JAIA輸入車試乗会2018 ~ ジャガー F-TYPE 400 SPORT COUPE ~
恋におちたかも・・・
筆者の個人的なクルマ選びの基準は走りよりも第一にデザイン、特にリアデザインが素敵なクルマが大好きである。
リアデザインで過去に憧れた車の筆頭は空冷時代のポルシェ911で、実際タイプ964は筆者がちょうど30歳の時に当時10年オチの個体を気合の60回ローンで手に入れた。
その後オイル漏れが酷くなり、また家族構成も変わる事になり、3年弱で手放したが・・・ という話はどうでもよいのだが、ジャガーF-TYPEも紛うことなきバックシャンであり、数か月前東名高速の厚木インターの入口で遭遇した時は、そのお尻に惚れ惚れしながらも、暫し後ろから眺めながら幸せなひと時を過ごしたものであった。
もっとも、本線に合流後にグングンと加速をしていき、私のパワーが1/3かつ20年落ちの狼?の皮を被った羊のイタ車では到底追いかける事は出来なかったが・・
というわけで、今回の試乗会で憧れのF-TYPEに乗れるとの事で、ドキドキしながら、実車に対面した。
やはり美しい。。 間近で実車に対面した時の第一印象である。 特に今回の試乗車はシルバーの外装色がより美しさを際立たせている印象を受けた。 この車はやはりリアのデザインが何とも印象的で、ずっと眺めていられる程素敵である。
一方でフロントはやや無個性な印象も受けるが、よく見るとやや控えめなライトとグリルが名車E-TYPEを思い起こさせなくもない。
このあたり、ヨーロッパのメーカーは過去の名車をさりげなくオマージュするのが非常に上手いと感じた。
一番のライバルは、ポルシェ911かと思うが、素の911と比べると、全長が20mm短いのに対し、全幅は120mmも広い。 車内に座った印象は、非常にタイトであり、全幅が1900mm以上も有る車に感じられないので、恐らくプラス120mmは主にグラマラスなフェンダーのふくらみのデザインに使われているのではと思われる。
さて、この時点で既にかなり舞い上がっており、乗ると印象が違ったらどうしよう・・という心配は全くの杞憂であった。
F-TYPEは外観だけでなく、乗った印象も紛れもなくピュアスポーツカーであった。 しかしながら、どことなく理詰めのドイツ車とはまたちょっと違う性格の持ち主で、ステアリングを握りながら思わずニヤリとしてしまった。
今回試乗したのは、2017年に追加された400SPORTというグレードで、ベースの3リッターV6を400psまで向上させ、0-100km加速は4.9秒、最高速度は275km/hとの事。
乗る前の想像では、F-TYPEの前のジャガーのクーペモデルであったXK程ではないにせよ、どちらかというとGT的な車かなと思っていたが、これはまさに英国流ピュアスポーツ。 ベースグレードより60psパワーアップしたエンジンは流石に力が有り、どの速度域からも勇ましい音を轟かせながら間髪を入れず加速し、また、トルコンの8ATトランスミッションのレスポンスも良く、PDKやDCT等のセミATと比べても特に遜色無いと感じた。
乗り心地も、フロント255/35ZR20 リア295/30ZR20という太いタイヤを履いている為、もちろん固いが、それでもどことなくしなやかな部分もあり、決して不快で無い。 ステアリングの手ごたえも非常にしっかりしているが、決して重すぎず、ノーマルモードだと普段使いも十分出来るレベルであると感じた。 もちろん、ボディ剛性は極めて高く、安心して飛ばせそうである。
細部のデザインも非常に凝っており、普段は格納されており乗車時のみ飛び出すドアノブや、所々にちりばめられた400SPORTのロゴ、逆方向に開くボンネット等、視覚的にも色々と楽しませてくれる。
トランクルームも、クーペモデルは何と400リッターもの容量が有るとの事で、スポーツカーとしてはかなりの容量を備えており、2シーターという事に問題が無ければ実用性も高そうである。
という訳で、眺めて良し、乗ってよしのF-TYPEは、筆者としては今回試乗した多くの車の中でもっとも気に入ったモデルの1台であった。 仲間内では911の評価が高かったが、個人的には内外装デザインや乗り味含めF-TYPEのほうが好みで、大変気に入った。 まだ多少は現実的?なベースグレードの2リッター4気筒ターボモデルがどのような乗り味なのかも非常に気になるところである。
若いころは初老になったら渋くジャガーに乗りたい・・と漠然と思っていた。 実際には年齢だけは初老へのカウントダウンが既に始まっているにも関わらず、当時思い描いていたような渋い大人からは程遠く、また先立つものも無いのが現実であるが。。
個人的には、グラマラスなリアスタイルのクーペかな、いやいやオープン好きなので、コンバーチブルも捨てがたい。。 エンジンはやはりスポーツカーらしさを求めると3LV6、グレードはベースグレードで恐らく十分、外装色はやはり定番のBRG(ブリティッシュレーシンググリーン)か、ロワールブルーかな、いやいや派手なウルトラブルーも捨てがたい。 内装色はベージュかタンか・・と妄想(のみ)が拡がります。。
ジャガー F-TYPE 400 SPORT COUPE
<主要諸元>
全長X全幅X全高: 4,480mm x 1,925mm x 1,315mm
ホイールベース: 2,620mm
車両重量: 1,730kg
エンジン種類: 水冷V型6気筒DOHCスーパーチャージャー
排気量: 2,994cc
最高出力: 294kW (400ps)/6,500rpm
最大トルク: 460nM/3,500rpm
トランスミッション: 8速AT
駆動方式: RWD
燃料消費率(JC08モード走行): 10.6km/L
メーカー希望小売価格: 12,910,000円
試乗車は14,618,000円(Meridianデジタルサウンドシステム、電動テールゲート、フロントパーキングコントロール、リアビューカメラ、パークアシスト、InControlセキュリティ、InControlプロテクト、パノラミックグラスルーフ(ブラック、手動式ブラインド)、デジタルTVチューナー、エクステンドレザーパック、InControlコネクトプロパック、コールドクライメイトパック)
公式サイト: www.jaguar.co.jp