ドビツィオーソがファンの前で2位を獲得、3位にチャンピオンシップ争いでリードを保つストーナーが続いた。復帰したペドロサは8位。
熱狂的ファンに占領されたイタリアのサーキット・ムジェロで、再びレプソル・ホンダチームのライダーたちが3つある表彰台のうち2つを獲得した。アンドレア・ドビツィオーソとケーシー・ストーナーは最終ラップでエキサイティングな争いをし、イタリア人が19ポイントのアドバンテージでチャンピオンシップ争いをリードするチームメイトを抑えて2位でフィニッシュした。一方、8位となった復帰初戦のダニ・ペドロサにとっては難しいレースだった。
レッドシグナルが消えると、ケーシー・ストーナーがホルヘ・ロレンソとアンドレア・ドビツィオーソを従えてトップに立ち、勢いよく第一コーナーへ飛び込んだ。オーストラリア人はすぐにアドバンテージを広げ、1周目を終えた時点で後続との差は1秒近くになった。そのときダニ・ペドロサは13位。ストーナーはラップ毎に残りのグループとの差を広げ、地元ファンの声援を受けるドビツィオーソは激しい競り合いの後、8周目にホルヘ・ロレンソを抜いた。
ドビツィオーソはその後5周の間2位をキープしたが、ロレンソがカウンターアタックを仕掛けて抜き去り、何周か後にはストーナーにも追いついた。タイヤに問題を抱えたレプソル・ホンダチームのオーストラリア人はアドバンテージを失い、残り6周でヤマハのライダーに抜かれてしまった。背後では、アンドレア・ドビツィオーソもまたチームメイトである彼との距離を縮め、メインストレートの最後、最終ラップに入ったところで彼を抜き去り、2位でチェッカーを受けた。
ダニ・ペドロサはレース前半で目覚ましいポジションの回復をして8位でフィニッシュラインを通過した。5周目では12位だったレプソル・ライダーは堅実なペースを保ち、カレル・アブラハムを抜いてアルバロ・バウティスタ、バレンティーノ・ロッシ、エクトル・バルベラそしてコリン・エドワーズらのグループを捕まえてさらに2つポジションを回復した。アメリカ人を抜いた後レプソル・ライダーは、9位のポジションで残り8周でコースアウトしてペドロサに8位を許した、バウティスタに迫った。
ワールドチャンピオンシップは2週間のインターバルを持ってドイツに場所を移す。ケーシー・ストーナーがホルヘ・ロレンソと19ポイント差の152ポイントで依然としてトップ。アンドレア・ドビツィオーソはホルヘ・ロレンソとわずか14ポイント差で3位をキープ。今日の結果で、ダニ・ペドロサは69ポイントの7位となった。
ダニ・ペドロサ 8位 at 32.043 sec.
今日は自分のパフォーマンスにとても満足している。まだ100%にはほど遠いけど、この結果には価値がある。これまでケガの後の復帰戦ではいつも完走出来なかったが、今日はできた。長時間でも問題なく、スピードも落ちなかったので、体調が良くなればトップグループに戻れると確信した。レーススタート時、クラッチに問題があって1周半の間ギアの操作が出来ず、このときに全てを失った。大きく順位を落としてしまい、クラッチが再び働き出したあと、すぐに疲れてしまったけど、リズムにのってペースをつかもうとした。少しずつリズムにのってバレンティーノ、バルベラ、バウティスタのグループを捕らえたけど、この時にはすでにハードに攻めるエネルギーは残っていなかった。
今とても疲れている。持てるものすべてを出し切った。今のコンディションで、クラッチの問題があったのに8位/8ポイントを獲得できたことはとても良い結果だと思う。レースのペースには満足している。23周もの間1分49秒台から50秒台で走れるとは思っていなかったから。ホルヘには素晴らしい勝利におめでとうと言いたいし、ファンと復帰を手助けしてくれたドクターに感謝したい。
アンドレア・ドビツィオーソ 2位 at 0.997 sec.
ムジェロはいつも特別なイベントで、表彰台に立った時の気分はすばらしいものだった。今回表彰台に立った唯一のイタリア人ということがさらに特別なものにしてくれた。ファンのサポートがすごかった。いつも僕を応援してくれ、特に熱さと、肉体的にきついこのコースのせいで疲れてきたときにモチベーションを高めてくれた。今朝のセットアップでフロントの安定性が上がり良い感じだった。良いスタートだったし、グリップが充分でなく、タイヤがスピンしていたにもかかわらず、レース全体を堅実に走ることができた。レース序盤はホルヘと2位を争っていいバトルをした。それからレース終盤にはケーシーを抜くことによって2位をものにした。
ケーシーのスピンがひどかったのを見たけど彼はいくつかのコーナーでとても強く、抜こうとしたポイントで抜くことが出来なかった。でも最後には最終ラップで抜くことができた。ポイントを取って差を縮められたので、この2位はチャンピオンシップ争いにとってとても重要だ。ケーシーとホルヘは本当に強いけど、僕もそこにいることを示すことが出来た。シーズンは長いし、自分を信じることが必要。チームと僕の周りの人々すべてに感謝したい。僕らは勝てるバイクを持っているし、どこででも懸命に頑張っている。
ケーシー・ストーナー 3位 at1.143 sec.
今日の結果に満足しているとは言えない。とても良いスタートだったし、マシンの上で全てがすばらしいと感じた。しかし、何周か後にタイヤに問題が出てきた。今日の路面温度に対して空気圧が正しくなかったことが関係していて、おそらくウオームアップ走行よりも少し(空気圧を)落とすべきだったと思う。なぜなら一定の空気圧になるとすぐに後輪がグリップを失い、前へ進むことができなかったから。
とても速くタイヤが暖まり、これがレース序盤とても速く走れた理由だと思う。でもその後、タイヤがオーバーヒートしてグリップを失った。今日は勝利へのポテンシャルが高かったのに残念だ。ホルヘやアンドレアとまだ争えるポテンシャルがあると思ったけど、ホルヘに抜き去られた時、彼がとても速いと思った。それからアンドレアに抜かれた時は対抗できると思ったけど、まったくトラクションがなかった。表彰台と重要なポイントを獲得できた。でもレースに勝つためにここに来ているんだ。