FIA世界ラリー選手権(WRC)の第13戦としてフォーラムエイト・ラリージャパン2025 が開催されました。
まずは、ラリージャパンの環境対策とエントリー車両の紹介です。
今年のラリージャパンもFIA(国際自動車連盟)環境認証プログラムにおいて、最高ランクとなる3つ星を獲得しています。
このプログラムは、世界中のモータースポーツとモビリティの利害関係者が環境パフォーマンスを測定し、向上させる支援を目的に、
「環境マネジメント」「エネルギーの使用」「廃棄物管理」等の17セクションの審査を受け、3段階で格付けするものです。
環境にやさしい大会づくりや、山林保全はもちろんのこと、子どもたちへの教育活動としてFIA世界ラリー選手権を題材とした持続可能な社会について考える機会を作ります。準備段階から大会終了後の片付けまで含めた環境に配慮した運営が世界的に評価されています。
今回のラリージャパンを前にTOYOTA GAZOO RACING WRTがマニュファクチャラーズチャンピオンを確定させています。
ドライバーズチャンピオンシップは残り2戦をトヨタの3台の他、ヒョンデのタナックに権利が残された状態でラリージャパンを迎えます。
今回のラリージャパンには全38台がエントリー(2台がエントリー取消で実際には36台)しました。
そのうち、最高峰WRCを戦うクルーは下記となります。
TOYOTA GAZOO RACING WRT
TOYOTA GR Yaris Rally1
No.17 セバスチャン・オジェ/ヴァンサン・ロンデ
No.18 勝田貴元/アーロン・ジョンストン
No.33 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン
No.69 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン
TOYOTA GAZOO RACING WRT 2
TOYOTA GR Yaris Rally1
No.5 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン
HYUNDAI SHELL MOBIS WORLD RALLY TEAM
HYUNDAI i20 N Rally1
No.1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ
No.8 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ
No.16 アドリアン・フルモー/アレクサンドル・コリア
M-SPORT FORD WORLD RALLY TEAM
FORD Puma Rally1
No.13 グレゴワール・ミュンスター/ルイ・ルーカ
No.55 ジョシュア・マクアーリン/オーン・トレイシー
使用する車両は従来のWRカーに代わる車両として2022年よりスタートしたラリー1規定の車両となります。
従来はワンメイクのプラグインハイブリッドシステムを搭載していましたが、供給先より提示された新たな修理ガイドラインにより、ラリー現場での修理が困難になる事態に発展。急遽、今シーズンよりハイブリッドシステムを降ろした車両となりました。
これによりエンジン単体での最高出力は約380馬力となりましたが、最低重量1が1,180kgに減らされたことにより従来と同等以上の性能を発揮。
また、使用される燃料はドイツのP1パフォーマンスフューエルズの破産によりシーズン途中よりトタル「トタルエナジーズRRX AS」に変更されました。この燃料は、廃棄物や、動植物性産業残渣から生成されたバイオ燃料でFIAの先進サスティナブル燃料規定に準拠しています。
そして、今シーズンから4WD車におけるコントロールタイヤが従来のピレリから韓国のハンコックに変更。
ラリージャパン用にラリー1ではドライ用に「Ventus Z215 WRC3 (ハード)」「Ventus Z215 WRC7 (ソフト)」、そしてウェット用に「Ventus Z210 WRC5」の3種類が供給されました。
2WD車においてはタイヤのメーカーが自由に選択できるため、横浜ゴム、ダンロップ、ミシュランなど多彩な銘柄が揃いました。
WRCの他、ラリー2規定の車両で争われるWRC2、ラリー3規定のWRC3。
そして、RC5とR-GTに1台ずつ、国内格式としてナショナルクラスが設定されそれぞれのクラスで白熱した戦いが繰り広げられました。