今回、カーくる編集部は貴重な車両の試乗機会を得ることが出来た。
マクラーレン 650Sだ。
日本でメジャーなスーパーカーといえば、フェラーリ・ランボルギーニだが、その牙城を切り崩す事の出来るブランドの筆頭といえば、マクラーレンの他にはない。
なんと言っても、マクラーレンにはレースシーンで培った技術と歴史があり、それはフェラーリやランボルギーニに劣る物ではない。
確かにロードカー販売の歴史はまだまだ浅いと言わざるを得ないが、そのポテンシャルの高さに説明の必要はないのだ。
編集部としても、初のマクラーレン試乗という事で期待も大きく膨らんでいた。
跳ね上げタイプのドアをくぐり、ドライバーズシートに身を任せてさっそくエンジンを始動した。オールアルミのM383T型 3.8リッターV8エンジンがスムーズに目を覚ます。
力強く脈動し、振動とエンジンサウンドがキャビンに響いた。そのサウンドは、ポテンシャルの高さを隠す事が出来ずに溢れ出させ、期待をさらに膨らませてくれた。
マクラーレン名古屋のショールームは名古屋市中心部のオフィス街 丸の内にある。平日の午前、忙しく行きかうビジネスカーが多く走る幹線道路へ650Sで走り出した。
走り出したところですぐに驚いてしまった。なんとも心地良い!
最新のマクラーレン、3.8リッターV8ツインターボエンジンは650psを発生し、加速は0-100km/hが3.0秒、最高速333km/hという力強さだ。
そんな強心臓から想像される乗り心地は非常に硬質な物だった。しかし、良い意味で裏切られた乗り心地はフラットで柔らかく、車両スペックからではとても想像できないものだった。
バスタブタイプのカーボンファイバーモノセルシャシーは先代モデルのMP4/12Cと同じだが、重量はわずか75Kg!
このシャシーに前述のツインターボエンジンがミッドシップに搭載されている。
0-100km/hが3.0秒と言う事は、5秒を切ると速いスポーツカーと言われている中でもトップクラスを誇る。
スーパーカーらしい味付けのステアリングの重さも適度で、アクセルの反発力も過度な味付けではなく踏み込みやすい。
また、ボディサイズも全長4512mm 全幅1908mmと気を使うほど大きくなく、取り回しも気にならない。すべてがフレンドリーだ。
今回の試乗では名古屋市内の都市部を試乗し、車両撮影、その後に都市高速を試乗というメニューであったがマクラーレンの実力をいかんなく発揮するステージは無かった。
やはりマクラーレンの真価を体感するにはサーキットへ持ち込むほか無いようだ。
しかし、ほんの少しではあったが高速道路を走らせる事が出来たことで、非日常域を体感出来た。
レースカーから脈々と受け継がれる最新・最高のテクノロジー&クラフトマンシップは650Sの味付けにしっかりと反映されており、その秘めたポテンシャルは非常に高いとすぐに感じられた。
マクラーレン 650S SPECIFICATIONS
エンジン:M838T型 90°V8 ツインターボ
排気量:3799
馬力:650ps(478kw)/7250rpm
トルク:678Nm/6000rpm
パワーウェイトレシオ:500ps(493bhp)/t
最大速度:333km/h
0-100km:3.0秒
トランスミッション:7変速シームレスシフトデュアルクラッチギアボックス
サスペンション:プロアクティブシャシコントロール
ボディ構造:カーボンファイバーモノセル・アルミニウム製フロント・リア構造
乾燥重量:1330kg
全長:4512mm
全幅:1908mm
全高:1199mm
ホイールベース:2670mm