クールに熱い。
昨年のJAIA試乗会ではカーくるメンバーはアウディS4に試乗、私を含めそのバランスの良さに非常に感心した記憶があります。 更にハイチューンのRS5はいったいどんなクルマなのだろうか・・と大きな期待を持って乗り込みました。
デザインは先代からのキープコンセプトかなと思っていましたが、実車を目の当たりにした印象は結構違いますね。 イメージとしては、先代は曲線的でやや女性的な印象がありましたが、現行型はどちらかというと直線基調というかエッジが効いていて、男性的な印象を受けました。
外観は、一見450馬力のハイパワー車には見えず、S5のスポーツバージョンかな・・くらいの印象ですが、よく見ると大径のタイヤとホイールの間からちらっと覗いている大径ブレーキ(しかもオプションのセラミックブレーキ装備)、シルバーに塗色されたミラー、リアスポイラー、ドア前のディフューザーが只ならぬ雰囲気を醸し出しています。 フェンダーもS5と比べるとひそかに少しだけ膨らんでいるのですね。 とはいえ、ハイパワーモデルと云えと、これ見よがしでないのはアウディの美学なのでしょうね。
乗りこんだら、いつものアウディワールド、非常に精度が高く、かつ上質なインテリアが迎えてくれます。 シートも、非常に高級感があり、恐ろしく剛性感が高いバケットシートに体がフィットします。
ステアリングはバックスキンで、このクルマが只者では無い事が伝わってきます。
エンジンを掛けてゆっくりと走りだしても、ゆっくり走る分には特にハイパワー車というのを意識せずに走らせることが出来ます。 アイドリングストップもしますし。
但し、一旦アクセルを踏み込むと2.9リッターのバイターボエンジンが唸りを上げて、どのギアからも加速をしていきます。 8速のティプトロニックも非常にスムーズな変速で、レスポンスも非常に素晴らしいです。 アウディドライブセレクトで、オート、コンフォート、ダイナミック、インディヴィジュアルの4モードでパワステのアシスト量、トランスミッションの特性、エグゾーストフラップの特性等の調整が可能となっております。
乗り心地は昨年乗ったS4と比べれば、扁平タイヤの影響もあり、やや硬さを感じますが、決して不快ではないと感じます。 普段乗りでも許容範囲かと。 とにかく、クルマ全体のバランスが取れていて、エンジン、サスペンション、トランスミッション、ステアリングといった一連のメカのバランスがハーモニーを奏でているようなバランスの良さを感じました。 尤もすべてが余りにも完璧すぎる為か、凄さが印象に残らない気も。。 このあたりがアウディのアイデンティティなんでしょうね。
ライバルとしては、BMW M4やAMG C63といったところでしょうか。
過去に乗ったM4と比べると、M4のほうがよりスポーツカーに近く、コンペティションな印象を受けました。 RS5のほうが内外装の質感の高さといい、よりラグジュアリーな感じですかね。
とにかく、アウディの技術の粋を集めた圧倒的な完成度の高さというものを改めて肌で感じ、圧倒された次第です。
アウディ RS 5 Coupe
<主要諸元>
全長X全幅X全高: 4,725mm x 1,860mm x 1,365mm
ホイールベース: 2,765mm
車両重量: 1,760g
エンジン種類: V型6気筒DOHCインタークーラー付バイターボ
排気量: 2,893cc
最高出力: 331kW(450ps)/5,700-6,700rpm
最大トルク: 600Nm(61.1kgm)/1,900-5,000rpm
トランスミッション: 8速ティプトロニック
駆動方式: Quattro(4WD)
燃料消費率(JC08モード走行):-
メーカー希望小売価格: 12,570,000円 (オプションを含まない価格)
試乗車はオプションとして、RS5スポーツエグゾーストシステム、ヘッドアップディスプレイ、カーボンエンジンカバー、セラミックブレーキ(フロント)、セーフティパッケージ、RSデザインパッケージ、カーボンスタイリングパッケージ(マットアルミニウムルック)を含む
公式サイト: www.audi.co.jp