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2018年7月14日
デザインにも性能にも拘りたい輸入車オーナーへ。クルマ好きが上がる最新腕時計をモータージャーナリスト嶋田智之さんが徹底インプレッション
witten by カーくる編集部
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エンスー自動車雑誌『Tipo』の編集長やスーパーカー専門誌『ROSSO』の総編集長を務め、現在はフリーランスとして活躍中の嶋田智之さん。
車っぽいデザインとスマホと繋がる機能にグッときてしまい、しばらくぶりに愛用することになった腕時計がカシオの人気モデル EDIFICE「EQB-501」だ。
デザインと性能の両面から魅力を語る。
EDIFICE(エディフィス)の中でもスピードメーター風デザインでクルマ好きから熱い支持を受けベストセラーとなっている「EQB-501」シリーズに新たに2色の革バンドモデルが追加された。
【ブラウン:EQB-501XBL-2AJF、ブラック:EQB-501XBL-1AJF
】
メタルバンドよりカジュアルで、ビジネスシーンからプライベートまでマルチに使え、スポーティでありながらカジュアルな小慣れ感を漂わせる高いデザイン性が魅力だ。
スマートフォンと腕時計をBluetoothで通信接続するスマートフォンリンク機能により「自動時刻修正」や「ワールドタイム設定」など時計本来の機能をレベルアップさせる最新技術を備える。
さらにサーキットで使える「ラップタイムから周回平均速度を表示する機能」などモータースポーツファンの心をくすぐる機能は「EDIFICE」ならでは。
モータージャーナリストとして海外での取材も多い嶋田さんに、世界で使える、サーキットで使える、日常で使える数々の機能をクルマ好きの目線で語って頂いた。
“あまり好きじゃないものリスト”のようなものがあるのだとしたら、だいぶ長い間そこで不動の地位を築いていたのが、カレンダーと腕時計だった。……なぜ?決まってるじゃないか。むりやり現実に直面させられるのが嫌だったからだ。
以前は雑誌の編集者、今はモノ書き。職業上避けては通れないのが“締切”という簡単には打ち倒すことのできない敵なわけだが、避けられない以上は常に動向を気にしていなければならない存在でもある。だから、そんなのはいつだって肌感覚で判ってるのだ。判ってるのに「あと何日だぞ」「あと何時間だぞ」「早くチャッチャとやっちゃえよ」と気遣いなくネジを巻きにかかるようなヤツなんぞとは友達になりたくない、みたいな感覚である。何せさぼっててやらないわけじゃなくて、もがいても上手くいかないのだから。
昔はカレンダーなんてロクに意識もしなかったし、自分の生まれ年の古いだけが取り柄の手巻き時計の竜頭を巻く指先の感覚が好きだったりもした。が、ちょうどその時計を壊してしまった頃、当時は編集者だった僕は忙しさが膨らみを増していろんなモノやコトに追い立てられるようになり、カレンダーも腕時計も見ていたい気分じゃなくなった。携帯電話を手に入れて、時間なんて必要なときには辺りを見回せば判るじゃん!と気づいてしまったことも大きかった。
腕時計をしないのが習慣となって、およそ20年。今ではスマートフォンという便利すぎる相棒と半ば憎みながらつきあっていて、関心を持つことがほとんどなかった。そういう人、意外と多いのでは……?
ところが、だ。今、僕の腕にはEDIFICEの「EQB-501」という腕時計が巻き付いている。自分でも驚いてるけれど、僕は腕時計を身につけるようになったのだ。しかも、だ。意外や気に入っている。これはいったいどういうことか……?
前振りばかり長くなってもナニだろうから、実際に使ってみての印象を交えながら、その辺りをお伝えしていくことにしよう。何せもうEDIFICE「EQB-501」は手元にあるのだから。
身につけないことに慣れきっていただけで、腕時計がある方がいいかもと感じる場面は、これまでもないわけじゃなかった。僕もそれなりに年齢を重ね、失礼を働くことを許してもらえそうにない人物とお会いする機会も増え、ポケットからスマートフォンを引っ張り出して時間を確認するようなマネはとてもできないという状況が何度か続いたときなど、ちょっとマジメに考えた。
まぁ他にもあれこれと言い訳じみた理由を並べることはできるのだけど、ぶっちゃけ、軽いひと目ぼれのようなもの、というのが一番の理由かも知れない。EDIFICE「EQB-501」の佇まいにちょっとばかり惹かれ、これなら身につけてもいいかな、なんて思っちゃったのだ。
まるで見慣れたクルマのメーター・パネルのような、それも僕の好みである深めのフードにメーターが配置されてるかのような立体的なデザイン。綺麗なブルーの文字盤に、存在をうるさく主張したりしないブラックのタキメーターのリング、そして渋めのブラウンのベルトというカラー・コーディネート。
好みにバッチリとはまったし、このルックスなら仕事でステアリングを握ることになる新しめのスポーツカーにもヒストリックカーにも無理なく似合いそうだ。
興味を持ったので軽く調べてみると、おっ!と強く気を惹く機能を持ってることがすぐに判った。佇まいとその機能だけでほとんど決意したようなものだ。
仕事柄、国際試乗会に呼んでいただいたり自分で好きに取材を組んで海外に飛ぶこともあるので、腕時計を身につけるならデュアルタイムであることは絶対条件だ。が、EDIFICE「EQB-501」はただのデュアルタイムじゃなかった。
ボタンのワン・プッシュでホームタイム(つまり日本時間だ)とワールドタイム(つまり現地時間だ)を入れ替えることができるのもありがたいのだけど、スマートフォンとBluetoothでリンクさせることができて、スマートフォンに落としたアプリを操作するだけで世界の約300都市から滞在先のタイム・ゾーンを選ぶことができ、それもサマータイムまで計算に入れ、本体へとデータを送って自動設定してくれる。あらかじめ滞在先との時差を調べておいたり現地に着いて時刻合わせをしたりする手間もなければ、もちろんミスもない。
スマートフォンアプリ「CASIO WATCH+」では、スマートフォンに表示された地図から感覚的にタッチするだけで時刻の選択ができる。
ホームタイムとワールドタイムの入れ替えもワンタッチで簡単。
ちょうど東京→ロンドン→ル・マン→パリ→東京という出張が予定にあって、その10日ほど前から色々試してみたりもして、いざ実際に使ってみたら……これは素晴らしく便利だった!
搭乗直前にアプリでホームタイムは東京のままワールドタイムをロンドンに設定すると、時計の針が勝手に動いてものの数秒でセット完了。チケットにはフライトの時刻は出発地点の時間、そして到着予定時刻は現地の時間で書かれてるから、当然それが頭にあるわけだが、機内で原稿書きをしているときやうたた寝から目が醒めたときなどには“これからどれくらいの時間で着くのか”という根本的なことを知りたくなる。デュアルタイムはそれを一瞬にして解決してくれるし、フライト時間の半分を過ぎた辺りでホームタイムとワールドタイムをワン・プッシュで入れ替えると、現地に着いてからのデューティとそれに要する時間の組み立てがしやすくなる。スマートフォンは現地に着くと勝手に時間を拾ってくれるけど、頭の中でのスケジュールの組み立てをほんのり促してくれたりはしない。おもしろいものだな、と思う。
普通なら現地の空港に着いてから時刻を合わせなきゃならないのに、機内でのボタンのワン・プッシュだけでOK。羽田空港でセットしておいたロンドンの時間がメインに、東京の時間がサブにと自動的に切り替わってくれて、ヒースロー空港に着いたときには現地時刻を手に入れてるってわけだ。もちろん寝不足によるミスだってない。これは本当に便利。
ちなみにこの機能には、ロンドンからクルマの自走でル・マンを目指し、ドーバー海峡トンネルを車両運搬シャトル列車で渡りきってフランスはカレーの地を踏んだときにスマートフォンをリンクさせてパリを選んでピッ!パリのシャルル・ド・ゴール空港を出て羽田へ向かう空港で本体のボタンをプッシュしてピッ!とすっかり助けられて、本当にありがたかった。多少の慣れはあるとはいえ、国内にいるときと比べたら神経を磨り減らしてる海外滞在。凡ミスをしがちだし、その凡ミスによる時間感覚のズレが後の面倒を引き起こしたという経験が、僕にはあったからだ。
イギリス到着初日の宿泊先は、観光地にもなっているロンドン郊外のマナーハウス・ホテル。さっそく英国らしいクルマに出逢えて、思わずシャッターを……。
マナーハウス・ホテルのエントランスに停まっていた、宿泊客のジャガーEタイプ。本来はこういうクルマでサラッと乗りつけられるような人達のためのホテルなのだ。ユニクロ着てここに宿泊したのは、僕が世界で初めてかも知れない。
マナーハウス・ホテルの敷地は広大で、テムズの流れに沿っていたりもして、散歩をするのが心地好いぐらい。思わず時間を忘れそうになるところだけど、腕時計のアラームで集合時間15分前をセットしておいたので、5分遅れるだけですんだ。いや、思いのほか遠くまで歩いていってたせいで……。
今回の出張の目的のひとつに、ル・マン24時間レースの取材があった。
あと20分ほどで24時間のドラマが幕を閉じる。腕時計のその先にあるフォード・シケインを通っていくクルマ達の全てが英雄になる瞬間だ。ここまで来たら、走り続けている全てのクルマ達にトロフィーをあげるべきだ、なんて気分になってくる。
EDIFICEがモータースポーツと親和性の高いブランドであることは、レーシングな人達の間ではよく知られていること。
F1の分野では今年からホンダ・エンジンを搭載しているスクーデリア・トロ・ロッソとコラボレートした限定モデルをリリースしているし、つい最近では国内のスーパーGTシリーズやフォーミュラ・レースの強豪であるTOM'Sとのコラボレーション・モデルも発売が開始された。多くのレーシング・ドライバーやラリー・ドライバーも愛用している。
タイムというものに並ならぬこだわりを持つ彼らは時間の正確さにも当然ながらこだわるし、1日に4回スマホと自動接続して時刻を修正してくれたりする機能などは、とりわけ全てのスケジュールが分単位で指定されているラリーの現場を戦う人達には重宝されているようだ。
トヨタが総合優勝。素晴らしい! パドックを歩いていたら、どこの国から来てるのかすら判らないヤツらが次々と声をかけてくる。「おまえは日本人だろう? トヨタの優勝、おめでとう」。彼らはル・マンで勝つのがどれほど大変なことなのか、ちゃんと解ってるのだ。
レースが終わった後にサーキットから出ると、伝説的レーシング・ドライバーの名前を冠した通りの標識があった。ファン・マニュエル・ファンジオ通り。クルマ好きとして、モータースポーツ好きとして、こういうのにはいちいち感激させられる。
レース後のサーキットからクルマで外に出ようとすると、30分経っても1mmも進まないような大渋滞。仕方なく荷物を置いてある宿泊場所までの3kmの道のりを歩くことに……。途中に美しい風景があったりもして思わず足を停めちゃうのだけど、腕時計をしてるとふと時間を確認するようなところもあって、空港へのトランスファーの時間にもしっかり間に合うわけで……。
当然ながらEDIFICE「EQB-501」にもストップウォッチ機能は備わっているわけだが、計測したラップ・タイムは連携するスマホに転送して管理できるし、さらにおもしろいのは世界の名だたるサーキットのデータがアプリにあらかじめ入っていて、観戦しながら計測すると周回ごとのラップ・タイムと平均速度を記録、アプリに表示することができるということだろう。これはモータースポーツ好きの人が開発に加わっていないと絶対に実装されない機能だと思う。
ちなみにその機能を利用すれば、例えばA地点からB地点までの到達タイムと平均スピードを計測することもできる。
今回、僕は他国の同業の連中と何台かのクルマに分乗してル・マンを目指したわけだが、そのときのある街からある街への区間を計測してみたりするのも、なかなか楽しかった。彼らはときどきビックリするほどの勢いでアクセルを踏んでいく。地図を渡されないコンボイ走行だから置いていかれるのはそのまま迷子になることを意味するので、こちらも適度な距離を空けてついていく。そのときの高速道路でのデータにはなかなか興味深いものがあるのだけど、とてもそれを公開するわけにはいかない……。
ル・マン到着の前日に宿泊したノルマンディのホテルで、駐車場に停まっていた珍しいフレンチ・スポーツカー。MVSヴェンチュリ……って御存知?
帰りのシャルル・ド・ゴール空港にて。フライトは23時25分発の深夜便。搭乗直前にボタンをワン・プッシュすれば日本時間がメインへと自動的に表示が切り替わる。これは本当に便利。
羽田空港に到着しちゃった。出張先での楽しさから現実に戻りたくなくて、思わずメインをフランス時間に切り替えてみたりして……。
ともあれ、僕達が日常的にクルマを楽しむ上で、この機能はアイデア次第でいろいろと役にも立ってくれそうだ。例えば仲間達とのツーリング、例えばサーキットやジムカーナ場、例えばいつものワインディングロード……。思い浮かぶことは幾つもある。モータースポーツとの親和性が高いというよりも、EDIFICEはクルマ好きのことを相当考えて開発されてるんじゃないか?と思えてくるほど。これはクルマ好きがたっぷりと遊べる腕時計なのだな、きっと。その辺り、これからひとつずつ試してみようと思ってる。
これだけ機能を搭載しているのにソーラー充電システムで作動することは無条件で大歓迎。10気圧防水であることも、雨の中で仕事をすることもある僕にとっては都合がいい。アラームも重宝するだろう。ボタンのワン・プッシュで連携してるスマホが鳴り出し居所を教えてくれる携帯電話探索機能なんて、ふと気づけばスマートフォンがシートの下辺りに転がり込んでしまってるような、僕みたいな人間のためにあるようなものだ。
そしてもうひとつ大切なことは、このEDIFICE「EQB-501」の価格が4万1000円+税(定価)という優れたコストパフォーマンスがあって、なおかつ手が届くものであることと、とてもその値段には思えないほどの“いいもの”感を漂わせていること。安っぽさのようなものは、どこからも微塵も感じられず、むしろとても上質だと思えるのだ。
どうやらこれは仲間達にも教えないといけないようだね。
Product introduction
EQB-501
XBL
価格:¥41,000+税
EQB-501公式サイト
July 14,2018 Sat |
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