自動車技術にフォーカスした展示会・
人とくるまのテクノロジー展2024が、5月22日~24日にパシフィコ横浜で開催されました。
今年はパシフィコ横浜すべての展示スペースを使用し、来場登録者数も75,972名(前年比119%)と、自動車産業の盛り上がりが感じられました。
まずは、自動車メーカーのブースから見学。
こちらはマツダのロータリーエンジン発電機搭載車です。以前から話題になっていましたが、実物を見るのは初めてです。
RX-8用と今回の発電機用ロータリーエンジンのスペックも掲示されていました。
・RX-8(13B):654cc×2ローター、鉄
・発電用(8C):830cc×1ローター、アルミ
こりゃ、2ローター(あるいは3ローター)化したロータリーエンジン搭載車のデビューを期待してしまいますね。
こちらは、ホワイトボディ展示ブースです。
これは新型三菱トライトンで、新設計のラダーフレームが採用されています。
そして三菱自動車ブースには、トライトンの展示のみ。ほとんどのブースがEV関連を展示している中、ディーゼルエンジン搭載ピックアップのみというのは漢です!
しかしながら、先のラダーフレームをはじめ7つのドライブモードなど最新テクノロジーも満載です。
2月の発売以降、売れ行きも好調とのことでした。
日産は、次世代プロパイロット搭載車が展示されていました。
カメラやレーダーなど沢山のセンサーが付いており、如何に沢山のセンサー情報を高速に処理するか、如何に正確な判断のアルゴリズムを開発するかがキモになりそうです。
ホンダは、車両の他にも色々なテクノロジーを展示。
三菱アウトランダー、トヨタMIRAI、日産サクラなどV2L外部給電が付いていれば、クルマからAC100V、200Vの電気の供給が可能なパワーエクスポーターも展示されていました。
スバルはレイバックを展示。
来場者の視点も専門的です。
もちろん安全性には定評がありますが、この車両を展示してお茶を濁した感が拭えませんでした。
トヨタはクラウンの解体ショー(笑)。
ただクラウンでも燃料電池とハイブリッドそれぞれを展示。
黄色い水素ボンベが見えるこちらは燃料電池搭載車。
こちらはハイブリッドです。
スズキは、インドでの牛の糞を使ったバイオガス事業を紹介。
またハイブリッドスクーターも展示されていました。
ヤマハです。
低速時の姿勢安定機能を搭載した二輪車や、オーナーの意思をくみ取るというモトロイドが展示されていました。アニメの世界が現実化するのもそう遠くはなさそうです。
日進製作所とフヂイエンヂニアリング共同開発の燃料電池のスクーターです。こういう製品は是非発売してほしいですね。
そしてこちらは日野自動車です。もちろんトラックのEV化は当たり前です。
その他パーツメーカーや開発や評価など、沢山の出店がありました。
その中からいくつかピックアップ。
こちらはシートなどの合成革のメーカー。エンジンだろうがEVだろうが座り心地は重要です。
もはや塗装は要らないとのラッピング専門メーカー。オリジナルカラーを希望するオーナーには選択肢が増えそうです。
内装など樹脂専門メーカー。
こちらはナット専門メーカー。別にボルト専門メーカーもありました。
日本のモノづくりの根幹の金型メーカー。
鋳造メーカーなど、派手さはないが必須の技術を持っているメーカーが沢山出展していました。
丸から角形にして軽量化した日本発条のコイル。
ホースクランプ専門メーカー。エンジンには必須ですが、EVとなると出番が少なくなりそうです。
配管の接続を柔軟にするゴムの開発。品質のばらつきがあってもある程度追従できそうです。
EVになると益々重要になるハーネス。
電気のノウハウが更に必要になります。
マーレのカーボンフィルター。マーレグループは、非接触バッテリーなどEVに特化した技術を展示していました。
そして、EVコンバートの展示も。
こちらは、部品などの展示エリアの俯瞰写真です。
出展社も多いが、各メーカーのコミュニケーションの場になっているのがこの展示会です。ここから新たなビジネスが生まれたり、新しい技術が生まれるのを後押ししている展示会です。
技術のEVシフトは当たり前になっていますが、逆に内燃機関に関する技術展示が少ないせいか、とても目につくのを感じました。自動車メーカーは、100年かけて進化してきた内燃機関の技術を本当に捨ててしまっていいのか、あらためて考えさせられました。