ランドローバー ディスカバリー4
この車を前にして、まず口に出てくる言葉は『でかい!』だった。
普段大きな車と縁のない方々にとっては、この車のボリューム感には非日常を感じてしまうのではないでしょうか。
なにを隠そう私もそのひとりでしたので、試乗前は少し緊張しました。
エクステリアデザインは、ディスカバリーらしくシンプルにして質実剛健なイメージですが、LEDを採用し凝ったデザインのヘッドライト、ボディ同色に塗装されたバンパーやオーバーフェンダー、チタンフィニッシュのメッシュグリルなどがひとクラス上の上質さを感じさせます。
登場から既に4年近く経過している”4”ですが、未だ古くささや飽きを感じさせないデザインは秀逸ですね。
インテリアも基本的にはシンプルですが、レザーの使い方やプラスチックの質感も良く、車格に合ったクオリティを確保しています。
インパネ部分には液晶パネルが付くものの、メーター自体はアナログを採用しており視野性に違和感もなく、かえって安心感があります。
前席のヘッドレスト後部にはモニターも完備。
三列目シートが収まるラゲッジスペースは広大であらゆる荷物が飲み込めそうです。
エンジンは先に試乗したジャガーXKR-Sと同タイプの5LV8エンジン。
こちらはNAということで375psですが、発進時からトルクが豊かで、どの速度域からでも2.5トン超(!)のボディを軽々と加速させます。
またフィーリングもシルキーで、本格的なオフローダーとしての一面は感じさせない高級感です。
足回りは多少コツコツするものの、本格的なオフローダーとは思えない乗り心地の良さ。電子制御エアサスペンションの賜だろうか。
そしてハンドリングも軽やかでこれだけ大きなボディを操っている感覚はあまり感じません。
ボディが四角いので見切りが良いし、ボディサイズから想像するより小回りも効くので普段使いでも問題無さそうです。
この日は生憎の雨模様でしたが、このボディ、車重、パワーからくる安心感はこのような天候でこそ感じることができます。
4輪はしっかり路面を捕らえ、濡れた路面に5Lのパワーをかけても滑ることなく安定したドライブを楽しむことができました。
高級車として資質、本格的オフロード走破性、日常性に加え、676万円~と抜群のコストパフォーマンスのディスカバリー4。
試乗を終えたとき、試乗前に感じた大きさから来る不安感のようなものは消えていました。
今回はオンロードだけの試乗でしたが、機会があればこの車のもう一方の特徴である本格的なオフロード性能も是非味わいたいとさえ思うようになっていました。
ランドローバーといえば高級SUVのイメージで敷居が高いと感じていましたが、この車によってイメージが変わりました。
この車の上には”レンジローバー”下には大人気の”イヴォーク”もあり、オールレンジSUVメーカーとして益々の発展を予感する試乗となりました。
ランドローバー ディスカバリー4 HSE 主要諸元
全長×全幅×全高:4850×1920×1890mm
ホイールベース:2885mm
車両重量:2580kg
駆動方式:フルタイム4WD(電子制御センター・デフロック付き)
エンジン種類:水冷V型8気筒DOHC
総排気量:4999cc
最高出力:375ps(276kw)/6500rpm
最大トルク:510Nm/3500rpm
トランスミッション:副変速機付き6速AT
燃料:無鉛プレミアムガソリン
全国希望小売価格:796万円『消費税込』
ジャガー・ランドローバージャパン サイト:http://www.landrover.com/jp/ja/lr/discovery-4/