FIA世界ラリー選手権フォーラムエイト・ラリージャパン2025は最終ウルフパワーステージまでの全20SSが終了し、トヨタのセバスチャンオジエが今季6勝目をマーク。2位にエバンス、3位にパヤリが嬉しい自身初ポディウムを獲得した。
©Jaanus Ree / Red Bull Content Pool
Day4
最終日Day4を迎え、トヨタのオジエとエバンスの差は6.5秒。
3位のフルモーはオジエから23.6秒とまだまだ優勝を狙える位置につけている。
前日のクラッシュによりタイムコントロールへの到着が規定時間より遅れてデイリタイアとなった勝田もマシンの修理を終え、日曜のみの結果で争うスーパーサンデーのポイントを獲得すべく戦線に復帰した。
SS15
Nukata 1:20.23km
Stage Winner:Ott TÄNAK (HYUNDAI SHELL MOBIS WORLD RALLY TEAM)
この日最初のSSは額田。前半は日本らしい家屋が並ぶ市道を走り千万町楽校の観戦ポイントへ進むルート。
ほぼ全開でギャラリーゾーンを抜けるため迫力ある走りを体感できる。
昨年はフィニッシュ手前1kmでタナックがクラッシュ。この結果ヌービルが自身初のタイトルに輝いた。
しかし、今年のヌービルは豊田スタジアムのサービスを出発してまもなく電気系のトラブルが発生。
額田にたどり着くことなくラリージャパンを去った。
そして、総合3位まで順位を上げていたヒョンデのフルモーもフロントガラスの曇りが原因でコースオフ。
立ち木に激突し、右側のドアとリアのボディカウルを失ってしまった。ここでヒョンデは3台中2台がリタイアとなった。
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SS16
Lake Mikawako 1:13.98km
Stage Winner:Sébastien OGIER (TOYOTA GAZOO RACING WRT)
旧伊勢神トンネルと並び、ラリージャパンを象徴するランドマークの熊野神社があるステージ。
湖畔、人里、田んぼ道、林道と様々なロケーションをドライであれば8分台というハイペースで駆け抜けるコースとなっている。
ここでも総合首位のオジエがトップタイムをマークし、2位エバンスとのギャップを僅かだが拡げることに成功した。
SS17/18
Okazaki SSS 1/2:1.98 kmkm
SS17 Stage Winner:Takamoto KATSUTA (TOYOTA GAZOO RACING WRT)
SS18 Stage Winner:Takamoto KATSUTA (TOYOTA GAZOO RACING WRT)
今年が最後の開催となる予定の岡崎中央総合公園を使ったスーパースペシャルステージ。
昨年の逆走がメインのレイアウトだがコース中央の4車線道路をほぼ使用しないルートとなり、今大会で最も短い1.98kmのSSになった。
短いステージだが、狭い公園の外周路や駐車場を使ったジムカーナゾーンなどバラエティに富んだレイアウトで様々な走りを楽しむことができるステージ。
三河湖を終えたラリーカーのリグループを行い、SS17を全車が走り終わった後すぐにSS18として再走するタイムスケジュールとなっている。
大雨となった岡崎での2連続ステージを制したのは昨日悔しいデイリタイアとなった勝田貴元。
大勢が詰めかけた母国ファンの大声援を受ける中、連続ステージ優勝という結果を持ち帰った。
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SS19
Nukata 1:20.23km
Stage Winner:Sébastien OGIER (TOYOTA GAZOO RACING WRT)
2走目の額田。出走順により雨の状況が変化する中オジエが今季6勝目に向けてチャージ。
エバンスに対して11.5秒のアドバンテージをもって最終ウルフパワーステージへ。
スーパーサンデーでトップにつけている勝田はギアボックストラブルにより無念のタイムロス。
それでも4位とポイント圏内で最終ステージへ向かっていった。
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SS20
Lake Mikawako 2 Wolf Power Stage:13.98km
Stage Winner:Sébastien OGIER (TOYOTA GAZOO RACING WRT)
4日間のラリーを締めくくる最終ウルフパワーステージ。ここで上位5位以内に入ると選手権ボーナスが与えられる。
ラリー1の先頭でスタートした勝田は途中でハーフスピンとパンクにより後退するもスーパーサンデーで5位に踏みとどまり1点を獲得。総合17位、WRC 7位で2025年のラリージャパンをフィニッシュ。半年後に行われるラリージャパンでのリベンジを誓った。
総合3位はトヨタのパヤリ。勝田、フルモーなどが脱落していく中、安定した走行を続け自身初のWRCポディウムを獲得した。
そして白熱の優勝争いはこのステージを0.1秒差でエバンスを抑えたオジエが、北海道で行われていた時以来15年ぶりのラリージャパン制覇となった。オジエは今シーズン6勝目。キャリア67勝目。
オジエは優勝の25点とパワーステージでの5点、そしてスーパーサンデー1位の5点と1大会で獲得できる最大点数である35を持ち帰った。この結果、ドライバー選手権は首位エバンスから僅か3点差の2位でWRC初開催のサウジアラビアでの最終戦を迎えることになった。
©Rally Japan
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