新生BMW1シリーズといえば、FF化されて話題になっていたのは記憶に新しいところです。
既に2シリーズではFFが導入されているものの、
「ま、2シリーズのアクティブツアラーは居住性が重要だからしゃーないか!」
と思っていた方は多いのではないでしょうか。
それでも、1シリーズはFRを採用してきた頑固さにBMWファンは魅かれていたに違いありません。
そのような中登場したのが、このFF化された1シリーズ。
BMWファンの中で囁かれている、
「やっぱり出たか!」
という言葉の裏には、賛否両論が潜んでいるようです。
と、前置きはこのくらいにして、今回の試乗車はFF化されたBMW1シリーズの118i Play。
エクステリアを眺めると、一発でBMWとわかるキドニーグリルは健在。
「ちょっとふっくらしたんじゃない?」
と思うそのスタイルは、前型に比べて全長、全幅、全高とも多少大きくなっていました。
このサイズ感は好みが分かれるところかもしれませんが、5ドアハッチバックのデザインを考えると違和感はありませんね。
むしろ時代の潮流に乗っかったということでしょうか。
次にインテリアです。
ぱっと見、シンプルなデザインで好感が持てます。
液晶パネルの採用で、諸々の機能はここに集約されています。
今回は細かい操作は行いませんでしたが、乗り出しにあたっては迷うことはありませんでした。
実際に試乗をすると、1.5L直列3気筒エンジンと前輪駆動は、その存在を意識させてくれることはありませんでした。
アクセルを踏むとスムーズに吹き上がり、街乗りや高速道路を走行するには何の問題もありません。
実際、試乗時の西湘バイパスに合流する地点は工事のために1車線に絞られていたため、合流時の加速が問われるわけですが、何の問題もなく合流ができました。
筆者の持っている3気筒エンジンの振動やFFのアンダーステアといった先入観は、現代のクルマにあっては最早化石のようなものですが、やはりその先入観は捨てなければ、と感じた次第です。
そしてBMWのコンセプトである「駆け抜ける歓び」はというと・・・それなりに健在でした。
それなりに、という言葉を使ったのはどうしても消しきれないというか消したくないというBMWの先入観によるところかもしれません。
さて、再びエクステリアです。
5ドアハッチバックということで、使い勝手はすこぶる良さそうです。
後ろから眺めてみました。
普段使いには問題のない広さでしょう。
もちろん、リアシートは3分割で倒すことができます。
あらためてサイドビュー。
新生BMW1シリーズ。
頑なに守ってきたFRを捨ててFF化したという大英断は、1シリーズをファミリーカーという位置づけで投入したいというBMWの考えが嫌と言うほど伝わってきます。
それは、天才バカボン一家をモチーフにしたCMにも表れており、新たな顧客層を獲得したいという経営判断によるものでしょう。
そのような経営判断をすることは現代においては正しいと思いますが、同時にBMWというブランドイメージが薄められたように感じるのは筆者だけでしょうか。
「1シリーズだから、しゃーないか」との言い訳のような言葉が出てこなければいいのですが・・・。
【主な諸元】 BMW 138i Play
全長:4,335mm
全幅:1,800mm
全高:1,465mm
ホイールベース:2,670mm
車両重量:1,390kg
エンジン種類:直列3気筒DOHCガソリン
排気量:1,498cc
最高出力:103kW(140ps)/4,600-6,500rpm
最大トルク:220Nm(22.4kg・m)/1,480-4,200rpm
駆動方式:前輪駆動
トランスミッション:7速DCT
メーカー希望小売価格:3,750,000円(税込)
BMW1シリーズ公式ホームページ:
https://www.bmw.co.jp/ja/all-models/1-series/5-door/2019/bmw-1-series-entry.html