アバルト プント スーパースポーツ
アバルトと言えば、登場から衰えぬ人気の500を思い浮かべる方も多いと思いますが、今回はもう一方の雄”プント”に試乗してきました。
試乗できたのは、昨年発表となった特別仕様車
”プント スーパースポーツ”。
アバルトを象徴するボディーカラーであるGrigio Campovoloに、往年の名車 ABARTH 124 ラリーにちなみ、 ボンネットおよびルーフパネルにマットブラックペイントとスペシャルストライプを施した専用エクステリア。さらにホイールもマットブラックペイントとし、よりスポーティで精悍な印象を強調しています。
また性能面ではエンジン出力がベールモデルの163psから180psにパワーアップしています。
アバルト プントは今回試乗した車の中で唯一の左ハンドルのMT。
このクラスでもオートマチックやセミオートマチックの車が多い中、車好きには嬉しい設定です。
内装はベースグレードのアバルト プントに準ずるもので鮮やかなレッド&イエローのステッチが目を引きます。
センターコンソールにはさりげなく”SuperSports”のエンブレムが追加されていました。
早速走り出してみますが、お馴染みの1.4Lターボエンジンは下からのトルクも十分で、発進に気を使うこともありません。
試乗コースに選んだ西湘バイパスに入りアクセルをひと踏みすれば、1.4Lとは思えぬ力強さを発揮し3000回転を超えた辺りからグイグイ加速していきます。
小排気量ターボですがドッカン的な唐突さもなく、フィーリング、パワー感も申し分なく本当に良くできたエンジンです。
小気味良く入る6MTと、控えめながらもアバルトらしいエキゾーストが、さらに楽しいドライビングを演出してくれます。
足回りは流石アバルト少々固めではありますが、不快な突き上げもなくヒタヒタと路面を捕らえます。
ブレーキは前輪にブレンボの4POTが奢られストッピングパワーも十分。
このまま箱根のワインディングに行けば、さらに楽しいドライビングが味わえるはずです。
イタリアンホットハッチというと、どこか尖っていて危うさを伴うイメージがありますが、このプントは車全体がしっかりと作り込まれていて、そういったイメージは感じられません。
刺激的なサソリの毒を感じつつも、毎日乗っても疲れない懐の深さが感じられます。
街であまり見かけないのもオーナーにとっては”自分だけの車”感があって逆に嬉しいのではないでしょうか。
少しやんちゃなイメージの500に対して、大人のホットハッチといえるプント。
通な車好きに是非乗って頂きたい一台でした。
アバルト プント スーパースポーツ 主要諸元
全長×全幅×全高:4080×1720×1490mm
ホイールベース:2510mm
車両重量:1260kg
駆動方式:前輪駆動(FF)
エンジン種類:直列4気筒マルチエア インタークーラー付きターボ
総排気量:1368cc
最高出力:180ps(132kw)/5750rpm
最大トルク:27.5kg-m(250Nm)/2500rpm
トランスミッション:6速MT
燃料:無鉛プレミアムガソリン
全国希望小売価格:309万円『消費税込』
アバルト公式サイト:http://www.abarth.jp/cars/puntosupersport/