JAIA輸入車試乗会最後の一台はコレです!
プロトン サトリアネオ スポーツバージョン
車好きの諸兄でも”サトリアネオ”という車名はもとより、”プロトン”というメーカーさえ耳にしたことがない方も少なくないのではないでしょうか。
実は私も今回の試乗会までサトリアネオという車を知りませんでした。(;´▽`A``
プロトンは1983年に設立されたマレーシアの自動車メーカーで、実は英国ロータスの親会社でもあります。
設立当初より三菱自動車との結び付きが強く、自社開発の車に加え、三菱社ベースの車も販売しています。
今回試乗したサトリアネオは、三菱のミラージュベースだった初代サトリアの後継車で2006年より販売。
日本での輸入、販売はチューニングパーツブランド”CUSCO”で有名な(株)キャロッセが行っています。
今回用意されていた試乗車は”標準車”と”スポーツバージョン”。
カーくるではもちろんスポーツバージョンに試乗。
スポーツバージョンとはエンジンが強化されていたり特別なエアロパーツが付いていたりする・・・わけではなく、競技車のベースとしてLSD、6点式ロールケージ、後席レスになっていたりと、スパルタンな漢仕様のこと。
もともとラリーなどのモータースポーツフィールドでの活躍を期待して輸入されたサトリアネオですので、こちらが販売のメインとなるのでしょう。チューニングパーツを得意としているキャロッセならではのコンセプトですね。
標準車の159.6万円に対して、スポーツバージョンは10万円安(!)の149.1万円というプライスからも、このスポーツバージョンへの力の入れ具合が伺えます。
そんなサトリアネオ、エクステリアはオーソドックスなハッチバックスタイルですが、なかなか端正な顔つきです。
ドアを開けると、これまで試乗してきた車達と明らかに違う景色が目に飛び込んできます。
室内に張り巡らされたロールケージ。
後席レス。
使い込まれたシフトノブ。
走り出す前にキャロッセの方から、LSDが装着されている旨を説明されます。
少し重めのクラッチとアクセルを操作・・・
ウォーン!ガガガ!
極端にレスポンスの良いアクセルとミートポイントの狭いクラッチで、慣れるまでは両足に神経を集中させなければスムースな発進もままなりません。
『こんな車がこの試乗会にあったなんて!!』
ちょっとした衝撃を受けつつも、なぜか口には笑みが浮かんでしまいます。(;´▽`A``
西湘バイパスの入り口までたどり着きアクセルオン!
LSDの効果かアライメントが競技用にセッティングされているせいなのか、たえず集中して修正舵を当てていないとまっすぐ走りません。
シフトフィールはストロークが大きくガコンガコンと無骨なフィール。
逆に足回りはマイルドでロールが大きい。
もう少し車高を落として、足回りを固くして、タイヤを換えて、バケットシート入れて・・・
早速、自分好みの車へとカスタマイズするプランが次々頭をよぎっていきます。
エンジンもNAで113psと非力ですが、使い切れるパワーをマニュアルミッションを駆使して走るのは、やはりこの上なく楽しい。また”きちんと操作しないと速く走れない”そんなところも男心をくすぐりますね。
全体的には決して洗練された車ではありませんでしたが、車を操るという本来の楽しさをシンプルに味わえる一台。
そして自分の操作がダイレクトに車に伝わっていく感覚に競技ベース車としてのポテンシャルの高さを感じました。
なにより試乗開始から車両を返却するまで、絶えず笑顔に満ちていたことが、この車の楽しさを端的に表していました。
試乗会の最後にこのマシンに乗れて本当に楽しかった。
国産では気軽にモータスポーツにつかえる車は絶滅危惧種。
当然価格の高い輸入車では無理な相談か・・・と思っていたらこんな車があった!
このサトリアネオを通して一人でも多くの車好きがラリーなどのモータースポーツに興味を持ち、またかつての賑わいを取り戻せることを期待したいと思いました。
プロトン サトリアネオ スポーツバージョン 主要諸元
全長×全幅×全高:3905×1710×1420mm
ホイールベース:2440mm
車両重量:1160kg
駆動方式:FF
エンジン種類:直列4気筒DOHC
総排気量:1597cc
最高出力:113ps(83kw)/6000rpm
最大トルク:148Nm/4000rpm
トランスミッション:5速MT
燃料:無鉛プレミアムガソリン
全国希望小売価格:149.1万円『消費税込』
株式会社キャロッセ サイト:http://www.proton.co.jp/index.html