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JAIA輸入車試乗会で、MINI Cooper SD 5Door に乗りましたので、試乗記をお送りします。

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BMW傘下になってからの新世代MINIは、初代が登場したのが2001年ですので、もう16年も経つんですね。
今回のモデルは3世代目にあたり、2014年からは初めてベースのミニの標準ボディにも5ドアハッチバックが登場しました。
現行型は、3ドアハッチバック、5ドアハッチバック、コンバーチブル、クラブマン、そして最近新たにラインナップに加わったクロスオーバーの5つのボディタイプとなります。

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筆者は昔、友人が所有していたクラシックミニには頻繁に乗ってましたが、お恥ずかしながらBMW傘下となってからのMINIに乗るのは実は今回が初めてです。

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乗った第一印象としては、とてもスポーティーで活発なクルマだなと感じました。
エンジンパワーは2リッターディーゼルなので、アクセルを踏み込むと即座に大きなトルクが発生し、グイグイと車体を引っ張ります。 なんでも、0-100キロ加速は7.3秒との事、そりゃ速いですね。 

乗り心地もかなり硬めだな・・ と思いタイヤを見るとピレリP-Zeroが! 

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ステアリングも切ると即座に反応して、例のゴーカートフィーリングが。 ボディの剛性もかなり高く、この辺りは流石BMWです。 とはいえ、車重は今や1,330kgもあるんですね。
尤も、5ドアは3ドアよりもホイールベースで70mm、全長で165mm延長されてますので、3ドアはよりスポーティな味付けなんでしょうね。

エンジンは、ミニの特徴からディーゼルはどうなんだろ・・ という印象を乗る前は持ってましたが、これはこれでなかなかマッチングしてるのでは・・と感じました。
ガソリンだとよりエンジンをぶん回して走る感じでしょうが、ディーゼルだと極低速から太いトルクが車両をドンと押し出す感じですね。 このあたりは、好みの問題かなと思いました。

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6ATも非常にスムーズな変速で全く問題ありません。 但し、この車両にはパドルシフトが有りませんでした。 オプションのようですので、スポーティに走られる方はオプションでパドルシフトを選択しても良いかもですね。

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ユーティリティは、3ドアよりは後部席も拡がっており、4人で使用するのには問題が無い広さかと思います。 トランクは278リッターとの事ですので、Bセグメントの標準サイズですかね。 Cセグメントのクルマよりは小さいですが、普段使いには十分なサイズではないかと思います。
シートもオプションの質の良さそうな本革シートが奢られており、高級感があります。
尤も、MINIの性格を考えるともっとポップなカラーのほうが似合う気もしますが、このあたりは好みの問題との事で。

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あと、MINIの一番の特徴ななんといってもデザインされた内外装でしょうね。
 
MINIといえばやはりオリジナルの3ドアかなと思ってましたが、今回の5ドアも正面や背面から見る限りは違いは分かりませんし、クラブマンやクロスオーバーと比べると軽やかな感じのデザインですので、ある程度ユーティリティを重視する方にはこれはこれで十分アリだと感じました。

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試乗車はセブンという特別仕様のモデルで、通常では選べないシルバーのルーフ、同色のドアミラー、他に専用ボンネットストライプ、専用デザインアロイホイール、その他各所にちりばめられた7(セブン)のマークと、標準モデルとはかなり違います。
内装も、センターサークルのトリム等のほかに、所々に入ったブラウンはセブンの専用仕様なんですね。

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多彩なオプションも準備されてますし、ボディタイプ、グレード、エンジン、トランスミッション、ボディカラー、ルーフカラー、その他オプション・・ と色々とセレクトして自分だけのMINIを作り上げていくのはとても楽しいでしょうね。 尤も、魅力的なオプションも多く、直ぐにかなりのお値段になってしまいそうですが。。 
 
この小さくても上質な高級車という世界は、基本的にボディサイズが大きくなるにつれて高級感もアップするというある種のヒエラルキーがある日本車ではなかなか味わえるものでなく、MINIならではの世界ではないかと思います。
 
ユーティリティよりもデザイン重視、しかもスポーティで軽快な、そしてドイツ車ならではの硬質な感じを味わいたい方。
通常3名以上で乗ることはそこそこあるが、クラブマンやクロスオーバーほどのユーティリティは必要でなく、もう少しカジュアルに乗りたい方には、ピッタリのクルマではないでしょうか。
 
ご興味を持たれた方、一度お近くのディーラーに足を運ばれては如何でしょうか。

 主要諸元
全長X全幅X全高: 4,015X1,725X1,445mm
ホイールベース: 2,565mm 
 車両重量: 1,330kg
エンジン種類: 直列4気筒MINIツインパワーターボディーゼル
排気量: 1,995cc
最高出力: 125kW(170ps) /4,000rpm
最大トルク: 360Nm/ 1,500~2.750rpm
トランスミッション: 6AT
駆動方式: 前輪駆動
燃料消費率(JC08モード走行): 23.8km/L
メーカー希望小売価格: 382万円(消費税込)
試乗車は527.9万円 (メタリックカラー、MINI YOURS レザーラウンジ、PEPPERパッケージ、MINI Seven特別装備、
MINI YOURS パッケージ(Seven専用)、ADVANCE SAFETYパッケージ、ダイナミックダンパーコントロール、
リアビューカメラ、MINI ドライビングモード、パーキングアシストパッケージ)
公式サイト: http//www.mini.jp


March 15,2017 Wed    JAIA輸入車試乗会2017  



witten by 美あんこ
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数年前、マツダの新型ロードスター(ND型)をベースにアルファロメオが新型のスパイダーを開発するとの噂が話題となった。
一昔前、クオリティの低さに悩まされたイタ車ユーザーにとって、一度は夢見たことがある”イタリアンデザイン+ジャパンクオリティ”という夢のコラボレーションが実現すると色めきだったことを覚えている。
結局はアルファロメオの新たなブランド戦略と共に変更となり、より身近なフィアット&アバルトから”124 スパイダー”としてデビューした。
発表以来、輸入車好きにはもちろんのこと、日本国内で生産されるイタリア車ということで、国産車ユーザーからも注目され、昨年末に発表された”2016-2017日本カー・オブ・ザ・イヤー”でも10ベストカーに選出されるなど、デビュー以降も話題は尽きない。
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エクステリアは、1966年に発表された初代フィアット124スパイダーのオマージュとしてデザインされている。
初代124スパイダーを知っている世代にとってはフロントマスクに往年の懐かしさを感じ、知らない世代にとっては近年にない独特な雰囲気のデザインに新しさを感じるのではないだろうか。
フィアット500が復活した時もそうだったが、新旧どちらの世代にも受け入れられる絶妙なデザインが新世代アバルトの魅力の一つとなっている。
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幌の形状もロードスターと同様だが、このボディデザインでもしっかりマッチしていた。
開閉方法もセンターロックのみなので、だれでも簡単に操作でき、気軽にオープンドライブ楽しめる。
蛇足だが、デビュー時に用意されていたボディーカラーのメタリックブルーはカタログ落ちし、現在はソリッドレッド、ソリッドホワイト、パールホワイトの3色のみ選択可能となっている。折角のオープンカーなので、今後はイタリアらしいビビットなボディカラーが加わるのに期待したい。
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個性的なエクステリアに対し、インテリアはほぼロードスターのデザインを踏襲したものとなっている。
個人的にはアバルトオリジナルデザインのインテリアも見てみたいとも思うが、コストを抑えつつも要所にロゴやカラーアクセントを追加することで上手く雰囲気作りをしているところにアバルトらしさを感じる。
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エンジンはアバルトチューンされた4気筒1.4Lターボエンジン。奇しくも初代124スパイダーが当初搭載していたエンジンと同排気量だが、ターボによる過給により170ps/250Nmを発揮する。また限りなくリア寄りに搭載され前後重量配分の適正化に寄与している。(前610kg、後520kg→前54:後46)
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早速、試乗してみる。
今回試乗できたのは6速マニュアルモデルであるが、6速オートマチックもラインナップされている。また国内では右ハンドルのみである。
ドライビングポジションは定評のあるロードスターそのものなので、まったく違和感はないが、見える景色はロードスターに比べだいぶノーズが長く感じられる。
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走り出しは1.4Lという排気量からか、ややトルクの細さを感じるが、軽量なボディゆえ気を使うほどではない。ちなみにロードスターと比較すると車重は約100kgほど重くなっている。
3000回転を越え、本格的にターボが効き始めるとかなりの加速感が得られる。車重に対して分厚いトルクが出続けかなりの速度までこの加速感が持続する。これは速い!1.5L NAのロードスターとは一線を画すパワー感に思わずステアリングを握る手にも力が入る。過給が利いている回転域ではアクセルの付きもよく思い通りのドライビングができる。楽しい!

トランスミッションは先代ロードスターのものが搭載されているということだが、ショートストロークでカチカチと決まる。この試乗車ではミッションの入りに多少の渋さを感じたが慣らしが終わればスムースになるのかもしれない。

ひとつ残念な点があるとすれば、音だろうか。スポーツNAエンジンのような回すほど高まるような官能的な音はもとより期待できないにしても、飾り気のないターボエンジンのエキゾーストはなんとも寂しい。ここはオプションで用意されているレコードモンツァのマフラーを是非とも装着したいところだ。

サスペンションは硬めのセッティングになっているがバタつきや不快な突き上げは無く、高剛性のシャシーによって路面変化をしっかり受け止められていた。当然だが内装の軋み音等は皆無。
全体的な乗り心地の印象としては、軽量オープン2シーターのイメージとは少し違ったドッシリ感を感じた。これは205 45 R17というロードスターより一回り大きなタイヤサイズも影響していると思われる。
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フロントにブレンボ製4ポットキャリパーが装着されており、タッチの剛性感、リニア感、制動力ともこのクラスの車には十分な性能。

非力ながら元気よく回るエンジン、柔らかめの足回りで軽快なハンドリング、など”軽量”を全面に生かしたロードスターに対し、多少増えた重量をハイパワーなエンジンとサスペンションチューニングでバランスよくカバーし、ハイスペックながらもある種の落ち着きも身に着け”大人のスポーツカー”の一面も見せるアバルト124スパイダー。キャラクターの違いはその成り立ちから想像するよりはるかに明確になっていたが、こと”ドライビングの楽しさを追求している”という点においては、どちらも共通の想いを感じられた。

主要諸元 [ ]内はオートマチックの値
全長×全幅×全高:4,060×1,740×1,240mm
ホイールベース:2,310mm
車両重量:1,130[1,150]kg
エンジン種類:直列4気筒 マルチエア 16バルブ インタークーラー付ターボ
排気量:1,368cc
最高出力:125kW(170ps)/5,500rpm
最大トルク:250Nm(25.5kgm)/2,500rpm
トランスミッション:6速マニュアル[6速オートマチック]
駆動方式:後輪駆動
燃料消費率(JC08モード走行):13.8[12.0]km/L
メーカー希望小売価格:388.8[399.6]万円(消費税込)
アバルト公式サイト:http://www.abarth.jp/

February 19,2017 Sun    JAIA輸入車試乗会2017  



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フランス流の商用車。それが「ルノー カングー」である。もちろん、日本では商用車として使われるケースよりも、「マルチパーパスカー」、つまり多目的車として使われるケースが多い。

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この2世代目のカングーが日本に登場したのは2009年なので、もう8年目となる。かなりロングライフのモデルであるから、筆者は実を言うと「今さらカングーの試乗をしても、試乗インプレッションに書くことはなにもなくて、困ってしまうだろうなぁ」とひそかに思っていた。しかし、乗ってみれば、「!」である。

実はこのクルマに試乗する直前にオプションも含め3000万円弱の「アストンマーチン ラピードS」という6.0リッターV12エンジンを搭載したクルマを試乗した。
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もう「この差は何!?」と思ったわけだが、そんなシチュエーション下でもこの「カングー」の出来の良さには驚かされた。私はあくまでも個人的にだが、ラピードSのパワーをどこで使おうか?と考えるよりも、カングーはどんな楽しい生活にしてくれるだろうか?と考える方が楽しかったのも事実である。

当初はATモデルに関しては、1.6リッターNAエンジンに4速ATが組み合わされていたモデルだけだったが、今回ダウンサイジングの流れを受けてか、1.2リッターターボエンジンに6速のデュアルクラッチトランスミッション(DCT)が組み合わされているモデルが登場した。他にMTモデルもあるが、今回はルノーでEDC(エフィシェント・デュアル・クラッチ)と呼んでいる、デュアルクラッチトランスミッションとの相性がどうかというのを味わってみた。
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まずこのクルマに乗り始めて驚かされるのは視界の広さである。窓ガラスの面積、Aピラーの立ち方、全高の高さも相まってなかなかの視界の広さに驚かされる。逆にルームミラーで後ろを見ると、ちょうどバックドアが観音開きで開くこともあり、中央に大きな柱がある。これが視界の邪魔になって、後続車を確認しにくいというのが少し気になるが、使い勝手とトレードオフでそこは仕方ないかと感じるポイントでもある。
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街中を走っている分にはこのパワーユニットで不足を感じることはない。そして、実は筆者はこのクルマはコンベンショナルなトルクコンバーター方式のATかと思い込んでいたほど、初期のDCTのような発進時のギクシャク感はなく、滑らかに良くできていると感じた。

オーディオをかけていない状態で走っている状態でもエンジン音はさほど気にはならないが、ターボのタービンかコンプレッサーが回る音だろうか「ヒュー」という音が聞こえるのが少し気になる。ただ、実際にはオーディオもしくはラジオをかけていれば、それほど気にならないだろう。

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乗り味はもともと商用車であるということと、空荷の状態で走っていたため、特に後ろ足がピョンピョン跳ねるような印象ではないかと予想していたわけだが、これは完全に覆され、やはりフランス車らしいしなやかで柔らかい、気持ちのいい乗り味を提供してくれた。高速道路での道路の継ぎ目も、滑らかに越えていく。一方でやはり柔らかさと全高の高さのせいだろうか、ブレーキをかけた際のノーズダイブが少し大きいかなという印象を受けた。

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内装の質感はもともと商用車なので決して高いものではないと思うが、ただ安っぽいという印象を受けるのではなく、そこはデザインでカバーしている。オシャレなインテリアの雰囲気を醸し出しているので、パッと見ではそこまで安っぽい印象を感じない。

停車からのフル加速では、必要にして十分といった印象だ。個人的にはもう少し余裕が欲しいと感じなくもないが、問題が起きるほどのものではない。また中間加速では、不満に感じることはなく、小排気量でも、ターボと、効率的なトランスミッションがいい仕事をしているということがよくわかる。変速ショックも感じない。

直進性が非常にいいのは、フランス車全般に言えることだが、もともと商用車であるカングーも乗用車のフランス車同様、直進性がよく、長距離ドライブでは疲れにくいだろうなと思わされた。プジョーに乗っても、シトロエンに乗っても、ルノーに乗っても、スパッと中央付近にしっかり戻るステアリングのフィーリングは魅力的である。

自動緊急ブレーキやレーンキープといった最新の安全性能は全くないが、「自動車」としての基本性能が非常に高い。クルマの基本性能がまずしっかり備わったうえでの、安全装備が欲しいと感じるので、いまのカングーに最新の安全システムが備われば、それは相当魅力的なクルマになるだろう。

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 シートのつくりもフランス車らしい柔らかさを持っており、サイズがもう少し大きいといいと思うが、全体的にはフランス車に乗っているという実感がよく湧くクルマである。

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このクルマは「普通に乗って、気持ちがいい」。もう少しパワーが欲しい…と言った要望もなくはないが、しかし日常扱う道具としてはこれで十分魅力的だ。案外、普通だけれども、気持ちがいいというクルマは探すのが難しい。やはり、熟成が進み、とてもいい商品になってきているという好事例が8年目を迎えた「カングー」である。

ルノー カングー ゼン
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主要諸元
全長×全幅×全高:4,280×1,830×1,810mm
ホイールベース:2,700mm
車両重量:1,450kg
エンジン種類:ターボチャージャー付 筒内直接噴射 直列4気筒DOHC16バルブ
排気量:1,197cc
最高出力:84kW(115ps)/4,500rpm
最大トルク:190Nm(19.4kgm)/1,750rpm
トランスミッション:6速EDC(エフィシェント デュアル クラッチ)
駆動方式:前輪駆動
燃料消費率(JC08モード走行):14.7km/L
メーカー希望小売価格:259.0万円(消費税込)
※試乗車は290.2881万円(フロアマット、ETC、ナビ、自動格納ドアミラー、マルチルーフレール、エマージェンシーキット装着車)
公式サイト:http://www.renault.jp


February 14,2017 Feb    JAIA輸入車試乗会2017  



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2016年7月に日本に導入された5世代目の「Eクラス」。そして、その4カ月後に「ステーションワゴン」モデルが投入された。Eクラスにも様々なエンジンバリエーションが用意されており、今回のJAIA試乗会でも2.0Lターボディーゼルを搭載した「E220dアバンギャルドスポーツ」のセダンとステーションワゴン、3.0LのV6ツインターボを搭載した「E43 4MATIC」、そして今回取り上げる「E400 4MATIC ステーションワゴン エクスクルーシブ」が用意された。

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筆者はこれまでにセダンで、直4 2.0Lガソリンターボエンジンを搭載した「E200アバンギャルド スポーツ」に市街地と高速道路で、直4 2.0Lディーゼルターボエンジンを搭載した「E220d アバンギャルドスポーツ」に高速道路で試乗した経験がある。それまでの印象はどんなものだったかといえば、実はそこまで高評価だったわけではない。というのも、実は先代のEクラスの後期型モデルの完成度が非常に高かったということもあり、そこからの進化度をそこまで強く受けたわけではなかったからである。つまり、出来は決して悪くないのだが、先代の熟成しきったモデルのフィーリングがあまりにもよかったため、感激度が少なかったという言い方のほうが正しいかもしれない。特に4気筒のエンジンは、もうダウンサイジングエンジンが当たり前になった今、特に新しく感激するものもないし、そつなくメルセデスらしく、淡々と仕事をこなしてくれるという印象だったわけである。また、特に個人的にあまり評価しなかったのはシートである。「スポーツ」というモデルだからシートの張り出しが大きく、窮屈感を感じたのがどうにもこれまでのメルセデスらしくない印象で、少し残念にさえ思えたのである。

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そして、今回試乗したのは初のステーションワゴンであり、筆者がやはりメルセデスではこのフェイスでなくては!と思っている、昔ながらの横桟グリルと、ボンネットに立つ「スリーポインテッドスター」が特徴の「E400 4MATIC ステーションワゴン」だ。以前に試乗したモデルは「スポーツ」というモデルであり、このコンフォート性をアピールしている「エクスクルーシブ」に大変興味があった。その願いが今回かなったわけである。

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エンジンはV型6気筒の3.5Lエンジンにツインターボで過給している。最高出力は333PS(245kW)/5,250~6,000rpm、最大トルクは480Nm(48.9kgm)/1,200~4,000rpmであり、3.5LのV6ツインターボの割には控えめな数値である。しかし、「ダウンサイジング」がトレンドで、エンジンの排気量が小さくなると同時に、シリンダー数もどんどん減ってきている中、いわゆる「マルチシリンダー」と呼ばれる、4気筒以上のクルマはもう新鮮に感じてしまう時代になってしまった。

先代のEクラスでももちろんV6エンジン搭載車は用意されていたし、特に前期モデルに関してはV6エンジンモデルが中心だったわけだが、前期型の途中から直4 1.8Lターボが登場してから、Eクラスも直4ターボがメインになってきた印象であった。そして、その前の丸目4灯が懐かしいW211型と呼ばれるEクラスは、V6が当たり前であった。

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そんな中で、今回V6エンジンのEクラスに乗ると、ドライバー席からみえるボンネットに鎮座するスリーポインテッドスターと相まって妙に「懐かしいメルセデス」がだんだんよみがえってきたのである。もちろん、室内のクオリティは先代や先々代の比ではなく、Sクラスみたいな印象だが、ステアリングを握って走るフィーリングは「メルセデスってこんなだったよなぁ」と思い出させてくれる1台だった。

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そして、実はこのクルマにはエアサスペンションが装着されていることもあり、実に当たりがやわらかで、しなやかな気持ちのいい乗り味を提供してくれた。実はこのエアサスはこれまでとは違うタイプの「マルチチャンバーエアサスペンション」である。以前乗ったメカニカルばねのEクラスはゴツゴツしているとまではいかないが、硬さを明らかに感じて、個人的にはそこまで好印象に映らなかったのが正直なところだったわけだが、今回のエアサス仕様はなかなかの気持ちよさであった。
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また、このモデルでやはりいいと感じたのは4輪駆動である。今回の試乗は快晴で道路はドライだったが、かなり強い加速度の加速を行なっても4輪がしっかりと路面に食いついている印象がドライバーにも伝わってきて、何とも安心感が高い。ドライでこうなのだから、ウェット路面ではさぞ安心感が高いであろうと予想できる。

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インテリアの印象は「アバンギャルド」というモデルが中心となった今、黒くてあまり開放感を感じられないインテリアが多い中で、このモデルの明るい内装色は優雅さと、とても気持ちが和らぐいい印象を提供していた。大きい液晶ディスプレイが2つ並んでいて、この画質の良さにも驚かされた。
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しかし、一方で冒頭に挙げた、過去に試乗してきた「アバンギャルド スポーツ」モデルの窮屈なシートの印象は、このエクスクルーシブでも変わらなかったのが、大変残念なところである。カタログの写真を見ても、どうも形状自体は「アバンギャルド スポーツ」も「エクスクルーシブ」も同じ印象で、デザインが若干異なる程度のようである。このエクスクルーシブにはもう少し、サイドサポートの大きくない、ゆとりあるシートを採用したほうが性格にはミートしているような印象だ。せっかくの気持ちいい空間であるにもかかわらず、シートのせいでその印象をスポイルしているのがなんとも残念である。

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また、このEクラスでは安全システムの充実も話題になっており、自動運転レベル2を搭載しているモデルである。特に話題になるであろう「アクティブレーンチェンジングアシスト」はレーンチェンジを行ないたい場合は、レーンチェンジしたい方への方向指示器を出せば、クルマがレーダーで周囲を確認して、自動でステアリングを切ってレーンチェンジをしてくれる機能だが、これはこれまで何度も試してきたが、あまり有効なものだとは感じない。というのも、レーダーが確認をして、クルマがいないからレーンチェンジをしようとした時に、速度の速いクルマが来たりすると、案外ドライバーがドキドキしてしまう場面に遭遇する。

しかし、以前の「ディストロニックプラス」をさらに進化させた「ディスタンスパイロット・ディストロニック&ステアリングパイロット」は前車に追従しながら、緩やかなカーブならステアリングも自動で操舵してくれる機能だが、これはやはり効果的だと感じた。

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荷室空間の広さはやはりDセグメントのCクラスよりはゆとりがある印象で、荷物をたくさん積載するケースの多い方は、Eクラスを選ばれるのがいいというのは痛感した。キーを持った状態で、バンパー下に足をかざすことでテールゲートを電動で開けることができる機能など、利便性は先代よりさらにアップしている。

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冒頭に申し上げた通り、今回がEクラスの試乗は3車種目であるわけだが、同じクルマでもかなり受けた印象が違ったのが今回のモデルである。筆者としては、今回のエクスクルーシブモデルが、全体的な印象ではもっとも好印象だったが、しかし価格は1000万円を超える。となると、射程範囲としてはSクラスのディーゼルハイブリッドモデルも入ってくる。

それにしても、この1000万円を超えない、直4モデルにも「エクスクルーシブ」顔を用意してほしい。あのスリーポインテッドスターは威張りのためではなく、車両感覚をつかみやすい「機能」なのだから。
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メルセデス・ベンツ E400 4MATIC ステーションワゴン エクスクルーシブ
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主要諸元
全長×全幅×全高:4,940×1,850×1,465mm
ホイールベース:2,940mm
車両重量:1,950kg
エンジン種類:DOHC V型6気筒ツインターボチャージャー付
排気量:3,497cc
最高出力:245kW(333ps)/5,250~6,000rpm
最大トルク:480Nm(48.9kgm)/1,200~4,000rpm
トランスミッション:電子制御9速A/T
駆動方式:四輪駆動(4WD)
燃料消費率(JC08モード走行):11.3km/L
メーカー希望小売価格:1050万円(消費税込)
※試乗車は1078.48万円(メタリックペイント、フロアマットプレミアム装着車)
公式サイト:http://www.mercedes-benz.co.jp/


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February 2,2017 Thu    JAIA輸入車試乗会2017  



witten by ハクナマタタ
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今年も日本自動車輸入組合(JAIA)が主催する、輸入車試乗会が大磯ロングビーチ駐車場で開催されました。

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カーくる編集部では、今年も早朝から大磯に集合!
JAIAのスタッフの皆さま、インポーターの関係者、そして各種メディアの関係者の熱気に加え、冬晴れの天気がこの試乗会を迎えてくれました。

車離れや輸出入不均衡などネガティブなニュースが流れる中、輸入車の魅力を存分にPRするために関係者が一丸になって開催する一大イベントです。

名前は知っているけど、乗ったことは無い。
噂だけで、
「輸入車って高価なんでしょ?」
「輸入車って壊れやすいの?」
「輸入車って運転が難しい?」
といったネガティブキャンペーンをしてしまう人たちがまだいる中、それらを払拭すべく本当の輸入車の姿を我々カーくる編集部がお届けしたいと思います。

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今年は、ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、アメリカ、スウェーデンの6カ国19台の輸入車に試乗しました。
その総額は何と、約1億3千万円!

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そんな魅力的なクルマたちを、まずはダイジェスト版でちょっとだけお披露目しておきますね。

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いかがですか?
これから、カーくる編集部の目線でそれぞれの輸入車の試乗インプレッションをアップしてまいりますので、乞うご期待!


February 1,2017 Wed    JAIA輸入車試乗会2017  



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