澄んだ青空が眩しい初冬の箱根にて”新型 プジョー308 & 308SW 試乗会”が開催され、カーくるも参加してきました。
約7年ぶりにフルモデルチェンジしたプジョー308&308SW。
既に11月から販売が開始されているのでディーラーなどで見学・試乗された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この新型308、欧州では”ヨーロッパ・カーオブザイヤー2014”を受賞、さらに日本でも”2014-2015日本カーオブザイヤー”の10ベストカーに選出され、今年を代表する優れた車ということで試乗への期待が高まります。
【 PEUGEOT 308 [308 SW] 】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4260×1805×1470mm [4585×1805×1475mm]
ホイールベース:2620mm [2730mm]
車重:1270~1320kg [1320~1360kg]
駆動方式:FF
エンジン:1.2リッター直列3気筒 DOHC ターボチャージャー
トランスミッション:6段AT
最高出力:96kW (130ps) / 5500rpm
最大トルク:230Nm / 1750rpm
サスペンション:前・マクファーソンストラット 後・トーションビーム
ブレーキ:前・ベンチレーテッドディスク 後・ディスク
乗車定員:5名
ハンドル位置:右
JC08モード燃費:16.1km/L
車両本体価格(消費税込み)
308:Premium 279万円 / Allure 304万円 / Cielo 339万円
308 SW:Premium 299万円 / Cielo 339万円
プジョー・シトロエン・ジャポン NEW 308 公式サイト:http://www.peugeot.co.jp/showroom/new308/5-doors-1/
先代から大きくイメージを変えたエクステリア
新型308のボディサイズは先代に比べ全長-55mm、全幅-15mm、全高-45mmと一回りコンパクトに。(SWは全幅-15mm、全高-85mmとダウンサイジングしながらも、ワゴンとしてのユーティリティを考慮し全長のみ+70mm延長されてる)一方でホイールベースは+10mm(SWは+20mm)と延長されている。
全高が大きく抑えられたこと、オーバーハングが切りつめられたことで、よりダイナミックで安定感のあるデザインになった。
大きなつり目が特徴的だった先代のデザインから、現行のラインナップと共通するヘッドライト形状になりスッキリしたフロントマスクによって大きく印象が変わりました。
先代のように一目見てプジョーだと感じるほど分かりやすいデザインではなくなりましたが、その分アクが抜けてより幅広いファンに受け入れられるデザインとなりましたね。
個人的には306時代のようなシンプルだけど流麗なラインが魅力的な大人のデザインが復活したように感じました。
上級グレード"Allure"と"Cielo"にはフルLEDヘッドライトが装備される。ベーシックグレード"Premium"はLEDランプとハロゲンヘッドライトの組合せになる。
ホイールは308の"Cielo"のみ17インチアロイホイール。308のその他のグレード及びSWには16インチのアロイホイールが装備される。
上質でセンスよくまとめられたインテリア
ブラックを基調としながらクロームトリムでアクセントをつけたインテリアは、エクステリアと同様に上質で落ち着いた雰囲気。
208からお馴染みとなった小径ステアリング&ヘッドアップインストルメントパネルを採用。
初めて乗るときは多少違和感があるかもしれませんが、慣れてくると小径ステアリングが生み出す小気味良いハンドリングが心地よく感じます。
メーターの視野性については特に問題ありませんでしたが、体格によってはシート調整が必要かもしれませんね。ちなみにタコメーターは反時計回りに回るという、さりげなくも面白い演出がなされています。
パドルシフトはステアリングコラム側に備わるため固定式になっていますが、パドル長が短いためステアリングを切っている時は少し操作しずらい場面もありました。
見た目も良いが、相変わらず乗り心地が抜群に良いシート。
極限までシンプルにしたというセンターコンソールにはリアルボタンがほとんど無く、ナビはもとよりエアコン、オーディオなどの操作も全て上部に設置された7インチのタッチパネルで行うようになってます。
時代の流れだと思いますが、古い人間だと”もしタッチパネルが壊れたら…”なんてちょっと心配になります。
開放感抜群のパノラミックガラスルーフは健在。
その他、SWでは後席をワンタッチで倒せるレバーや荷物固定用のアルミレール(SW Cieloに装備)など機能的な装備も充実。
予想を超える走りの性能
新型308の大きなトピックの一つが、初登場の1.2L直列3気筒ターボエンジン。
ベースとなっているのは208などに採用されている同自然吸気エンジンだが、そこにターボを組合せ、最高出力130psと最大トルク230Nmを引き出している。また組み合わされるトランスミッションは第3世代の6速ATとなったことで効率的かつスムーズなドライブが可能となった。
さらに307以来12年ぶりに新開発された軽量プラットフォームを採用し、車両重量は最大100kgの軽量化を達成している。
ということで総合的な走りの性能は確実にアップしているはずですが、やはりこのボディに1.2Lではいささか役不足ではないか?と懐疑的に考える一面も無きにしも非ず。
結果的にいえば、必要十分!というレベル以上に、予想を超えた素晴らしい走りでした。
試乗会の行われた箱根の”強羅”というところは、自動車でも上るのに難儀するほどの急な坂道が多い地区。
試乗の拠点となったホテルもエントランスを出るとすぐに急な坂道があり、出発から厳しい条件でしたが、一抹の不安をよそに、308はおよそ1.2Lとは思えない力強さでなんなくこの坂道を登っていきます。
さらに山道の荒れた路面も優しくいなすフランス車らしいサスペンションで快適性も抜群です。
車好きの聖地ともいえる芦ノ湖スカイラインでもその走りを体感しました。
アップ・ダウン、高速・低速コーナー、などドライブが楽しくなる要素満載のコースですが、ここでも308は低回転から十分なトルクを発揮するエンジンと、しなやかでコシのあるサスペンションはどのようなコーナーでも快適に駆け抜けていきます。低~中回転が良すぎたからか、高回転でのパンチ力は想像通りといった印象でしたが、それでも十分に楽しいドライブができます。
ブレーキのタッチは初期制動が強すぎることなく、踏んだ分だけ効くナチュラルテイストが好印象。
エンジンスタートボタンの横についているこのボタンを押すと『スポーツモード』に切り替わり、アクセルとシフトのレスポンスが向上、またステアリングアシストも手ごたえのあるフィーリングに変化。インパネのバックライトも白から赤になり、センターのディスプレイには瞬間的な”パワー”、”過給圧”、”トルク”、”Gセンサー”などが表示されます。加えてエンジン音を増幅してスピーカーから出力する演出も加わり気分も盛り上がります。
ノーマルモードでも十分に走りを楽しめますが、このスポーツモードでさらに上のスポーツドライビングが楽しめることには驚きました。以前、同じく箱根で試乗した1.6Lの200psエンジンを搭載したホットハッチ”208GTi”にも匹敵する楽しさといっても過言ではありません。
このスポーツモードは全車標準装備というところも嬉しいですね!
これなら、街中や家族でゆったり走りたいときはノーマルモード、一人でワインディングロードを楽しみたいときはスポーツモードと用途によって使い分けられ、なにもあきらめることなくこれ一台で楽しいカーライフが送れそうです。
また安全装備においても抜かりはなく、6エアバッグ、横滑り防止装置ESCなどはもとより、アクティブクルーズコントロール、エマージェンシーブレーキサポート、ブラインドスポットモニターシステムなどの先進装備も充実しています。
全てがハイレベルに進化した新型308&308SW。
ライバルがひしめくCセグメントにおいてもトップレベルの実力を備え、まさに新世代プジョーの屋台骨を担っていくのに相応しい仕上がりとなっていました。
今後は更なるスポーツモデルやオープンモデルなどの展開も予想されますが、この車がベースとなると相当に期待できそうですね!
プジョー・シトロエン・ジャポン NEW 308 公式サイト:http://www.peugeot.co.jp/showroom/new308/5-doors-1/