東京、お台場にて行われたプジョーの新型車208の試乗会に参加してきました。
会場はプジョーのイメージカラーのブルーを基調に、クリスマスの飾り付けがされたオシャレな空間を演出。
クールだけどどこか安らぎのある新型208のイメージにもピッタリ。
最初に208の全体的なコンセプトの説明があり、プジョーがこの車にかける意気込みが感じられました。
新型208は、エンジン、ドア数等の違いにより”Premium”、”Cielo”、”Allure”、”GT”と4つのモデルが用意されていますが、今回試乗できたのは”Cielo”と”Allure”の2モデル。
まず先に試乗したのは4気筒1.6LのNAエンジン(120ps)に4ATを組合せた5ドアモデルの”Cielo”。
エクステリアは先代の207よりダウンサイズしたボディによって軽快な走りを予感させます。
ちなみに207と比較すると、全長-85mm、全幅-10mm、全高+-0mm。
全長に関してはホイールベースは変えずに前後オーバーハングをそれぞれ-75mm、-10mm短縮。
そして車両重量も207から100kgほど軽量化し1180kgとなっています。
インテリアは強烈な個性を感じるデザインではないけれど、全体的にセンス良くデザインされた空間が心地良さと安心感を与えてくれます。
特徴的な小径ステアリングとその上から望むメーターは、一見違和感がありますがメータの視野性も全く問題なく、すぐになじみました。
またシートの出来が素晴らしく、大きく張り出したサイドサポートが体をしっかり支える一方で、素材はしっとりとソフトなものを使い非常に疲れにくく快適です。
走り出し一番はじめに感じたことはボディ剛性の高さとサスペンションのセッティングが素晴らしさ。
腰のあるサスペンションをしっかり支えるボディから感じる走りの質感の高さは”コンパクトカー=チープカー”という一昔前の価値観がまったく当てはまらないことをまず実感します。
1.6Lエンジンは普段は存在感を感じさせないものの、必要なときには必要な分だけきっちり仕事をしてくれる印象でした。実際、高速道路においてもまったく不満無く巡航できる性能を発揮しておりました。
ただ4ATというトランスミッションに関しては制御こそ洗練されていましたが、カタログの燃費(13.4km/L)を見てもやはり少し不利な印象をうけます。次期改良時には多段化するのではないかと思われます。
ブレーキに関しても唐突なところもなく非常に扱いやすく、かつ良く効きます。
ユーティリティの面でもぬかりはなく、ラゲッジスペースは207比で+15L、また後席も170cm超の男性が座っても十分な広さがありました。
全体的な印象としては、とにかく全ての操作に軽快感が感じられ、そこから来る楽しさ、快適さ、安心感が非常に印象的でした。208のコンセプトに一切のブレがなく、それをハイレベルで実現できていることが伺えます。
まさに新世代のプジョーを代表する一台に仕上がっていることが体感できました。
今回、同じエンジンにターボチャージャーを追加したハイパフォーマンスグレード”GT”には試乗できませんでしたが、この出来から想像すると相当楽しい車に仕上がっていることが予想されます。
次に試乗したのは”allure”。
新世代の新開発3気筒1.2LのNAエンジン(82ps)に5MTを組み合わせた3ドアモデル。
車両重量は1070kgと”Cielo”と比べてもさらに100kg以上軽くなり、また価格も199万円とかなり戦略的なモデルです。
個人的には新開発のエンジンとマニュアルミッションを搭載したこのモデルに興味津々。
こちらは3ドアということで外観上ではメッキモールやドアのプレスラインが特徴的です。
インテリアに関しては”Cielo”と大きな違いは無いものの5MTのシフトノブが存在感を示します。
走りの印象としては1.2Lということで出だしに多少気を使うことがあったり、3気筒特有のノイズが少し気になったりと、1.6Lモデルと比較すると”やはりベースグレードだな”と意識する面がありましたが、それと引き替えにマニュアルミッションを駆使した運転する楽しさと、19km/Lという環境性によって気兼ねなくドライビングを楽しめることがこのモデルの最大の魅力だと感じました。
しかしこの1.2Lの5MTモデル、販売的には少し厳しいのではないか?と訪ねたところ、『”操る”という自動車が本来持っている魅力を備えた車が少なくなった昨今、このモデルを通し少しでもその文化を掘り起こせる活動ができればよいと考えています』とのことでした。
車好きにはなんとも嬉しいお言葉。
プジョーが新しい価値を創造し続けていく一方で、従来からの愛好家からも愛され続ける理由が少し分かったような気がしました。
来年には待望の”GTi”や1.2Lモデルに5速セミオートマチックを組合せたモデルも投入されるということで、暫くはこの新型208から目の離せなくなりそうです。
【 PEUGEOT 208 Cielo (Allure) 】
全長×全幅×全高=3960mm×1740mm×1470mm
ホイールベース=2540mm
最低地上高=120mm
車両重量=1180(1070)kg
乗車定員=5
エンジン=直列4気筒DOHC(直列3気筒DOHC)
総排気量=1,598(1,199)cc
最高出力(kw〔ps〕/rpm)=88〔120〕/6,000 (60〔82〕/5,750)
最大トルク(Nm〔kgm〕/rpm)=160〔16.3〕/4,250 (118〔12.0〕/2,750)
燃料及びタンク容量(ℓ)=無煙プレミアムガソリン・50
燃料消費率(km/ℓ)=13.4(19.0)
取材協力:プジョー・シトロエン・ジャポン
HP:
http://peugeot208.jp/