" GOLD STAR DRIVERS CLUB of JAPAN " ~日本のモータースポーツを築いたドライバーたちのクラブ~ 歴史や経験、喜びを後世に示し、継承していくことがこの会の目的になります。 50年前に建設された鈴鹿サーキット。 そこで開催された日本グランプリが、我が国のモータスポーツの幕開けでした。 その節目としてこの会が発足されたのです。 さてここからは会場の様子を少し紹介しましょう。 トヨタ1600GTの高橋晴邦氏とGT-Rの篠原孝道氏 「69年の真実」 この時のGT-Rはセカンドギアからスタートしたというのだから、なんとも驚きです。 なぜならヘアピンをセカンドで曲がるためであったとか。 この頃は一般誌のグラビアの隣のページにも車の紹介がされるくらいだったらしいのですが、今はそんなこともなくなり(というか車の雑誌が多種多様になってきたからなのでは?)、ワークスの戦いが自動車メーカの戦いに直結していた時代でもありました。 トヨタの細谷四方洋氏と プリンスの砂子義一氏 「63年の真実」 当時のレース中の出来事のお話です。 スタート直後、1コーナーに向かって砂子氏と細谷氏の車もしのぎを削っていました。 そんな中、両氏の車同士で、リアバンパーにフロントバンパーが食い込むというハプニングが発生。そのまま2台の車は連結されたかたちでコースアウトしてしまいました。 それがきっかけで車両規定が変わり、レースではバンパーは付けてはダメとなったそうです。 この頃のタイヤは、バイアスタイヤで品質も悪かったので、普通に走ると勝手にに滑る。 そこから、ドリフトというものが生まれたのだとか。 (ドリフトもそれが当たり前と思って走ってしまえば、走れるものです) また、こういうエピソードも紹介してくれました。 富士スピードウェイのオープニングレースのスタート時に、細谷氏の車のオイルパイプが外れてしまいオイルをぶちまけてしまいました。 それをライバルチームの故田中健次郎氏が見て、すぐさま競技長に向かって、 「ちょっと待て!」 と言いスタートを止めさせ、オイルの掃除をさせると同時に細谷氏にウィンクを送ってきました。 オイルの掃除の間に細谷氏たちは車を直し、無事再スタートに漕ぎ付けることができたとのことです。 そしてそのレースで優勝したのは、なんと細谷氏であったという。 (下の写真はその時の表彰シーン:右端が当時の細谷氏、真ん中は2位の故福澤幸雄氏、左端は当時のF1チャンピオンのジム・クラーク氏) こんな裏話が盛りだくさんでした。 (いくつになっても、走り屋たちの魂は走り屋なのですね) さて次に、ル・マン24時間レースで優勝した寺田陽次郎氏。 この時に乗っていた車両は、4ローター搭載する787B。 ロータリーエンジンが奏でるあのサウンドは、美しもあり、サーキットにいる者を魅了する。 日本のマツダというメーカーを、私は日本人として誇らしく思います。 いつの日かまたロータリーエンジンを搭載した車が復活することを切に願うばかりです。 787Bや767Bは筑波で行われるマツダフェスタやお台場で行われるモータースポーツジャパンにもよく展示されているので、機会があれば見に行っていただきたいと思います。 サーキット場では運がよければ、走っている姿を見ることができるかもしれません。 その時にしびれるサウンドを聞くことができるはずです。 以前に、富士で行われたイベントのトークショーで寺田氏の話を聞いたことがあり、彼に「その時の話に感動した」ということを伝えました。 すると、「10月に富士でマツダ車オンリーの走行会があるので、ぜひレンタカーで来てください(笑)」と言われました。
この方はとてもいい車人生を送っているんだろうなと、勝手ながらに思ってしまいました。 話していて、とてもキラキラと輝いている、そんな印象が残りました。 次にハセミモータースポーツの長谷見昌弘氏。 私にとってこの方は、SUPER GTのNISSAN GT-Rの長谷見監督です。 直接お話することはなかったが、この方とずっと話をされていた記者の方に聞いてみました。 その方は某雑誌の記者で、長谷見氏の特集を組んだり、ずっと彼を追ってきているので、このようなイベントやレースでお会いする時はいつも話をするとのことでした。 立つ位置は違うとはいえ、信頼のもとになりたっているその関係がうらやましくも思えました。 楽しい宴もあっという間に終わってしまいましたが、モータースポーツに対する意識を高めようとするその心意気が感じられる素晴らしい会になりました。 本当のところ、サーキット場にいる時のあの喜んだりくやしがったりするあの顔が真の姿なのではないかと思ったことは、今回は心の中にとめておこうと思います。 監督、メカニック、レーサーと共に試合に臨む。 優勝した時のあの喜びは何ものにも代えがたい、モータースポーツとは素晴らしいものであると。 走る喜びは走った者にしかわからない。 マシンを操るという快感。 そしてオーディエンス達を熱狂させる。 その想いは情熱という形で一つとなり、何世代にも渡り受け継がれていくに違いありません。 2013年10月13日(日)、14日(月・祝)は、モータースポーツジャパンフェスティバルがお台場で開催されます。 みなさん、まずはここへ足を運んでみてはいかがでしょう? このイベントはとても近い位置にレーシングマシーンを感じることができるので、モータスポーツ初心者にもオススメです。 【公式ページ】 特定非営利活動法人 日本モータースポーツ推進機構:http://www.motorsport-japan.com/ photo & written by Lily