オーストラリア人がフランスでイタリアンを従え、素晴らしい勝利を達成した。ペドロサはマルコ・シモンセリと接触、右鎖骨を骨折した。
フランスGPはレプソル・ホンダチームにとって、感情の入り混じった結末となった。ケーシー・ストーナーのすばらしく完全な勝利とアンドレア・ドビツィオーソの2位獲得がレースの良い面だった。しかし同時に悪い面もあり、それはダニ・ペドロサにとってだった。彼は2位で走行中、マルコ・シモンセリがブレーキング時にダニのラインをふさぐという不作法によって引き起こされた重大なクラッシュで、右鎖骨を骨折した。
チャンピオンシップ第4ラウンドは、ダニ・ペドロサが4番グリッドからトップに立つというスタートで始まった。アンドレア・ドビツィオーソもまた良いスタートを切った。緻密なケーシー・ストーナーが彼を抜き、ペドロサに接近するまでの間、数メートルのアドバンテージをとって2位につけた。イタリアンライダーはその後マルコ・シモンセリにも抜かれ、さらに1周後ホルヘ・ロレンソにも追い越された。
すべてのフリー走行、そしてウォームアップさえも制した後、ケーシー・ストーナーがレースをリードしはじめるのに長くはかからず、2周目には彼はトップに立っていた。
レプソルライダーは非常に速いペースで後続を引き離そうとしたが、ダニ・ペドロサがペースを保ち、交互にコースレコードを破りながら残りのグループを引き離していった。
二人のレプソル・ホンダチームのライダーたちは、12周後にペドロサが少しペースを落としてオーストラリアンライダーが彼との差を広げることができるまで、レースをリードした。このペースダウンが、1周後の16周目にマルコ・シモンセリがペドロサに追いつくことを可能にし、スペイン人のレースを終わらせることになった。
シモンセリはとても速いペースでレプソルライダーを捕らえ、即座にフランスのコースのU字コーナーの一つ手前、第9コーナーで外側からペドロサを追い越そうとした。しかし彼はアグレッシブすぎて、コーナー入口で差を詰めた際にペドロサにスペースを残しておかなかったため、ペドロサはシモンセリのリア・ホイールに接触し、クラッシュしてしまった。
衝撃でペドロサは右鎖骨(昨年10月に日本で骨折したのと反対側)を骨折し、その後シモンセリはライドスルーペナルティーを受けた。一方でホルヘ・ロレンソ、アンドレア・ドビツィオーソ、バレンティーノ・ロッシが残り二つの表彰台を目指して戦っていた。彼らは終盤ロレンソのペースが落ちて争いから脱落するまで、何度も抜きつ抜かれつを演じた。
残り3周、アンドレア・ドビツィオーソがバレンティーノ・ロッシを抜いた。ロレンソとの争いの後2位だった彼は再びレプソル・ホンダチームのライダーを追い抜いたが、チェッカーフラッグ直前で力尽きた。前方ではケーシー・ストーナーが二位と14秒差という大きなマージンを得て今シーズン2勝目を挙げていた。
この結果、ケーシー・ストーナーはホルヘ・ロレンソと12ポイント差で3位ダニ・ペドロサの61ポイントを5ポイント上回る、チャンピオンシップ2位となった。アンドレア・ドビツィオーソは50ポイントで4位。
ダニ・ペドロサ リタイア
良いレースをしていた。目的は表彰台を得ることだったし、それをつかんでいた。しかし、何もなかった。シモンセリは僕を追い抜き、僕は彼を抜き返していいラインをとった。彼はブレーキを離して僕に近づいてきて、僕にはどうすることもできなかった。僕は骨折をしてこの場を離れ、彼はライドスルーペナルティーになった。またもやひどい状況になった。この前の手術で悪夢から解放されたばかりなのに、またケガをしてしまった。あんまりだ。僕に相応しくない。
アンドレア・ドビツィオーソ 2位 at 14.214
今日は2位になれて本当にハッピーだ。この2位はチャンピオンシップにはとても重要だし、シーズンがスタートした後、期待したが得られなかった結果だ。週末の初めからチームと良い仕事ができ、表彰台に向けて戦えると分かっていたが、2位は予想していなかった。バレンティーノと素晴らしい戦いをしたし、彼を打ち負かすことはいつも特別なことだ。激しく戦った後に表彰台を獲得し、素晴らしい気持ちだ。2つのエリアで差をつけられたが、ブレーキングがよかったので良い作戦を立て、彼を追い抜いた後は特に彼が速かった第10・11コーナーで彼に近づかれすぎないよう100%でプッシュした。レースは、良いスタートが切れたけどロレンソの強気の追い抜きで少しペースが落ちた。でも、そのあと差を埋めるためにプッシュした。僕らは良いペースだったが、もっと速くならなくてはならない。序盤から先頭のライダーたちについていけるよう、差を縮めなければ。今日、ダニはとてもアンラッキーだった。すぐに回復することを願っている。
ケーシー・ストーナー 1位 44:03.955
週末全体が僕らにとってとてもよかった。ポルトガルのテストからここまでマシンはほとんど同じ状態で、テストでもここでも少しの調整をし、このサーキット向けのセットアップもほんの少しのアジャストだった。自信を持ってレースに臨んだ。レース序盤はダニがとても速く、僕と競って何周かついてきた。そこで僕は全力でプッシュし続け、ついに差をつけることができた。このポイントからレースは僕のペースになり、堅実なライディングと優勝に集中することができた。チームと一生懸命仕事をしてくれたみんなにとても感謝しているが、今僕の思いはダニのことにある。彼はチャンピオンシップ争いの強力なライバルだから、すぐに回復できることを願っている。