FIA世界ラリー選手権(WRC) フォーラムエイト・ラリージャパン2024の全ステージが終了し、2024年シーズンのドライバーズチャンピオンはティエリー・ヌービル選手、コドライバーズチャンピオンはマーティン・ヴィーデガ選手となりました。
©Jaanus Ree / Red Bull Content Pool
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ヌービルは当時のPSA育成として頭角を現し、2012年よりシトロエン DS3 WRCで最高峰クラスへフル参戦を開始。最高位は4位、シリーズ7位で初年度を締めくくりました。
2013年はフォード陣営へ電撃移籍。メキシコで自身初の表彰台を皮切りに4連続2位を含め年間7度の表彰台を獲得。シリーズ2位となり、次世代チャンピオンの筆頭候補としてWRCで注目の存在となりました。
2014年はWRCへと復帰したヒョンデへエースドライバーとして迎え入れられました。
ヒョンデとして初の表彰台をメキシコで早々に獲得すると、9戦目のドイツでヒョンデに初の優勝をもたらしました。この年はシリーズ6位となりましたが翌年以降はタイトル争いに加わるだろうと誰もが予想していました。
しかし、2015年は低迷してしまい、最終戦ではセカンドチームに降格。2016年もセカンドチーム行きを経験しますが、第6戦メキシコで22カ月ぶりの優勝を皮切りに、勢いに乗ったヌービルは5連続表彰台も獲得し、シリーズ2位にまで返り咲きました。
その後は、再びヒョンデのエースとして活躍をしますがシリーズ2位が通算5回、3位を3回とあと一歩王者には届かない状況が続きました。
そして迎えた2024年の最終戦ラリージャパン。愛知・岐阜開催初年度を制したヌービルは大量リードを築き、悲願の王者へとひた走る。。。はずでしたが、マシンに技術的トラブルが発生。サービスが設定されていない区間でのトラブルという事もあり5本ものSSをパワーダウンした状態で走りDay2終了時点で、トップのタナックから7分41秒差の総合15位まで順位を下げてしまい目前へと迫ったタイトルに黄色信号が灯りました。
しかし、Day3までにマシンは修復され2本のステージウィンを含む驚異の追い上げで総合7位まで順位を回復して最終日を迎えました。
その最終日、朝の額田SSでタイトルを争う首位タナックがまさかの大クラッシュ。
土曜日までの結果で付与されるポイントは日曜の完走が条件のためタナックのラリージャパンでのノーポイントが確定。
この瞬間、シルバーコレクターと言われ続けてきたヌービルは悲願のドライバーズチャンピオンに輝きました。もちろんヒョンデにとっても初のドライバーズチャンピオンです。
来年も素晴らしい走りで世界中のファンを沸かせてくれるはずです。
©Jaanus Ree / Red Bull Content Pool