの発表のニュースを見た。 両側スライドドア、サイドのエアバンプ、デザイン性の高いシート、8AT等、商品力もかなり高そうであり、こちらも大変気になる次第である。 シトロエンジャポンさんには、是非こちらの正規導入も切にお願いしたい。
シトロエン Grand C4 Picasso Dune Beige Blue HDI
<主要諸元>
全長X全幅X全高: 4,605mm x 1,825mm x 1,670mm
ホイールベース: 2,840mm
車両重量: 1,640kg
エンジン種類: 直列4気筒DOHCディーゼルターボ
排気量: 1,997cc
最高出力: 110kW(150ps/6,500rpm
最大トルク: 370Nm(37.7kgm)/2,000rpm
トランスミッション: 6AT
駆動方式: FWD
燃料消費率(JC08モード走行): 18.0L
メーカー希望小売価格: 3,960,000円
試乗車は4,245,228円 (メタリックペイント、ナビ、ETC、ETC取付ブラケット)
公式サイト: www.citroen.jp