今回の試乗会でもっとも・・・こんな書き出しから始まるのは失礼かもしれないが、自分がもっとも残念な思いをした車だ。
なぜなら、オープンボディのゴルフにもかかわらず雨天のために幌を開ける事が叶わなかったからだ。
これを残念と言わずしてなんと言おう。
しかし、なんとかオープンに近い気分を味わおうと、ウィンドウ全開で試乗してきたのでそのレポートをお伝えしたい。
フォルクスワーゲン ゴルフカブリオレ
まず、VWゴルフのカブリオレとはどんな車なのか?
ゴルフカブリオレは、1979年に初めてゴルフ I をベースに世に送り出されたという結構古い歴史を持っている。
その後1993年にゴルフ IIIをベースとした第2世代、1998年に2代目をリファインしたゴルフ IV ルックの第3世代が発売されて人気を博してきたモデルだ。
今回、ゴルフⅥベースのカブリオレは実に14年ぶりのモデル投入となった。
ただ、VWは2006年にハードトップタイプのオープンカーであるイオスもラインナップに投入したが、ゴルフカブリオレよりもワンランク上のポジションとしていた為に、必ずしもゴルフカブリオレの血脈を受け継ぐ物ではなかった。
さて、その四代目カブリオレだが、その出来はどうだろう。
まずはこのスタイリング。
第一印象は、直線が多用されてスッキリとしており、Aピラーが寝かされた影響でスタイリッシュ&スポーティだ。
とてもVWらしいシンプルで好感のもてるデザインといえる。
リアのコンビネーションランプも凛々しく。空を見上げている
VWブランド自体のイメージや、このカブリオレという遊び感覚のあるボディタイプの性格から、素敵女子に乗って欲しいと思うのは自分だけであろうか。
細身のダークブルーのパンツ、襟元に織りのあるタイトで真っ白なシャツ、ショート丈のジャケットなんかが似合う。
降りる際には、ドライビングシューズからヒールに履き替えながら下りて来て欲しい・・・。
肩にはプラダの
CLUTCH なんかかけてくれていたらもう・・・。
さて、室内に乗り込むと機能美にあふれたメーターやドイツ車らしく出来の良いシートが出迎える。
明るいブラウンのレザーが気分を軽やかにしてくれるのが憎らしい。
日本国内でも多くのファンを持つVWは日本人的感覚にもヒットする空間を演出しており、このあたりはさすがVWといったところだ。
他の試乗車同様に西湖バイパスをドライブに出かけるとしよう。
ここでも恨めしい天気を睨みながら幌をオープンにする機会を待つが、やはり最後までそれが叶う事は無かった。
オープン同様の雰囲気を味わおうと弱く雨が降りしくるなか窓を開けて、アクセルを踏み込む。
ストレート、カーブ共にウェット路面を気にすることなく走る抜ける事が出来、安定感の高さに驚いた。
これは、カブリオレ伝統の固定式のロールバーが今回廃止された代わりに、ボディがきわめて剛性高く仕上げられた為に手に入れることの出来たアドバンテージだ。
足回りは多少硬めと言えるが乗り心地に不満を感じる事は無く、スポーティにもクルージングにも使えるほど良い味付けのバランス。
また、1.4リッターTSIエンジンは気持ちの良い加速を味合わせてくれる。
最高出力160ps、最大トルク24.5kg がカタログスペックだが、高速の合流 から追い越しまで、どんな回転数からも不満を感じる事無く加速出来たのは気持ちが良かった。
全体的なバランスとして非常に良く出来たVWのカブリオレ。
VWのマジメさ、欧州車のステータス、オープンボディの遊び心すべてを手に入れることが出来る。
ステキ女子も良いが、家庭持ちのパパが家族を口説いて手に入れることも可能な要素を持ち合わせたこの1台、是非次の機会には晴天の空の下で試乗の機会を手にしたいと思う。
「光と風の中、心が解き放たれる」というVWのキャッチコピーを次こそ味わってみたい。
フォルクスワーゲン ゴルフカブリオレ 主要諸元
全長×全幅×全高:4260×1780×1430mm
ホイールベース:2575mm
車両重量:1470kg
駆動方式:前輪駆動(FF)
エンジン種類:直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ+スーパーチャージャー
最高出力:160ps(118kw)/5800rpm
最大トルク:240Nm/1500-4500rpm
トランスミッション:7-DSG
燃料:無鉛プレミアムガソリン
全国希望小売価格:399万9千円『消費税込』
VW JAPAN サイト:http://golfcabriolet.jp/